24 / 58
続編~中学校編①~
8
しおりを挟む
月曜日になった。帰りのHRでテスト結果が配られた。細長い紙きれに5教科のそれぞれのテストの得点、その下に各教科の個別の順位、一番右の欄に5教科の合計点数と総合順位が記載されていた。さらには、クラス内の順位も学年順位の下に記載されている。
これもまた、名簿順に先生が生徒の名前を呼んで、教壇の前で渡すことになっていた。私の番が来たので、名前を呼ばれて教壇前まで歩いて行って受け取る。
「よく頑張ったなあ。これからもがんばれ。」
先生はたいそう嬉しそうだった。よほど良い順位だったのだろう。そっと渡された紙きれを見ると、何と驚くべき順位が記載されていた。
席について、思わず二度見をして確認していると、後ろから覗きこまれていたようだ。どうやら、結構な時間、眺めていたようだ。
「すごおい。武田さん、学年一位だって。」
クラス中に響く大声で、別府えにしが私の順位をクラスに伝えた。クラス中が一気にざわざわとうるさくなる。
「まじかよ。」
「うちのクラスに一位か。」
「小学校の時から、あやなは頭よかったもんね。」
「そんなことないよ。ただ、今回は初めてのテストだったから頑張っただけだし。」
驚きの声と、賞賛の声が相次ぎ、それにこたえるのに精いっぱいになっていると、別府えにしはその一言だけで、そのまま自分の席に戻り、そのまま今度はイケメンバカに話しかけていた。
「静かに。まだ帰りのHRは終わっていませんよ。別府さんもむやみに人の順位を他人に言いふらすんじゃありません。」
「はあい。ごめんなさあい。」
なぜか、別府えにしの言葉は語尾が上がっていて、後ろにハートが付きそうな気色悪い声を出している。イメチェンだろうか。それとも、担任に媚でも売ろうとしているのだろうか。
帰りのHRが終わり、部活に向かおうとすると、別府さんが先ほどの件を謝ってきた。
「さっきはごめんね。つい、一位を見て驚いて声が出ちゃった。お詫びに私の順位と点数も教えるね。やっぱり、私って自分が思っているほど頭がよくないみたい。」
頭がよくないという割に、他人に順位を見せるのは平気のようだ。よくわからないのだが、見せてくれたので、遠慮なく見せてもらうことにする。
「えっ。」
まさかの順位だった。これは予想もしていなかったので、言葉に詰まってしまった。
「武田さんもびっくりしているね、私も自分の点数に驚いちゃった。まさか、私がすべての教科で平均点を出すなんて思ってもいなかったから。」
普通に考えて、この結果はそう簡単に出せるものではないだろう。だって、すべての教科で平均点なんて、取れるはずがないのだ。それが、現実に起こっている。目の前の彼女は平然とした顔で、私って、平凡な子なのかしら、などとぬかしている。
「そうそう、としや君はどうだったと思う。」
「どうせ、学年最下位でも取ったんでしょう。」
そんなのは簡単に予想できることだ。だって私は彼とそれこそ、幼稚園の頃からの付き合いである。彼のバカさ加減は私が一番よく知っている。
「ざんねんでしたあ。」
「はあ。」
「何と、3桁ではなく、2桁の順位だったのです。」
私たちの通う中学校は一学年120人ほどだ。ということは、少なくとも、あとイケメンバカよりさらに馬鹿な奴らが20人はいるということになる。
「私の結果はダメだったけど、としや君が喜んでくれたからよかった。今度のテストも教えてあげようかな。」
「何が目的なの。」
「いやだなあ、ただの善意だよ。そうじゃなかったら、漫画みたいに私はとしやくんと武田さんとの間をさく、嫌な転校生役でしかなくなってしまうでしょう。」
笑いながら、私はこれから少し用事があるからといって、校庭に行く前に、どこかに行ってしまった。
残された私は彼女の行動や言葉の意味を考えながら、部活に向かったのだった。
これもまた、名簿順に先生が生徒の名前を呼んで、教壇の前で渡すことになっていた。私の番が来たので、名前を呼ばれて教壇前まで歩いて行って受け取る。
「よく頑張ったなあ。これからもがんばれ。」
先生はたいそう嬉しそうだった。よほど良い順位だったのだろう。そっと渡された紙きれを見ると、何と驚くべき順位が記載されていた。
席について、思わず二度見をして確認していると、後ろから覗きこまれていたようだ。どうやら、結構な時間、眺めていたようだ。
「すごおい。武田さん、学年一位だって。」
クラス中に響く大声で、別府えにしが私の順位をクラスに伝えた。クラス中が一気にざわざわとうるさくなる。
「まじかよ。」
「うちのクラスに一位か。」
「小学校の時から、あやなは頭よかったもんね。」
「そんなことないよ。ただ、今回は初めてのテストだったから頑張っただけだし。」
驚きの声と、賞賛の声が相次ぎ、それにこたえるのに精いっぱいになっていると、別府えにしはその一言だけで、そのまま自分の席に戻り、そのまま今度はイケメンバカに話しかけていた。
「静かに。まだ帰りのHRは終わっていませんよ。別府さんもむやみに人の順位を他人に言いふらすんじゃありません。」
「はあい。ごめんなさあい。」
なぜか、別府えにしの言葉は語尾が上がっていて、後ろにハートが付きそうな気色悪い声を出している。イメチェンだろうか。それとも、担任に媚でも売ろうとしているのだろうか。
帰りのHRが終わり、部活に向かおうとすると、別府さんが先ほどの件を謝ってきた。
「さっきはごめんね。つい、一位を見て驚いて声が出ちゃった。お詫びに私の順位と点数も教えるね。やっぱり、私って自分が思っているほど頭がよくないみたい。」
頭がよくないという割に、他人に順位を見せるのは平気のようだ。よくわからないのだが、見せてくれたので、遠慮なく見せてもらうことにする。
「えっ。」
まさかの順位だった。これは予想もしていなかったので、言葉に詰まってしまった。
「武田さんもびっくりしているね、私も自分の点数に驚いちゃった。まさか、私がすべての教科で平均点を出すなんて思ってもいなかったから。」
普通に考えて、この結果はそう簡単に出せるものではないだろう。だって、すべての教科で平均点なんて、取れるはずがないのだ。それが、現実に起こっている。目の前の彼女は平然とした顔で、私って、平凡な子なのかしら、などとぬかしている。
「そうそう、としや君はどうだったと思う。」
「どうせ、学年最下位でも取ったんでしょう。」
そんなのは簡単に予想できることだ。だって私は彼とそれこそ、幼稚園の頃からの付き合いである。彼のバカさ加減は私が一番よく知っている。
「ざんねんでしたあ。」
「はあ。」
「何と、3桁ではなく、2桁の順位だったのです。」
私たちの通う中学校は一学年120人ほどだ。ということは、少なくとも、あとイケメンバカよりさらに馬鹿な奴らが20人はいるということになる。
「私の結果はダメだったけど、としや君が喜んでくれたからよかった。今度のテストも教えてあげようかな。」
「何が目的なの。」
「いやだなあ、ただの善意だよ。そうじゃなかったら、漫画みたいに私はとしやくんと武田さんとの間をさく、嫌な転校生役でしかなくなってしまうでしょう。」
笑いながら、私はこれから少し用事があるからといって、校庭に行く前に、どこかに行ってしまった。
残された私は彼女の行動や言葉の意味を考えながら、部活に向かったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる