恋にもがく中学生

折原さゆみ

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2我妻光(あがつまこう)②

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「ぼ、ぼくは、ぼくよりせのひくい、ふわふわした子がいいかな。ふわふわしているのに、なかみは、男っぽい、熱血系がいいかも。そのギャップがいいというか……」

 じっさいとは、正反対なことが、くちからこぼれでた。こんな女子、いるわけない。ぼくが好きなのは……。

 ぼくよりもせがたかくて、ふわふわとはいいがたいけど、それでも、ふんいきはふわふわがにあっている、なかみはとても女の子らしい、思わずまもってあげたくなるギャップがはげしい子がタイプだ。もちろん、その女の子とは、目の前にいるかのじょなわけで。でも、そんなことをしょうじきにいえるほど、ぼくに男気があるわけでもないので、ごまかすためにくちからでまかせが出てしまった。これをなな姉が本気にしたらどうしよう……。


「こう君は面白い趣味をしているんだね。そんな女子がいるとは思えないけど、希望は希望だから、見つかるといいね。こう君の好みの女の子」

 ぐいっとぼくのほっぺをなな姉につままれてしまった。りょうほうのほっぺをりょうてでぶにーとひっぱられて、じみにいたい。

「はにゃして。にゃにゃにぇえ」

「何言ってるのかわからないなあ。それにしても、こう君の顔、面白いねえ。アハハハハ」

 ひっしのこうぎに、ごうかいにわらいだしたなな姉。ぼくのほっぺはそのごもひっぱられつづけるのだった。



「それでね、こんな時期に私のクラスに転校生が来たんだ。その子、とってもかわいくてね、もう、クラスの男子なんか、彼女にみんなメロメロ。やんなっちゃうよねえ」

 なな姉のクラスに、きせつはずれの転校生がきたらしい。なな姉は、こうふんしたように、転校生のことをむちゅうではなしだす。

「いいなあ、私も転校生くらいかわいくて、男が守ってあげたくなるような女の子にうまれたかったなあ。こう君も、幼馴染の女の子はかわいいほうがいいでしょう。私みたいなガサツな背の高い女の子よりも」

「そ、そんなことはないよ。ぼくは、なな姉が、おさななじみでよかったよ。ぼくは、な、なな姉が、すき、だから」

 転校生のことをはなしているかと思ったら、転校生とくらべて、自分がおとっているからと、かなしそうな顔をするなな姉。

 ぜんぜん、おちこむひつようなんてないのに。なな姉にも、なな姉のみりょくがあるということを説明して、はげまそうとしたのに、つい、自分の本音がもれてしまった。しまったと思った時にはもうおそい。そろりそろりとなな姉の顔色をうかがうが、ぼくの発言に対してきょうみがなさそうだった。
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