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チャラ男とのキス・2
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「はぁ…」
ショーウィンドウに映る自分の姿に、ため息がもれる。
あの大型犬のような男と付き合いはじめて、しばらく経った。
アイツは相変わらず学校でも外でも、愛を口にする。
だけど…何故こんなにも軽く聞こえてしまう!?
アイツが本気なのは分かった!
確かにアタシを好きなことも、理解できた!
なのにっ!
毎日「好きだ」と言われているせいか、言葉に重みを感じない。
それでも毎日電話やらメールやらして、休日にはこうしてデートもする。
そしてまあ…恋人らしい触れ合いもする。
それで幸せを感じているんだから、アタシはアイツのことを…。
「おっ待たせ~! 待ったぁ?」
…百年の恋も一瞬にして冷めるような、明るくはしゃいだ声に、アタシは再びため息をついた。
「今来たところよ」
「良かったぁ。いやぁ、途中で女の子2人組に声かけられてさ」
「良かったわね。そっちに行っても良かったのに」
「えっ。いやいやっ、オレはキミが良いんだって!」
「あっそ」
アタシは素っ気無く答えて、歩き出す。
「わっ、待ってよ! …怒った?」
しょぼくれた姿を見ると、犬が怒られて悲しげになる姿と重なってしまう…。
「別に。アタシにヤキモチ焼かせようとするのなんて、いつものことじゃない」
コイツはアタシにヤキモチを焼かせたくて、わざと他の女の子に声をかけてもらう。
…まっ、学校でも未だに遊びに誘われるみたいだし。
お手軽な男として見られているんだろうな。
「あ~…でもホラ、オレの本命はキミだけだって、ちゃんと言ってるから!」
「はいはい」
それでもコイツがモてる日々は変わらず、そして軽い雰囲気も変わらない。
…でもコレって、アタシの影響力が少ないってことかな?
普通、恋をすると人間変わるって言うけど…。
「ん? どうかした?」
隣を歩く『彼氏』は、相変わらずチャラ男。
告白してきた時から、あんまり変わらない。
なら…。
「ねぇ、アタシって変わったと思う?」
「ん~。あっ、可愛くなった♪」
…満面の笑顔でそう言われても、何故あまり嬉しくないんだろう?
「ねっねぇ」
「なぁに?」
「…オレと付き合うの、ヤッパめんどい?」
急に悲しそうな笑みを浮かべて、顔を覗きこんできた。
「別に。そう思っていたら、付き合っていないって」
「うん…。でも何か楽しくなさそうだからさ。ムリしてほしくないし…」
…コイツ、アタシがそんなヤワだと思っているのか?
「オレからムリ言って恋人になったようなもんだし。イヤならイヤって言って? オレ、キミに辛い思いさせたくないし」
ぶちっ!
アタシの中で、何かがブチ切れた。
「…ああ、もうっ!」
アタシは立ち止まり、アイツの髪をわしづかみ、引き寄せた。
「んっ!」
人が多い街中で、立ち止まってのキス。
…自分がこんな行動するなんて、思わなかった。
けどグチグチ言うコイツの口を、塞ぎたかった。
「…アンタねぇ、少しは恋に自信を持ちなさいよ」
「えっ?」
「アタシはキライなヤツとは付き合わない。ましてやキスなんてもっての他なんだから…!」
そう言って今度は首に腕を回して、顔を引き寄せた。
アイツの手が、アタシの腰と後頭部に回る。
視線を感じながらも、キスをした。
「こんなことさせんの、アンタだけよ?」
「…ははっ。そっか。オレって愛されてるんだ」
「ええ、そうね。アタシも観念するわ」
深く息を吐き、アタシは微笑みかけた。
「アンタのこと、好きよ」
ショーウィンドウに映る自分の姿に、ため息がもれる。
あの大型犬のような男と付き合いはじめて、しばらく経った。
アイツは相変わらず学校でも外でも、愛を口にする。
だけど…何故こんなにも軽く聞こえてしまう!?
アイツが本気なのは分かった!
確かにアタシを好きなことも、理解できた!
なのにっ!
毎日「好きだ」と言われているせいか、言葉に重みを感じない。
それでも毎日電話やらメールやらして、休日にはこうしてデートもする。
そしてまあ…恋人らしい触れ合いもする。
それで幸せを感じているんだから、アタシはアイツのことを…。
「おっ待たせ~! 待ったぁ?」
…百年の恋も一瞬にして冷めるような、明るくはしゃいだ声に、アタシは再びため息をついた。
「今来たところよ」
「良かったぁ。いやぁ、途中で女の子2人組に声かけられてさ」
「良かったわね。そっちに行っても良かったのに」
「えっ。いやいやっ、オレはキミが良いんだって!」
「あっそ」
アタシは素っ気無く答えて、歩き出す。
「わっ、待ってよ! …怒った?」
しょぼくれた姿を見ると、犬が怒られて悲しげになる姿と重なってしまう…。
「別に。アタシにヤキモチ焼かせようとするのなんて、いつものことじゃない」
コイツはアタシにヤキモチを焼かせたくて、わざと他の女の子に声をかけてもらう。
…まっ、学校でも未だに遊びに誘われるみたいだし。
お手軽な男として見られているんだろうな。
「あ~…でもホラ、オレの本命はキミだけだって、ちゃんと言ってるから!」
「はいはい」
それでもコイツがモてる日々は変わらず、そして軽い雰囲気も変わらない。
…でもコレって、アタシの影響力が少ないってことかな?
普通、恋をすると人間変わるって言うけど…。
「ん? どうかした?」
隣を歩く『彼氏』は、相変わらずチャラ男。
告白してきた時から、あんまり変わらない。
なら…。
「ねぇ、アタシって変わったと思う?」
「ん~。あっ、可愛くなった♪」
…満面の笑顔でそう言われても、何故あまり嬉しくないんだろう?
「ねっねぇ」
「なぁに?」
「…オレと付き合うの、ヤッパめんどい?」
急に悲しそうな笑みを浮かべて、顔を覗きこんできた。
「別に。そう思っていたら、付き合っていないって」
「うん…。でも何か楽しくなさそうだからさ。ムリしてほしくないし…」
…コイツ、アタシがそんなヤワだと思っているのか?
「オレからムリ言って恋人になったようなもんだし。イヤならイヤって言って? オレ、キミに辛い思いさせたくないし」
ぶちっ!
アタシの中で、何かがブチ切れた。
「…ああ、もうっ!」
アタシは立ち止まり、アイツの髪をわしづかみ、引き寄せた。
「んっ!」
人が多い街中で、立ち止まってのキス。
…自分がこんな行動するなんて、思わなかった。
けどグチグチ言うコイツの口を、塞ぎたかった。
「…アンタねぇ、少しは恋に自信を持ちなさいよ」
「えっ?」
「アタシはキライなヤツとは付き合わない。ましてやキスなんてもっての他なんだから…!」
そう言って今度は首に腕を回して、顔を引き寄せた。
アイツの手が、アタシの腰と後頭部に回る。
視線を感じながらも、キスをした。
「こんなことさせんの、アンタだけよ?」
「…ははっ。そっか。オレって愛されてるんだ」
「ええ、そうね。アタシも観念するわ」
深く息を吐き、アタシは微笑みかけた。
「アンタのこと、好きよ」
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