年を取らない子供たち~EC(エターナルチルドレン)~

折原さゆみ

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第4章 いじめの代償~物理的いじめ~

2(31)幼馴染の女

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 うちにはおさななじみとよべる男子がいる。その男子はうちのとなりの家に住む同い年で、学校はもちろん、ようち園も同じだった。ゆう君という名前でとてもなかよしだった。とても仲良くしていたのにある日とつぜんにそのなかよしの関係がおわってしまった。小学校3年生くらいのことだった。

 かのじょのせいだ。かのじょのせいでゆう君はすっかり変わってしまった。ゆう君はうちのことを急に無視するようになった。今までなかよしだったことがうそのように。

 かのじょとは紫苑すみれ。かげではバイオレットとよばれている。かのじょともようち園のころからのつき合いで、うちはバイオレットがだいきらいだった。



 バイオレットの父親はとてもえらい人のようで、かのじょはそれをじまんするかのようにわがまましほうだいだった。うちとゆう君のなかをひきさこうとしたのも、そのわがままがばくはつしたせいだと思う。きっと、そのわがままな性格のせいでともだちが少なかったからだ。だからうちらがなかよくしているのがきにいらなかったのだ。

 ゆう君になぜうちのことを無視するようになったか問いつめると、おどろくべき答えが返ってきた。

「すみれに言われたんだ。みかとあんまりなかよくしているのはみっともないって。だってぼくたちもう小学校3年生になったのだし、そろそろ自立したらと言われたんだ。みかとばかりなかよくしていたら、しょうらい、女の子とつきあえなくなるよって。」

「それにほいほいしたがっているわけね。別にうちとなかよくしていたってそんなことはおこらないことくらいわかるでしょう。」

 しょうらいのことなんてわからないが、もしゆう君がほかの女の子とつきあうことになったとしてもわたしはそれをかんげいしようと思っている。うちはゆう君のことが好きだが、それだからといってうちだけにしばりつけるようなまねはしない。

 それでもゆう君はすでにバイオレットに絶対のしんらいをおいているようで、わたしの言葉に耳をかたむけることはなかった。そしてそのまま、ゆう君とはただのクラスメイトという関係になってしまった。いや、もしかしたらそれ以下の関係になってしまったともいえるだろう。

 ゆうはうちに話しかけてこなくなった。いままで一緒に学校に登校していたのにそれがなくなって別々に学校にいくようになった。

 そんなはくじょうな男のことをうちはすきになっていたのか。うちのいままでのこのきもちはどうしてくれようか。



「ゆうになんていってうちを無視するようにいったからしらないけど、うちが傷つくと思ったらおおまちがい。あんなはくじょうなやつ、こっちからねがいさげたっての。うちの傷つく顔がみたかったのなら、おあいにくさま。」

 ひとこと、なにかいってやりたくてバイオレットに直接いってやった。しかし、バイオレットは表情一つ変えなかった。

「人間ってたんじゅんよね。だってわたしがかれにあなたのことをむししなければ、今後あなたは女の子と付き合うことができなくなるわよ、といっただけであなたを無視することができるのだもの。」

 バイオレットは今度は退屈そうにつぶやいた。うちはなにもいいかえすことができなかった。

 そしていまげんざい、バイオレットのいじめの対象は転校生だ。うわぐつがかくされ、机といすが廊下に出されていた。

 またはじまったとしかうちは思わなかった。バイオレットのクラスではいつもの光景だ。被害者がちがうだけでやっていることは同じだ。

 転校生もせいぜいがんばることだ。
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