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32新たな道を歩み始める
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「あれから、もう二年も経つんだ」
ミコがいなくなって、二年が過ぎた。歩武は中学三年生となった。歩武の妹だと思っていた存在はあの日を境に歩武の隣から姿を消した。同じく、二匹の歩武の家に居候していた猫とウサギも姿を消してしまった。
今日は中学校の卒業式。歩武たちは中学校を卒業して新たな生活を歩みだす。歩武は卒業式が終わり、校庭で記念写真をしているクラスメイト達を遠目に眺めていた。彼女の両親も来ているが、さっさと記念撮影は終わらせてしまい、早々に両親を家に帰してしまった。そのため、歩武は今、一人の状態だった。
少し早めに咲いた桜をバックに卒業生たちが家族や友達たちと楽しそうに写真を撮っていた。天気も晴天で絶好の卒業式日和だった。
「あゆむー。何を感傷に浸っているの?」
一人の時間は唐突に終わりを告げた。歩武と同じ卒業生の高木風兎奈(たかぎふうな)がそばに駆け寄ってきた。
「別に、ただもう、中学校を卒業かと思って」
「まあね。時間が経つのはあっという間だよねえ。まさか、私と歩武が友達になれるとは思っていなかったから、人生何かあるかわからないよね。それに」
人外の妹がいたなんてびっくりしたよ。
続く言葉を同級生の高木風兎奈は口にすることができなかった。友達というよりも、親友に近い関係となった彼女の顔を見てしまっては、とても口にすることができなかった。
「確かに人生、何が起こるかわからないよね」
ぽつりとこぼした歩武の言葉に風兎奈はため息を吐く。あれから二年近くが経っても、親友の心の傷は言えていないようだ。しかし、それも無理のないことだと思う。ずっと一緒にいた自分の妹だと思っていた存在が実は……。
「ブーブー」
歩武と風兎奈がそれぞれ感傷に浸っていると、どこからか携帯のバイブ音が聞こえてきた。二人は顔を合せて各自の携帯を確認する。通知があったのは歩武の方だった。歩武はミコがいなくなってから、両親に携帯を買ってもらっていた。
『卒業おめでとう。来年から、またオレの後輩になるんだな。今日、卒業祝いに一緒に食事でもしないか』
ふっと、歩武の顔に笑みがこぼれる。一学年上の先輩の安倍清春とは、ミコの件でいろいろお世話になり、その後も交流が続いていた。清春が卒業しても、メールでやり取りしたり、実際に会ったりしていた。歩武の表情の変化に気付いた風兎奈が、面白そうに携帯を覗き込む。
「うわあ。安倍先輩とまだ連絡を取り合っているんだね。相手は歩武に気があるのかもしれないよ。どうする?高校で告白されたりしたら?」
「それはないね。先輩と私は友達だから」
メールの相手がわかり、冗談めかした言葉を発するが、ばっさり切り捨てられる。しかし、切り捨てられた理由が面白くて、風兎奈はつい、調子に乗ってしまう。
「友達って、自分より年上の先輩でしょう?でも、友達って言うことは、私よりも格下の相手ってことだよね?歩武にとって私の存在は先輩より上ってことでしょう。何しろ、私たちは友達じゃなくて、『親友』だもんね」
ぐいぐいと顔を歩武の前に近づけて饒舌に話し出す風兎奈に、歩武は嫌そうな顔をする。しかし、彼女の言葉を否定することはなかった。
「そんなに顔を近づけないでよ。ま、まあ、風兎奈の方が先輩よりも私の中では上の存在だから、心配しなくてもいいよ」
風兎奈には、ミコたちがいなくなった時に相談に乗ってもらった。歩武の特殊な家族事情も話すことができた貴重な人間だった。相談に乗るうちに親しい仲まで発展していった、
「あゆむー!ああ、高校が違うことが悔やまれるー」
「う、うん。風兎奈と一緒の学校じゃないのは寂しいね。でも」
私たちはずっと親友だよ。
二人は見つめ合い、微笑み合う。
季節は春を迎え、歩武たちは新しい高校生活に向かって歩み始めるのだった。
ミコがいなくなって、二年が過ぎた。歩武は中学三年生となった。歩武の妹だと思っていた存在はあの日を境に歩武の隣から姿を消した。同じく、二匹の歩武の家に居候していた猫とウサギも姿を消してしまった。
今日は中学校の卒業式。歩武たちは中学校を卒業して新たな生活を歩みだす。歩武は卒業式が終わり、校庭で記念写真をしているクラスメイト達を遠目に眺めていた。彼女の両親も来ているが、さっさと記念撮影は終わらせてしまい、早々に両親を家に帰してしまった。そのため、歩武は今、一人の状態だった。
少し早めに咲いた桜をバックに卒業生たちが家族や友達たちと楽しそうに写真を撮っていた。天気も晴天で絶好の卒業式日和だった。
「あゆむー。何を感傷に浸っているの?」
一人の時間は唐突に終わりを告げた。歩武と同じ卒業生の高木風兎奈(たかぎふうな)がそばに駆け寄ってきた。
「別に、ただもう、中学校を卒業かと思って」
「まあね。時間が経つのはあっという間だよねえ。まさか、私と歩武が友達になれるとは思っていなかったから、人生何かあるかわからないよね。それに」
人外の妹がいたなんてびっくりしたよ。
続く言葉を同級生の高木風兎奈は口にすることができなかった。友達というよりも、親友に近い関係となった彼女の顔を見てしまっては、とても口にすることができなかった。
「確かに人生、何が起こるかわからないよね」
ぽつりとこぼした歩武の言葉に風兎奈はため息を吐く。あれから二年近くが経っても、親友の心の傷は言えていないようだ。しかし、それも無理のないことだと思う。ずっと一緒にいた自分の妹だと思っていた存在が実は……。
「ブーブー」
歩武と風兎奈がそれぞれ感傷に浸っていると、どこからか携帯のバイブ音が聞こえてきた。二人は顔を合せて各自の携帯を確認する。通知があったのは歩武の方だった。歩武はミコがいなくなってから、両親に携帯を買ってもらっていた。
『卒業おめでとう。来年から、またオレの後輩になるんだな。今日、卒業祝いに一緒に食事でもしないか』
ふっと、歩武の顔に笑みがこぼれる。一学年上の先輩の安倍清春とは、ミコの件でいろいろお世話になり、その後も交流が続いていた。清春が卒業しても、メールでやり取りしたり、実際に会ったりしていた。歩武の表情の変化に気付いた風兎奈が、面白そうに携帯を覗き込む。
「うわあ。安倍先輩とまだ連絡を取り合っているんだね。相手は歩武に気があるのかもしれないよ。どうする?高校で告白されたりしたら?」
「それはないね。先輩と私は友達だから」
メールの相手がわかり、冗談めかした言葉を発するが、ばっさり切り捨てられる。しかし、切り捨てられた理由が面白くて、風兎奈はつい、調子に乗ってしまう。
「友達って、自分より年上の先輩でしょう?でも、友達って言うことは、私よりも格下の相手ってことだよね?歩武にとって私の存在は先輩より上ってことでしょう。何しろ、私たちは友達じゃなくて、『親友』だもんね」
ぐいぐいと顔を歩武の前に近づけて饒舌に話し出す風兎奈に、歩武は嫌そうな顔をする。しかし、彼女の言葉を否定することはなかった。
「そんなに顔を近づけないでよ。ま、まあ、風兎奈の方が先輩よりも私の中では上の存在だから、心配しなくてもいいよ」
風兎奈には、ミコたちがいなくなった時に相談に乗ってもらった。歩武の特殊な家族事情も話すことができた貴重な人間だった。相談に乗るうちに親しい仲まで発展していった、
「あゆむー!ああ、高校が違うことが悔やまれるー」
「う、うん。風兎奈と一緒の学校じゃないのは寂しいね。でも」
私たちはずっと親友だよ。
二人は見つめ合い、微笑み合う。
季節は春を迎え、歩武たちは新しい高校生活に向かって歩み始めるのだった。
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この声が~を愛読させていただきながら、こちらの作品もと。感動して涙出そうになっちゃいました。本当、素晴らしい作品です。
感想ありがとうございます!
ほめていただいてうれしいです。
これからも頑張って作品を書いていきますのでよろしくお願いします。
さっそく投票しました。
大変だと思いますが頑張ってくださいね。
投票ありがとうございます!
今後も頑張って執筆活動していきたいと思います!
謎は深まるばかりですね。
今年も楽しませて頂きありがとうございました。
来年も楽しみに読ませて頂きます。
こちらこそ、感想をたくさんありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。