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理想の彼女との出会い
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自分から申し出ることははじめてだった。
「良いですよ。わたしもまた、あなたと話がしたいですから」
彼女は笑顔で、受けてくれた。
それから彼女との付き合いがはじまった。
毎日メールをして、電話をした。
休日なんかは二人っきりでデートをした。
僕はハッキリと気付いていた。
彼女に惹かれていることを。
そして彼女もまた、僕に興味を持ってくれていることに。
デートはいつも、僕の言い出した所に付き合ってくれた。
偶然にも、彼女が興味を持っていた場所と重なっていたからだ。
いつもお菓子を作って来てくれたり、お弁当も時々作ってくれた。
どれも僕好みの味で、嬉しかった。
まるで彼女と波長がピッタリ合うようだった。
僕が何も言わずとも、彼女は全てを察してくれていた。
どんなワガママを言っても、笑顔で受け入れてくれた。
だから…告白した。
「僕、キミが好きなんだ。その、もし良かったら結婚を前提に付き合ってくれないかな?」
「結婚を前提に?」
「うん! 付き合うなら、真面目に真剣に交際したいから」
真っ赤な顔で僕が言うと、彼女は涙を浮かべながら笑顔になった。
「…嬉しい。その言葉、待ってたの」
「ほっ本当に? 本当に僕なんかで良いの?」
正直言って、僕の容姿は平凡だった。
どこにでもいて、集団の中では埋もれて消えそうなぐらい普通。
会話も彼女を楽しませるような内容はあまり言えない。
せいぜい今まで得た知識を語るぐらい。
今まで人付き合いがあんまりなかったせいか、口下手になってしまったことを悔やんでいた。
だけど彼女は頷いてくれた。
「そんなあなたが良いの。わたしも、あなた良い」
そして僕の目を見て、ハッキリ言ってくれた。
「っ! ありがとう! 必ずキミを幸せにするよ!」
「うん。信じているわ、その言葉」
その日から僕は変わった。
絶対に弁護士になる為に、さまざまな勉強をはじめた。
ただ試験に受かれば良いというものじゃない。
人付き合いが一番難しいのだ。
だから社交性を学び、人間関係を学んだ。
その後の二年は、僕の人生の中で一番充実していた。
勉強も人間関係も、そして彼女との付き合いも、全てにおいて宝物と言える経験を積んだ。
そして僕は見事に弁護士の資格を取ることができた。
僕は弁護士の資格を取った時、心に決めた。
彼女にプロポーズしよう、と。
もちろん、新米弁護士がいきなり高給取りにはなれない。
だけど彼女と自分を養うぐらいは、何とかなるだろう。
いざとなれば親を頼るなり、貯金を崩すなりすれば良い。
そう思って、彼女にプロポーズした。
彼女は満面の笑顔で、頷いてくれた。
「約束、守ってくれたのね」
「約束って…」
「わたしを必ず幸せにしてくれるって約束。二年前にしてくれたでしょう?」
「でっでもまだ新米弁護士だし、最初のうちは苦労させちゃうと思う」
「それでも構わないわ。あなたと一緒なら」
彼女は僕の両手を優しく掴み、真っ直ぐに僕の目を見た。
「結婚しましょう?」
「…うんっ!」
その後、彼女の親に会いに行った。
彼女は母子家庭で、母親は日本にいくつもの会社を経営する地位と権力を持っている人だった。
少し気後れしながら挨拶に行った。
母親はとても22歳の娘がいるとは思えないぐらい、若くてイキイキした人だった。
「結婚? 良いわよ。好きにしなさいな」
そして結婚に大賛成だった。
「いっ良いんですか? 僕、まだ社会人になったばかりで…」
「構わないわよ。娘からあなたがどれだけ優秀かは聞いているの。それだけの優秀さなら、すぐに人気弁護士になれるわよ」
「はあ…」
妙にあっさりした態度に、思わず脱力してしまう。
「お金に困ったら、素直に言ってね? こっちは仕事で返してくれれば良いから」
あっ、なるほど。
会社経営はいろいろとある。
いざという時に、僕に弁護してほしいのか。
「良いですよ。わたしもまた、あなたと話がしたいですから」
彼女は笑顔で、受けてくれた。
それから彼女との付き合いがはじまった。
毎日メールをして、電話をした。
休日なんかは二人っきりでデートをした。
僕はハッキリと気付いていた。
彼女に惹かれていることを。
そして彼女もまた、僕に興味を持ってくれていることに。
デートはいつも、僕の言い出した所に付き合ってくれた。
偶然にも、彼女が興味を持っていた場所と重なっていたからだ。
いつもお菓子を作って来てくれたり、お弁当も時々作ってくれた。
どれも僕好みの味で、嬉しかった。
まるで彼女と波長がピッタリ合うようだった。
僕が何も言わずとも、彼女は全てを察してくれていた。
どんなワガママを言っても、笑顔で受け入れてくれた。
だから…告白した。
「僕、キミが好きなんだ。その、もし良かったら結婚を前提に付き合ってくれないかな?」
「結婚を前提に?」
「うん! 付き合うなら、真面目に真剣に交際したいから」
真っ赤な顔で僕が言うと、彼女は涙を浮かべながら笑顔になった。
「…嬉しい。その言葉、待ってたの」
「ほっ本当に? 本当に僕なんかで良いの?」
正直言って、僕の容姿は平凡だった。
どこにでもいて、集団の中では埋もれて消えそうなぐらい普通。
会話も彼女を楽しませるような内容はあまり言えない。
せいぜい今まで得た知識を語るぐらい。
今まで人付き合いがあんまりなかったせいか、口下手になってしまったことを悔やんでいた。
だけど彼女は頷いてくれた。
「そんなあなたが良いの。わたしも、あなた良い」
そして僕の目を見て、ハッキリ言ってくれた。
「っ! ありがとう! 必ずキミを幸せにするよ!」
「うん。信じているわ、その言葉」
その日から僕は変わった。
絶対に弁護士になる為に、さまざまな勉強をはじめた。
ただ試験に受かれば良いというものじゃない。
人付き合いが一番難しいのだ。
だから社交性を学び、人間関係を学んだ。
その後の二年は、僕の人生の中で一番充実していた。
勉強も人間関係も、そして彼女との付き合いも、全てにおいて宝物と言える経験を積んだ。
そして僕は見事に弁護士の資格を取ることができた。
僕は弁護士の資格を取った時、心に決めた。
彼女にプロポーズしよう、と。
もちろん、新米弁護士がいきなり高給取りにはなれない。
だけど彼女と自分を養うぐらいは、何とかなるだろう。
いざとなれば親を頼るなり、貯金を崩すなりすれば良い。
そう思って、彼女にプロポーズした。
彼女は満面の笑顔で、頷いてくれた。
「約束、守ってくれたのね」
「約束って…」
「わたしを必ず幸せにしてくれるって約束。二年前にしてくれたでしょう?」
「でっでもまだ新米弁護士だし、最初のうちは苦労させちゃうと思う」
「それでも構わないわ。あなたと一緒なら」
彼女は僕の両手を優しく掴み、真っ直ぐに僕の目を見た。
「結婚しましょう?」
「…うんっ!」
その後、彼女の親に会いに行った。
彼女は母子家庭で、母親は日本にいくつもの会社を経営する地位と権力を持っている人だった。
少し気後れしながら挨拶に行った。
母親はとても22歳の娘がいるとは思えないぐらい、若くてイキイキした人だった。
「結婚? 良いわよ。好きにしなさいな」
そして結婚に大賛成だった。
「いっ良いんですか? 僕、まだ社会人になったばかりで…」
「構わないわよ。娘からあなたがどれだけ優秀かは聞いているの。それだけの優秀さなら、すぐに人気弁護士になれるわよ」
「はあ…」
妙にあっさりした態度に、思わず脱力してしまう。
「お金に困ったら、素直に言ってね? こっちは仕事で返してくれれば良いから」
あっ、なるほど。
会社経営はいろいろとある。
いざという時に、僕に弁護してほしいのか。
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