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3周囲の人々③~喜咲のクラスメイト(2)~
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「ねえねえ、この前出たあの百合漫画、喜咲はもう読んだ?姉妹物の話だったけど、私たちとはまた違った関係性で興味深かったよねえ」
「読んでない。そもそも、私はそんなもの読む気にも」
「そんなこと言いつつ、私が渡した本すべてに目を通しているのを、私は知っているよ」
「黙れ」
「ねえねえ芳子、まさか、高校に入って、生の百合が見られるとは思わなかったんだけど」
「そうねえ。あの二人のシチュは、あんたの好みのものでしょうね」
今日も汐留姉妹の声が教室に響き渡る。妹の陽咲は遠慮を知らないのか、いつも大音量で喜咲に話しかけ、それに対応する彼女も感情をコントロールできないのか、だんだんと大声での対応になっていく。そのため、彼女たちの会話はクラスに丸聞こえだった。
それを聞いたこなでは興奮していた。彼女は別に男がダメなわけではないが、百合もの、女子同士の恋愛ものが好きだった。そんな彼女が目を輝かせてみているのが、汐留姉妹だった。彼女は二人の間に入りたくて仕方なく、いつもお昼時にそわそわしていた。
「はあ、興奮しているのはわかるけど、相手はオタク嫌いと宣言した汐留さんだよ。妹の方はわからないけど、ろくなもんではないと思うけど」
芳子はため息をつきながら、こなでが見ている方向に視線を向ける。今日も教室を騒がしている二人だが、芳子はその様子を見て目を見開いた。
「へえ、こなで、一人であの二人に声をかけるのが嫌なら、私も一緒についていこうか?」
「いいの?芳子、あの二人について、否定的だったんじゃないの?」
「二人をよく見てみなよ。妹の普段はわからないけど、姉の方は、怒ってはいるけど、本気で怒っているわけではないっぽいよ。しかも、あんなに感情爆発させてるの、クラスで見たことないから、ちょっと興味がわいたかも」
「うわあ、芳子もたいがいだよね」
こなでが不審者を見るような目で芳子を見つめるが、芳子は気にしない。オタク嫌いと宣言した彼女に、自分たちがオタクであるとばらしたら、どんな対応をするだろうか。妹とのことで感情が爆発している彼女が、素でどんなことを言ってくるのか気になった。クラスでは無表情な彼女から、感情を引き出しているという妹にも興味がわいた。
芳子にとってはただの好奇心だった。別に彼女たち二人に話しかけてはいけないという決まりはない。今までも、何人かのクラスメイトが興味本位で二人に話しかけていた。しかし、二人がその相手に興味がないのか、相手は無視されるか、辛辣な言葉で押し返されていた。
「そうと決まれば、明日にでも特攻しよう!」
こなでの嬉しそうな声を聞きながら、やはり、互いの趣味は違えど、友達といるのはいいものだなと芳子は思った。
次の日、有言実行とばかりに、芳子とこなでは、汐留姉妹がお弁当を食べている教室の隅に突撃した。
「ねえ、汐留さん、いつも何やら楽しそうに妹と話しているけど、私たちも一緒にお昼を食べてもいいかな」
「仲がとてもいいから、どうしたらそんなに仲良くなれるのか気になって。私にも妹がいるんだけど、ぜひ、理由をお聞かせ願いたく」
芳子とこなでが話しかけると、汐留姉妹は一度、彼女たち二人に視線を向けるが、今までの相手と同じように無視しようと決めたらしい。二人に返事を返すことはなかった。四人の間には沈黙が流れた。
今までのクラスメイトと同じで、彼女たちの仲には入ることはできないのか。やはりダメかと思った二人は、今日は出直そうと思い始めた。しかし、しばらくすると、意外な方向から声をかけられた。
「別にいいよ。なんか、そこの人は、私と同じ匂いがするし、もう一人も母さんと同じ匂いがする」
妹の陽咲に、私と同じ匂いと称されたのはこなで。母親と同じ匂いと称されたのは芳子だった。彼女たちに視線を向けて、陽咲は喜咲にどうするのかと目で問いかける。それに対して、喜咲が嫌そうに顔をゆがめた。
「それって、やばいじゃん。だって、あんたの趣味とくそ親の趣味って」
「いい加減、あきらめなよ。喜咲だって、すでにどっぷり沼にはまっているでしょう。認めてあげなよ。己の欲望に忠実であれ、だよ。否定からは何も生まれないよ」
「うるさい!」
「そんなこと言っても無駄だよ。私は喜咲のことはよく知っている」
汐留姉妹は二人の目の前で、よくわからない喧嘩を始めたが、妹に軍配が上がったらしい。喜咲は妹に負けて、ふてくされた表情で芳子とこなでを睨んでいる。
「ということで、喜咲、彼女たちのこと、私に紹介してよ。私はこのクラスじゃないから、彼女たちの名前を知らない」
「わかったよ。それで、あんたたちはなんで私たちと一緒にお昼が食べたいわけ?見ての通り、私たち、クラスで浮いているんだけど、そんな奴と一緒にお昼が食べたい理由がわからない」
妹の要望にはすぐに答えず、喜咲は二人に、自分たちと一緒にお昼を食べたい理由を問いかける。
「あなたたち二人に興味があった……」
「二人の百合百合しい関係にとても興奮して!私もあなたたち二人の、百合空間を体感したくて!」
『はあ』
喜咲と芳子の声が同時に発せられ、見事なハモりを見せた。妹の陽咲は一瞬、目を丸くしたものの、とてもよい笑顔でこなでの手をがっしりと握った。
「私たちのことをわかってくれるのね。やはり、私の目に狂いはなかった。そう、これが私たちに足りていなかったこと。私たちの仲を認めてくれる人を私は待っていた。周囲の目を気にせず話していて本当によかった!」
「ああ、神がいるのなら、今ここで感謝いたします。私の名前は山都小撫(やまとこなで)。こなでと呼んでください!私の隣にいるのは、藤芳子(ふじよしこ)と言います。ああ、神様、彼女たちとの邂逅を導いてくださり、本当にありがとうございます」
「こなでちゃんと、芳子ちゃんね。これからよろしくね!私は喜咲の妹、陽咲(ひさき)だよ」
「いや、何してんの、あんたたち。しかもさらっと自己紹介してるし」
「私も同感。ていうか、あんたたちって、妹とこなでの扱い雑ね」
「そうかな。そう思うのなら、藤さんも、山都さんと陽咲なみに変な人だね」
「変って、オタクはみんな変っていう意味?」
芳子は自分たちの名前を憶えていた喜咲に少し驚いた。とはいえ、変と言われて素直に受け取れるものでもない。
「別に、オタクが変なのは認めるけど、そういう意味じゃなくて、わざわざクラスの注目の的に声をかける勇気がすごいなあって思ってさ」
ぼそりとつぶやかれた喜咲の言葉に芳子は反射的に答えていた。
「興味が湧いたら、その興味のままに突き進むのがオタクでしょう」
「そんなものかな」
芳子と喜咲は目が合うと、苦笑する。なんだかんだ、汐留姉妹たちとはうまくやっていけそうだと芳子は感じた。
こなでと陽咲はいまだに百合トークを展開して盛り上がっていた。時計を見ると、すでにお昼の時間が残り半分となっている。芳子は、とりあえず、弁当を食べようとこなでに話しかける。
「こなで、とりあえず、弁当を先に食べよ。話はそれからにしな」
「はあい」
こうして、よくわからないままに、芳子とこなでは、汐留姉妹と一緒にお昼を食べる権利を獲得した。汐留姉妹がおかしなことになっている理由を知るのは、もう少し後、カラオケでの出来事だった。
「読んでない。そもそも、私はそんなもの読む気にも」
「そんなこと言いつつ、私が渡した本すべてに目を通しているのを、私は知っているよ」
「黙れ」
「ねえねえ芳子、まさか、高校に入って、生の百合が見られるとは思わなかったんだけど」
「そうねえ。あの二人のシチュは、あんたの好みのものでしょうね」
今日も汐留姉妹の声が教室に響き渡る。妹の陽咲は遠慮を知らないのか、いつも大音量で喜咲に話しかけ、それに対応する彼女も感情をコントロールできないのか、だんだんと大声での対応になっていく。そのため、彼女たちの会話はクラスに丸聞こえだった。
それを聞いたこなでは興奮していた。彼女は別に男がダメなわけではないが、百合もの、女子同士の恋愛ものが好きだった。そんな彼女が目を輝かせてみているのが、汐留姉妹だった。彼女は二人の間に入りたくて仕方なく、いつもお昼時にそわそわしていた。
「はあ、興奮しているのはわかるけど、相手はオタク嫌いと宣言した汐留さんだよ。妹の方はわからないけど、ろくなもんではないと思うけど」
芳子はため息をつきながら、こなでが見ている方向に視線を向ける。今日も教室を騒がしている二人だが、芳子はその様子を見て目を見開いた。
「へえ、こなで、一人であの二人に声をかけるのが嫌なら、私も一緒についていこうか?」
「いいの?芳子、あの二人について、否定的だったんじゃないの?」
「二人をよく見てみなよ。妹の普段はわからないけど、姉の方は、怒ってはいるけど、本気で怒っているわけではないっぽいよ。しかも、あんなに感情爆発させてるの、クラスで見たことないから、ちょっと興味がわいたかも」
「うわあ、芳子もたいがいだよね」
こなでが不審者を見るような目で芳子を見つめるが、芳子は気にしない。オタク嫌いと宣言した彼女に、自分たちがオタクであるとばらしたら、どんな対応をするだろうか。妹とのことで感情が爆発している彼女が、素でどんなことを言ってくるのか気になった。クラスでは無表情な彼女から、感情を引き出しているという妹にも興味がわいた。
芳子にとってはただの好奇心だった。別に彼女たち二人に話しかけてはいけないという決まりはない。今までも、何人かのクラスメイトが興味本位で二人に話しかけていた。しかし、二人がその相手に興味がないのか、相手は無視されるか、辛辣な言葉で押し返されていた。
「そうと決まれば、明日にでも特攻しよう!」
こなでの嬉しそうな声を聞きながら、やはり、互いの趣味は違えど、友達といるのはいいものだなと芳子は思った。
次の日、有言実行とばかりに、芳子とこなでは、汐留姉妹がお弁当を食べている教室の隅に突撃した。
「ねえ、汐留さん、いつも何やら楽しそうに妹と話しているけど、私たちも一緒にお昼を食べてもいいかな」
「仲がとてもいいから、どうしたらそんなに仲良くなれるのか気になって。私にも妹がいるんだけど、ぜひ、理由をお聞かせ願いたく」
芳子とこなでが話しかけると、汐留姉妹は一度、彼女たち二人に視線を向けるが、今までの相手と同じように無視しようと決めたらしい。二人に返事を返すことはなかった。四人の間には沈黙が流れた。
今までのクラスメイトと同じで、彼女たちの仲には入ることはできないのか。やはりダメかと思った二人は、今日は出直そうと思い始めた。しかし、しばらくすると、意外な方向から声をかけられた。
「別にいいよ。なんか、そこの人は、私と同じ匂いがするし、もう一人も母さんと同じ匂いがする」
妹の陽咲に、私と同じ匂いと称されたのはこなで。母親と同じ匂いと称されたのは芳子だった。彼女たちに視線を向けて、陽咲は喜咲にどうするのかと目で問いかける。それに対して、喜咲が嫌そうに顔をゆがめた。
「それって、やばいじゃん。だって、あんたの趣味とくそ親の趣味って」
「いい加減、あきらめなよ。喜咲だって、すでにどっぷり沼にはまっているでしょう。認めてあげなよ。己の欲望に忠実であれ、だよ。否定からは何も生まれないよ」
「うるさい!」
「そんなこと言っても無駄だよ。私は喜咲のことはよく知っている」
汐留姉妹は二人の目の前で、よくわからない喧嘩を始めたが、妹に軍配が上がったらしい。喜咲は妹に負けて、ふてくされた表情で芳子とこなでを睨んでいる。
「ということで、喜咲、彼女たちのこと、私に紹介してよ。私はこのクラスじゃないから、彼女たちの名前を知らない」
「わかったよ。それで、あんたたちはなんで私たちと一緒にお昼が食べたいわけ?見ての通り、私たち、クラスで浮いているんだけど、そんな奴と一緒にお昼が食べたい理由がわからない」
妹の要望にはすぐに答えず、喜咲は二人に、自分たちと一緒にお昼を食べたい理由を問いかける。
「あなたたち二人に興味があった……」
「二人の百合百合しい関係にとても興奮して!私もあなたたち二人の、百合空間を体感したくて!」
『はあ』
喜咲と芳子の声が同時に発せられ、見事なハモりを見せた。妹の陽咲は一瞬、目を丸くしたものの、とてもよい笑顔でこなでの手をがっしりと握った。
「私たちのことをわかってくれるのね。やはり、私の目に狂いはなかった。そう、これが私たちに足りていなかったこと。私たちの仲を認めてくれる人を私は待っていた。周囲の目を気にせず話していて本当によかった!」
「ああ、神がいるのなら、今ここで感謝いたします。私の名前は山都小撫(やまとこなで)。こなでと呼んでください!私の隣にいるのは、藤芳子(ふじよしこ)と言います。ああ、神様、彼女たちとの邂逅を導いてくださり、本当にありがとうございます」
「こなでちゃんと、芳子ちゃんね。これからよろしくね!私は喜咲の妹、陽咲(ひさき)だよ」
「いや、何してんの、あんたたち。しかもさらっと自己紹介してるし」
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「そうかな。そう思うのなら、藤さんも、山都さんと陽咲なみに変な人だね」
「変って、オタクはみんな変っていう意味?」
芳子は自分たちの名前を憶えていた喜咲に少し驚いた。とはいえ、変と言われて素直に受け取れるものでもない。
「別に、オタクが変なのは認めるけど、そういう意味じゃなくて、わざわざクラスの注目の的に声をかける勇気がすごいなあって思ってさ」
ぼそりとつぶやかれた喜咲の言葉に芳子は反射的に答えていた。
「興味が湧いたら、その興味のままに突き進むのがオタクでしょう」
「そんなものかな」
芳子と喜咲は目が合うと、苦笑する。なんだかんだ、汐留姉妹たちとはうまくやっていけそうだと芳子は感じた。
こなでと陽咲はいまだに百合トークを展開して盛り上がっていた。時計を見ると、すでにお昼の時間が残り半分となっている。芳子は、とりあえず、弁当を食べようとこなでに話しかける。
「こなで、とりあえず、弁当を先に食べよ。話はそれからにしな」
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