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10雪が降り止みません
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今日は塾のバイトの日だった。最近は連日のように雪が降り、止むことなくしんしんと積もっていく。私が住むこの地域では雪は降ることはあっても、一日中降り続くことはめったにない。ましてや連日のように降ることはめったになかった。すでに今までの積雪が腰のあたりまであることは、私が生きているうちに経験したことはなかった。
「……市の異常気象ですが、上空に雪雲が突如発生していることが原因と思われます。現在、雪雲が発生している原因を気象庁が調査しています」
塾に行くまでに時間があったので、テレビをつけると、ちょうど気象情報が流れていた。ぼんやりと眺めていると、妙なことに気が付いた。雪雲は、私たちが住んでいる市の上空にのみ発生していた。そこ以外は気象レーダーを見ても、雲一つ映っていなかった。
自分の住んでいる場所だけ、雪が降り続いている。これは異常気象であると言えるが、なんとなく、これは地球温暖化などの自然現象が生んだ異常気象だとは思えなかった。前にも同じような異常気象を経験したことがあったので、もしかしたらそちらが原因なのだと考えるのは、私の中では不自然なことではなかった。
「確かに、この雪は地球温暖化とかその類の自然現象による異常気象ではありませんよ。よくわかりましたね」
私の予想が外れていないとわかったのは、塾に行き、車坂と世間話をしていた時だった。なんとなく、車坂になら、私の言うことを理解してくれるだろうと思い、気軽に話したら、車坂は私と同じ、自然現象ではないものが今回の雪の原因だと考えているようだった。
そうなると、この雪を降らせている原因は一つしかない。
「雪を降らす能力者がこのあたりにいるということですか?」
「察しがいいですね。まあ、その子はここまで強い力を持っていないので、それ以外の要素も働いているのは間違いありませんが」
車坂は誰がこの異常気象を引き起こしているのか知っている様子だった。
「それにしても、朔夜さんは本当に面白いですね。また、厄介な相手に興味を持たれてしまったようだ」
車坂は急に私の肩に触れてきた。びくっと身体を震わせて警戒すると、何か手に紙のようなものを持っていた。
「これがなんだかわかりますか?」
車坂が私に見せてくれたのは、よく小説やマンガ、アニメでお目にかかる、式神みたいなものだった。白い紙が人形のような形に切り取られている、一見、何の変哲もない紙切れだった。ただし、それは、意志を持っているかのようにひらひらと動いていた。
「どこかで見たことあるような。そう、平安時代とかに出てくる陰陽師が使う式紙に似ている気がします」
正直に感想を述べると、それはどうやら正解だったようだ。車坂が私の肩についていたという白い紙切れの説明をする。
「ご名答。さて、どうしてそんなものが朔夜さんの肩に会ったのか気になりませんか?」
「こんにちは」
「こんにちは。ゆきこちゃん」
答えを聞くことはできなかった。生徒が塾にやってきた。時計を見るとすでに塾が開く時間となっていた。答えは塾が終わった後、詳しく聞いてみることにしよう。
「寒い!」
なぜだか、彼女が塾に来てから、部屋の温度が一気に低くなったように感じた。暖房の温度は変えていないし、壊れてもいない。部屋を暖めようと必死に動いていた。それにも関わらず、まるで外にいるような寒さがこの部屋にあった。
「先生、ここの問題、わからないんだけど」
ゆきこちゃんは、この寒さをなんとも思っていないようだった。いつもと同じように宿題の丸つけをして、塾で配布したテキストの問題に取り組んでいる。
生徒がわからない問題を教えて欲しいというならば、ヒントを与えて、答えに近づけていくのが私の仕事である。そう思って、寒さに震えながらも、ゆきこちゃんの顔を覗き込むようにして、ヒントを与えようとしたら、ゆきこちゃんの手に触れてしまった。
「冷た!」
触れた手のひらは、驚くほど冷たかった。よくこれで、字が書けるかというくらいに冷たく、氷を触っているかのような感触だった。さわった瞬間に私はすぐに手を放してしまった。自分の手を見つめると、指先が氷に包まれていた。
改めてゆきこちゃんを観察する。もしかしたら、ゆきこちゃんは、ものすごい冷え性を患っているのかもしれない。そう思いたかったが、頭の中で、否定する声が響き渡る。
「異常気象を引き起こしているのは、ゆきこちゃんではないか」
そう思うと、いろいろと納得できることがあった。そもそも、この地域の上空だけ雪雲がかかるのは、おかしなことだ。私の住んでいる地域は、山に囲まれているわけではないし、突如、雲が発生する条件がそろっている場所でもない。それなのに、ピンポイントでこの当たりだけ雪雲が発生し、雪が降るというのは。
「先生、顔色悪いけど、大丈夫?」
ゆきこちゃんの手のひらのあまりの冷たさと、部屋の寒さに思わず、考え事をしてしまった。心配そうに私を見つめるゆきこちゃんに、大丈夫だと告げて、彼女がわからないと言った問題について、一緒に考えていくことにした。
ゆきこちゃんの他にも、数人塾の生徒がやってきたが、彼らは全員、同じことを言って、塾に入ってきた。
「この塾、寒い!暖房壊れているの?」
そんなことを言われて、何度も部屋についているエアコンと、ストーブの様子を確認したが、彼らはしっかりと自分の役目を果たそうと、エアコンは温風を出し、ストーブはごうごうと燃え盛っていた。この部屋の寒さは彼らのせいではないようだ。
「先生、さようなら」
「はい、さようなら。しっかりと家でも勉強してくださいね」
ゆきこちゃんの塾の時間が終わり、ゆきこちゃんは、保護者の人と一緒に帰っていく。すると、まるで、ゆきこちゃんが寒さを連れていったかのように、部屋の温度が正常さを取り戻していく。
「あれ、なんだか部屋があったかくなってる?上着いらないかも」
「むしろ、熱いくらいになってるね」
私が感じていたことは、他の生徒も感じていたようだ。ゆきこちゃんがいなくなったとたん、部屋の空気が温まったことに、戸惑いながらも嬉しそうに、来ていた上着やマフラー、手袋を外していた。
その後は、部屋の温度が戻ったことにより、手もかじかむことなく生徒の勉強を見守りながら、時折、ヒントを与えたりしたりしていたら、あっという間に塾の生徒が全員帰る時刻となった。
「さすがにこの寒さは人間には酷でしたかね?」
今日は、翼君は休みなので、私と車坂の二人だった。塾の生徒が帰り、次の日のための生徒たちのカリキュラムの準備や、部屋の掃除をしていると、車坂にぽつりと話しかけられた。
「人間にはって、車坂、先生は寒くなかったのですか?」
「当たり前でしょう。この身体は人間のように見えますが、人間のつくりとは違います。寒さや暑さには強いんですよ、死神は」
「そうですか」
車坂は生徒のためにカリキュラムを作成し、私は部屋に掃除機をかけながら雑談を続ける。外は相変わらず、雪が深々と降り続いていた。
「それで、今日の最初に話したことですけど、異常気象と、この紙きれの正体について、簡単に説明しましょう。なかなか、面白いことになっていますので、朔夜さんも知っておいて損はないでしょう」
それから、車坂は楽しそうに異常気象の原因と紙切れの正体、さらには、この二つが実は同じ人物が関係しているという衝撃の事実を私に告げてきたのだった。
「……市の異常気象ですが、上空に雪雲が突如発生していることが原因と思われます。現在、雪雲が発生している原因を気象庁が調査しています」
塾に行くまでに時間があったので、テレビをつけると、ちょうど気象情報が流れていた。ぼんやりと眺めていると、妙なことに気が付いた。雪雲は、私たちが住んでいる市の上空にのみ発生していた。そこ以外は気象レーダーを見ても、雲一つ映っていなかった。
自分の住んでいる場所だけ、雪が降り続いている。これは異常気象であると言えるが、なんとなく、これは地球温暖化などの自然現象が生んだ異常気象だとは思えなかった。前にも同じような異常気象を経験したことがあったので、もしかしたらそちらが原因なのだと考えるのは、私の中では不自然なことではなかった。
「確かに、この雪は地球温暖化とかその類の自然現象による異常気象ではありませんよ。よくわかりましたね」
私の予想が外れていないとわかったのは、塾に行き、車坂と世間話をしていた時だった。なんとなく、車坂になら、私の言うことを理解してくれるだろうと思い、気軽に話したら、車坂は私と同じ、自然現象ではないものが今回の雪の原因だと考えているようだった。
そうなると、この雪を降らせている原因は一つしかない。
「雪を降らす能力者がこのあたりにいるということですか?」
「察しがいいですね。まあ、その子はここまで強い力を持っていないので、それ以外の要素も働いているのは間違いありませんが」
車坂は誰がこの異常気象を引き起こしているのか知っている様子だった。
「それにしても、朔夜さんは本当に面白いですね。また、厄介な相手に興味を持たれてしまったようだ」
車坂は急に私の肩に触れてきた。びくっと身体を震わせて警戒すると、何か手に紙のようなものを持っていた。
「これがなんだかわかりますか?」
車坂が私に見せてくれたのは、よく小説やマンガ、アニメでお目にかかる、式神みたいなものだった。白い紙が人形のような形に切り取られている、一見、何の変哲もない紙切れだった。ただし、それは、意志を持っているかのようにひらひらと動いていた。
「どこかで見たことあるような。そう、平安時代とかに出てくる陰陽師が使う式紙に似ている気がします」
正直に感想を述べると、それはどうやら正解だったようだ。車坂が私の肩についていたという白い紙切れの説明をする。
「ご名答。さて、どうしてそんなものが朔夜さんの肩に会ったのか気になりませんか?」
「こんにちは」
「こんにちは。ゆきこちゃん」
答えを聞くことはできなかった。生徒が塾にやってきた。時計を見るとすでに塾が開く時間となっていた。答えは塾が終わった後、詳しく聞いてみることにしよう。
「寒い!」
なぜだか、彼女が塾に来てから、部屋の温度が一気に低くなったように感じた。暖房の温度は変えていないし、壊れてもいない。部屋を暖めようと必死に動いていた。それにも関わらず、まるで外にいるような寒さがこの部屋にあった。
「先生、ここの問題、わからないんだけど」
ゆきこちゃんは、この寒さをなんとも思っていないようだった。いつもと同じように宿題の丸つけをして、塾で配布したテキストの問題に取り組んでいる。
生徒がわからない問題を教えて欲しいというならば、ヒントを与えて、答えに近づけていくのが私の仕事である。そう思って、寒さに震えながらも、ゆきこちゃんの顔を覗き込むようにして、ヒントを与えようとしたら、ゆきこちゃんの手に触れてしまった。
「冷た!」
触れた手のひらは、驚くほど冷たかった。よくこれで、字が書けるかというくらいに冷たく、氷を触っているかのような感触だった。さわった瞬間に私はすぐに手を放してしまった。自分の手を見つめると、指先が氷に包まれていた。
改めてゆきこちゃんを観察する。もしかしたら、ゆきこちゃんは、ものすごい冷え性を患っているのかもしれない。そう思いたかったが、頭の中で、否定する声が響き渡る。
「異常気象を引き起こしているのは、ゆきこちゃんではないか」
そう思うと、いろいろと納得できることがあった。そもそも、この地域の上空だけ雪雲がかかるのは、おかしなことだ。私の住んでいる地域は、山に囲まれているわけではないし、突如、雲が発生する条件がそろっている場所でもない。それなのに、ピンポイントでこの当たりだけ雪雲が発生し、雪が降るというのは。
「先生、顔色悪いけど、大丈夫?」
ゆきこちゃんの手のひらのあまりの冷たさと、部屋の寒さに思わず、考え事をしてしまった。心配そうに私を見つめるゆきこちゃんに、大丈夫だと告げて、彼女がわからないと言った問題について、一緒に考えていくことにした。
ゆきこちゃんの他にも、数人塾の生徒がやってきたが、彼らは全員、同じことを言って、塾に入ってきた。
「この塾、寒い!暖房壊れているの?」
そんなことを言われて、何度も部屋についているエアコンと、ストーブの様子を確認したが、彼らはしっかりと自分の役目を果たそうと、エアコンは温風を出し、ストーブはごうごうと燃え盛っていた。この部屋の寒さは彼らのせいではないようだ。
「先生、さようなら」
「はい、さようなら。しっかりと家でも勉強してくださいね」
ゆきこちゃんの塾の時間が終わり、ゆきこちゃんは、保護者の人と一緒に帰っていく。すると、まるで、ゆきこちゃんが寒さを連れていったかのように、部屋の温度が正常さを取り戻していく。
「あれ、なんだか部屋があったかくなってる?上着いらないかも」
「むしろ、熱いくらいになってるね」
私が感じていたことは、他の生徒も感じていたようだ。ゆきこちゃんがいなくなったとたん、部屋の空気が温まったことに、戸惑いながらも嬉しそうに、来ていた上着やマフラー、手袋を外していた。
その後は、部屋の温度が戻ったことにより、手もかじかむことなく生徒の勉強を見守りながら、時折、ヒントを与えたりしたりしていたら、あっという間に塾の生徒が全員帰る時刻となった。
「さすがにこの寒さは人間には酷でしたかね?」
今日は、翼君は休みなので、私と車坂の二人だった。塾の生徒が帰り、次の日のための生徒たちのカリキュラムの準備や、部屋の掃除をしていると、車坂にぽつりと話しかけられた。
「人間にはって、車坂、先生は寒くなかったのですか?」
「当たり前でしょう。この身体は人間のように見えますが、人間のつくりとは違います。寒さや暑さには強いんですよ、死神は」
「そうですか」
車坂は生徒のためにカリキュラムを作成し、私は部屋に掃除機をかけながら雑談を続ける。外は相変わらず、雪が深々と降り続いていた。
「それで、今日の最初に話したことですけど、異常気象と、この紙きれの正体について、簡単に説明しましょう。なかなか、面白いことになっていますので、朔夜さんも知っておいて損はないでしょう」
それから、車坂は楽しそうに異常気象の原因と紙切れの正体、さらには、この二つが実は同じ人物が関係しているという衝撃の事実を私に告げてきたのだった。
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