恋にもがく中学生

折原さゆみ

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あれから〇〇年後

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「いやあ、あの頃は、本当にいろいろあったなあ。今思えば、あれが青春ってやつかもね」

「振り返ればいい思い出って、か」

「僕たちがここに集っているのも、なにかの縁かもしれません」

 私たちは、今年二十歳となった。中学校時代に何度も転校したことは、今となっては良い思い出だ。今まで生きてきた中でも、思い出深い三年間だった。もちろん、小学校でも、高校に入ってからもいろいろあったし、その後も何もなかったわけではない。それでも、私にとっては、中学校での転校によって生まれた出会いが、思い出が、強く印象に残っている。


「私はまだ、詩衣のことあきらめてないからね」

「だめですよ。それに、ぼくとつき合ってくれるというのは、うそなんですか」

 中学二年生で出会った女の子、そして、私が会ったことのなかった女の子の幼馴染。


「小山内さんのことは、なお君のいとことして認めてあげる」

「いやいや、いとこはお前が認めなくても、事実だから」

 私が初めて転校した時に出会った、私のいとことその幼馴染。



「待たせたか」

「わるい、こいつが寝坊して、なかなか起きなくて」

 そして、彼ら二人も、私が転校先で出会った仲間である。


 今日は、成人式の日。私たちは会場である市民会館の前に集まっていた。私たち女性陣は思い思いの振袖。男子の方は、スーツにネクタイを締めて、大人の仲間入りになる日を心待ちにしていた。


「なんか、初めてのメンバーだけど、そこまで初めてな感じがしないな」

「詩衣は俺たち全員と顔見知りなのか」

「いいや、私も初対面の人がいるよ」



 今日は雲一つない快晴。天気は私たちを大人の門出へと導く日として、最高の天気だった。

 これからも、私はたくさんの人と出会うことだろう。同じ数だけ別れを経験するかもしれない。それでも、私は一つ一つの出会いを大切にこれからも生きていこうと思っている。

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みんなの感想(2件)

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素敵なお話ありがとうございました。

2022.05.30 折原さゆみ

こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございます。
今後も無理のない範囲で投稿を続けていくつもりですので、よろしくお願いします。

解除
このユーザは退会済みです

荒んだ俺には永遠に書けない、素敵な作品ですね。応援してます。

2022.04.30 折原さゆみ

感想ありがとうございます!
中学生たちの淡い恋模様をぜひ、お楽しみください。

解除

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