恋にもがく中学生

折原さゆみ

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2我妻光(あがつまこう)⑤

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 それから、ぼくはなな姉をしぜんとさけるようになった。さけるとはいっても、もともとがくねんがちがうので、あうきかいはそうおおくない。しぜんとそんなせいかつもなれはじめたころ。きせつは春。卒業シーズンをむかえていた。

「卒業生代表、梶奈那子(かじななこ)」

 なな姉が中学校を卒業するひがやってきた。なな姉はとてもゆうしゅうで、卒業生だいひょうのあいさつをすることになっていた。なまえをよばれたなな姉は、はいっと、りんとしたこえで返事をしてだんじょうにたって、はなしはじめる。

「この中学校をを卒業できたことを心から感謝しています。卒業生代表、梶奈那子」

 しらずしらずのうちに、ぼくはないていたようだ。はなしがおわって、目のまわりがぬれていることにきづいた。卒業したら、会えなくなると、今になってじっかんした。あわないようにさけていたというのに、いざ、ほんとうにあえなくなるとしったら、かなしく、さびしいと思う、自分のきもちに思わずくしょうした。



「なな姉!」

 ぼくは、自分のきもちをなな姉につたえることにきめた。このまま、なな姉にいだいた、このきもちをあいまいにしていたら、まえにすすめないきがした。

 たくさんのひとにかこまれたなな姉が、ぼくのこえにきづいてくれた。目をみひらいて、うれしそうにわらった。

「こう君!」

「卒業おめでとう。ええと、すこしはなしがあるけど、時間はだいじょうぶかな?」

 なな姉はまわりのひとにはなしかけていた。そして、じかんをとることができたのだろう。こちらにかけよってきた。

「ひさしぶりだね、こう君とふたりきりではなすのは」

 中庭にきていた。はるらしく、かだんのチューリップのはなが、赤白黄色とうたいたくなるようなならびで、かぜにそよそよとゆられている。


「ぼくね、好きな人がいたんだ」

 ぽつりとこぼしたことばになな姉はしずかにうなずく。

「そのこは、ぼくよりとしうえなんだけど、やさしくて、たよりがいがあるといえばあるけど、でも、なんだかたよりなくて、そんなところが好きだったんだ」

「まえに話していた、好きな子のタイプとは、だいぶ違う気がするけど……」

「それでね、あるとき、その女の子に好きなひとがいるってしったんだ。ぐうぜん、そのこがほかの子に告白している場面にでくわして……」

 はなしをきいていたなな姉がだまりこんでしまった。思わず顔をのぞくとむずかしそうな顔をしていた。

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