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「心配してきてくれたんじゃなくて、気になってきてくれたわけね」
紫陽が彼女に会いに来た理由を見抜いたのだろう。あやのは、スマホが寄生されている左手を自ら紫陽の前に差し出した。
「どうせ、あんたがうちに来た理由はわかっているわよ。この手を詳しく見てみたいんでしょう。いいわよ。見せてあげる。減るものでもないし、いくらでも見て頂戴。さらに言えば、どうすればこの手からスマホが外れるか、一緒に考えてくれる?」
せっかく見せてくれるのだから、しっかり観察しなければと、紫陽はあやのの左手を軽くつかんでじっくりと眺める。
一見、スマホを握っている普通の手にしか見えないが、よく見ると、手とスマホの境界線があいまいになっている。
「くっついている指以外の、たとえば親指は動かせるのか?」
思いついた疑問をあやのに質問する。
「ええと、一応動かせるけど、動かせるのは親指だけで、あとの指は感覚がないかも」
「ピロリン」
あやののスマホが着信を告げた。それと同時にスマホが振動する。
「ちょ、ちょっと、ひゃあっ」
画面には「クラス内コネクト」と表示されている。振動はあやのにも直に伝わっているために、あやのが振動に耐え切れず身体を丸めてうずくまる。
「その状態でもスマホは使えるということか?」
「そう、み、た、い。でも、メッセージとかを受信すると、音や振動が直接体内に響いて、気持ちが悪い」
メッセージを受信したスマホを見ると、確かにいつも通りに作動している。よく見ると、電池残高は50%を切っている。
「電池残高が50%切っているみたいだけど、充電はしないのか?」
声をかけるが、返事がなかった。不審に思ってあやのの顔を覗き込むと、青白い顔をして、苦しそうな表情を浮かべている。
「ちょっと、やばいかも」
そう言うと、目を閉じてしまった。数秒後、すうすうと寝息が聞こえるので、眠ってしまったようだ。
今まで、そばで様子を見ていたあやのの母親が、ここでようやく口を開く。
「どうも、スマホが離れなくなって、疲れやすくなってみたいで、こうして突然眠りだすことが多くなってしまったの」
あやのの母親の左手には、包帯が巻かれていた。母親は手からスマホを外す選択をしたようだ。
「スマホは今まで通り使えるみたいですね」
寝ているあやのに失礼と一言小声で話しかけて、左手に一体化しているスマホに、紫陽は自分の手を重ねてみる。
すると、あやのの身体がまるでスマホに連動しているように、びくっと動いた。驚いて手をスマホから外す。本当に手とスマホが一体化しているようだ。
もう一度、スマホに触れて、今度は画面を開いてみることにする。画面を開くためにはパスワードが必要でパスワードを入力する画面が現れる。
しばし考え、紫陽は自分の誕生日を入力すると、あっけなくスマホのロックは解除された。
本当にあやのとつながっているだけで、それ以外は普通のスマホである。本当に外れないのが不思議なくらいである。
あやのは、紫陽が帰るまでずっと眠ったままだった。
紫陽が彼女に会いに来た理由を見抜いたのだろう。あやのは、スマホが寄生されている左手を自ら紫陽の前に差し出した。
「どうせ、あんたがうちに来た理由はわかっているわよ。この手を詳しく見てみたいんでしょう。いいわよ。見せてあげる。減るものでもないし、いくらでも見て頂戴。さらに言えば、どうすればこの手からスマホが外れるか、一緒に考えてくれる?」
せっかく見せてくれるのだから、しっかり観察しなければと、紫陽はあやのの左手を軽くつかんでじっくりと眺める。
一見、スマホを握っている普通の手にしか見えないが、よく見ると、手とスマホの境界線があいまいになっている。
「くっついている指以外の、たとえば親指は動かせるのか?」
思いついた疑問をあやのに質問する。
「ええと、一応動かせるけど、動かせるのは親指だけで、あとの指は感覚がないかも」
「ピロリン」
あやののスマホが着信を告げた。それと同時にスマホが振動する。
「ちょ、ちょっと、ひゃあっ」
画面には「クラス内コネクト」と表示されている。振動はあやのにも直に伝わっているために、あやのが振動に耐え切れず身体を丸めてうずくまる。
「その状態でもスマホは使えるということか?」
「そう、み、た、い。でも、メッセージとかを受信すると、音や振動が直接体内に響いて、気持ちが悪い」
メッセージを受信したスマホを見ると、確かにいつも通りに作動している。よく見ると、電池残高は50%を切っている。
「電池残高が50%切っているみたいだけど、充電はしないのか?」
声をかけるが、返事がなかった。不審に思ってあやのの顔を覗き込むと、青白い顔をして、苦しそうな表情を浮かべている。
「ちょっと、やばいかも」
そう言うと、目を閉じてしまった。数秒後、すうすうと寝息が聞こえるので、眠ってしまったようだ。
今まで、そばで様子を見ていたあやのの母親が、ここでようやく口を開く。
「どうも、スマホが離れなくなって、疲れやすくなってみたいで、こうして突然眠りだすことが多くなってしまったの」
あやのの母親の左手には、包帯が巻かれていた。母親は手からスマホを外す選択をしたようだ。
「スマホは今まで通り使えるみたいですね」
寝ているあやのに失礼と一言小声で話しかけて、左手に一体化しているスマホに、紫陽は自分の手を重ねてみる。
すると、あやのの身体がまるでスマホに連動しているように、びくっと動いた。驚いて手をスマホから外す。本当に手とスマホが一体化しているようだ。
もう一度、スマホに触れて、今度は画面を開いてみることにする。画面を開くためにはパスワードが必要でパスワードを入力する画面が現れる。
しばし考え、紫陽は自分の誕生日を入力すると、あっけなくスマホのロックは解除された。
本当にあやのとつながっているだけで、それ以外は普通のスマホである。本当に外れないのが不思議なくらいである。
あやのは、紫陽が帰るまでずっと眠ったままだった。
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