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第20話【ペンドラゴン】
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「久しぶりに一人だなー。何しようかな。新しい素材探しとか楽しそうかな」
カインたちと【アンシャンテ遺跡】を探索した次の日。
私は一人で始まりの街アルカディアをブラブラしていた。
というのも今日はセシルたち全員が用事があると、ログインしないことを事前に聞いていたからだ。
この世界はあくまで仮想現実、実際の生活を行う現実の用事があれば、この世界に来ることはできない。
しかし私は特にやることも他にないので、とりあえず、と相変わらずゲームの世界に来ていた。
アルカディアに来ているのも気まぐれだったけれど、新しい素材がないかどうか見るなら最適だと思って来たのだった。
「んー。この前のアップデートで新しいモンスターが増えたから、素材が増えてるかなーって思ったけど、なかなか見つからないなぁ。まだ溢れるには至ってないかぁ」
つい最近アップデートがあり、新エリアが解禁となった。
それに伴いそのエリアのモンスターとボスのドロップアイテムが増えているはずなのだ。
しかし、新しい素材は生産職なら誰もが求めるもの。
大抵は大手の生産クランの元へ行ってしまう。
というのも、このゲームではクランが独自のクエストを貼ることが可能だからだ。
生産クランはクランギラや通常のギラを報酬として、素材納入クエストを作成する。
そうすると戦闘職が集めてきてくれ、それを元にクラン内で情報を共有しながら新アイテム製造を行ったりする。
今度は逆に、戦闘職のクランが作られたアイテムの納入クエストなどを貼っているから面白い。
「ボス素材とは言わずとも、フィールドモンスターくらいならもう売りに出されているかと思ったけど、だめかぁ」
私の独自の趣味として、新薬調合がある。
一人でこの作業を行うことは正直なところかなりの作業量になるけれど、それを可能にしてくれるのが私の持つスキルの効果たちだった。
まずは【超越者の瞳】、これは一定数以上の薬調合を行うと得られるスキル。
サービス開始からひたすらに調合をしていた私が得ることができた神スキル。
効果はインベントリのアイテムを手に取ると、その素材から何が出来るかぼんやりと分かるというもの。
既に作ったことのあるアイテムならはっきりと、手に入れたことのあるアイテムならばぼんやりと、そしてまだ未知のアイテムならばシルエットのみが映像として映し出される。
これによってかなりの無駄を省くことが出来る。
もしこれがなかったらおそらく一人で手当り次第の調合をするしかなくなり、実際問題として不可能だろう。
その他にも生産する際に装備している装備で得られるスキルが、様々な調合の補助を行ってくれる。
これのおかげで私は趣味を存分に、誰にも邪魔されずに楽しむことが出来る。
「今度セシルたちに頼んでみようかなぁ」
お抱えの生産職ならクランメンバーが素材を持ってきてくれるというのも珍しくはない。
セシルとハドラーのレベルがもう少し上がれば、みんなで行けばボスは無理だとしても普通のモンスターならなんとかなるだろう。
「きゃあ!?」
「おっと。大丈夫?」
そんなことを思いながらブラブラを続けていると、よそ見をしていたせいで人にぶつかってしまった。
相手は背が高いヒューマンのプレイヤーで視界に入ってなかったのか、私が突っ込んできたことに気づくのが遅れてしまったみたいだ。
「あ。ごめんなさい! ちょっとよそ見してて」
「大丈夫、大丈夫。って、サラ?」
「え?」
唐突に名前を呼ばれて私は下げていた頭を上げ、その人の顔を見た。
真っ白な白髪に、紅石のような瞳。昔話に出てくる傾奇者のような黒地に大きな東洋の龍が描かれた和装をしていた。
名前はペンドラゴン。所属クランは【DYSTPIA】で、クランマスターのマークが付いていた。
私はこの人の名前もクランも初めて見る。
しかしこの人の顔と、声は知っていた。
「もしかして……アーサー!?」
「そう! そのサブだよ。わぁ! やっぱりサラか。久しぶり!! 元気だった? まだやってたんだね。嬉しいよ!」
まさか、昨日思い出したばかりで、偶然にも今日出会うとは。
私は何故か心が跳ねるのを感じていた。
「やだ! 本当に久しぶり! 元気だよ! あの時は友録出来なくて……こんな所で会うなんて偶然だね!!」
「うん! すごい偶然。普段アルカディアには来ないからさ。たまたま今日は暇だったんだよね。それでサブでブラブラ」
お互い特に用事も無いということで、折角だから座って話そうと言ってくれたアーサーの提案を私は快諾した。
それにしてもサブキャラクターもレベルカンストで、クランのマスターをしているなんて、思った以上のやり込み具合だ。
「【薬師】なんだね。本当に。てっきり途中で【錬金術師】に考え変えたかと思ってた」
「あはは。これは例の幼馴染のせい。でも、もう抜けたんだ。そのクラン」
「え!? あ、そうなんだ。おめでとう、かな? なんか、前に会った時より楽しそうな顔しているし。いい事なんでしょ? サラにとって」
「うん! 凄くいいこと。今はすごく楽しいよ。ねぇ、そういえばね。昨日私、アーサーのことをちょうど思い出してたんだよ」
嬉しさのあまり言った言葉に、アーサーはびっくりした顔をする。
そして何故か嬉しそうな恥ずかしそうな顔を見せた。
「あはは。それは嬉しいな。でもね。それ、気を付けてね? 変な男だったら、その言葉でイチコロだよ?」
「え? どういうこと?」
私の問いにアーサーは何故か話題を変え、はぐらかされてしまった。
一体どういうことだったのだろう。
その後も、ペンドラゴンことアーサーとの楽しい会話は続く。
カインたちと【アンシャンテ遺跡】を探索した次の日。
私は一人で始まりの街アルカディアをブラブラしていた。
というのも今日はセシルたち全員が用事があると、ログインしないことを事前に聞いていたからだ。
この世界はあくまで仮想現実、実際の生活を行う現実の用事があれば、この世界に来ることはできない。
しかし私は特にやることも他にないので、とりあえず、と相変わらずゲームの世界に来ていた。
アルカディアに来ているのも気まぐれだったけれど、新しい素材がないかどうか見るなら最適だと思って来たのだった。
「んー。この前のアップデートで新しいモンスターが増えたから、素材が増えてるかなーって思ったけど、なかなか見つからないなぁ。まだ溢れるには至ってないかぁ」
つい最近アップデートがあり、新エリアが解禁となった。
それに伴いそのエリアのモンスターとボスのドロップアイテムが増えているはずなのだ。
しかし、新しい素材は生産職なら誰もが求めるもの。
大抵は大手の生産クランの元へ行ってしまう。
というのも、このゲームではクランが独自のクエストを貼ることが可能だからだ。
生産クランはクランギラや通常のギラを報酬として、素材納入クエストを作成する。
そうすると戦闘職が集めてきてくれ、それを元にクラン内で情報を共有しながら新アイテム製造を行ったりする。
今度は逆に、戦闘職のクランが作られたアイテムの納入クエストなどを貼っているから面白い。
「ボス素材とは言わずとも、フィールドモンスターくらいならもう売りに出されているかと思ったけど、だめかぁ」
私の独自の趣味として、新薬調合がある。
一人でこの作業を行うことは正直なところかなりの作業量になるけれど、それを可能にしてくれるのが私の持つスキルの効果たちだった。
まずは【超越者の瞳】、これは一定数以上の薬調合を行うと得られるスキル。
サービス開始からひたすらに調合をしていた私が得ることができた神スキル。
効果はインベントリのアイテムを手に取ると、その素材から何が出来るかぼんやりと分かるというもの。
既に作ったことのあるアイテムならはっきりと、手に入れたことのあるアイテムならばぼんやりと、そしてまだ未知のアイテムならばシルエットのみが映像として映し出される。
これによってかなりの無駄を省くことが出来る。
もしこれがなかったらおそらく一人で手当り次第の調合をするしかなくなり、実際問題として不可能だろう。
その他にも生産する際に装備している装備で得られるスキルが、様々な調合の補助を行ってくれる。
これのおかげで私は趣味を存分に、誰にも邪魔されずに楽しむことが出来る。
「今度セシルたちに頼んでみようかなぁ」
お抱えの生産職ならクランメンバーが素材を持ってきてくれるというのも珍しくはない。
セシルとハドラーのレベルがもう少し上がれば、みんなで行けばボスは無理だとしても普通のモンスターならなんとかなるだろう。
「きゃあ!?」
「おっと。大丈夫?」
そんなことを思いながらブラブラを続けていると、よそ見をしていたせいで人にぶつかってしまった。
相手は背が高いヒューマンのプレイヤーで視界に入ってなかったのか、私が突っ込んできたことに気づくのが遅れてしまったみたいだ。
「あ。ごめんなさい! ちょっとよそ見してて」
「大丈夫、大丈夫。って、サラ?」
「え?」
唐突に名前を呼ばれて私は下げていた頭を上げ、その人の顔を見た。
真っ白な白髪に、紅石のような瞳。昔話に出てくる傾奇者のような黒地に大きな東洋の龍が描かれた和装をしていた。
名前はペンドラゴン。所属クランは【DYSTPIA】で、クランマスターのマークが付いていた。
私はこの人の名前もクランも初めて見る。
しかしこの人の顔と、声は知っていた。
「もしかして……アーサー!?」
「そう! そのサブだよ。わぁ! やっぱりサラか。久しぶり!! 元気だった? まだやってたんだね。嬉しいよ!」
まさか、昨日思い出したばかりで、偶然にも今日出会うとは。
私は何故か心が跳ねるのを感じていた。
「やだ! 本当に久しぶり! 元気だよ! あの時は友録出来なくて……こんな所で会うなんて偶然だね!!」
「うん! すごい偶然。普段アルカディアには来ないからさ。たまたま今日は暇だったんだよね。それでサブでブラブラ」
お互い特に用事も無いということで、折角だから座って話そうと言ってくれたアーサーの提案を私は快諾した。
それにしてもサブキャラクターもレベルカンストで、クランのマスターをしているなんて、思った以上のやり込み具合だ。
「【薬師】なんだね。本当に。てっきり途中で【錬金術師】に考え変えたかと思ってた」
「あはは。これは例の幼馴染のせい。でも、もう抜けたんだ。そのクラン」
「え!? あ、そうなんだ。おめでとう、かな? なんか、前に会った時より楽しそうな顔しているし。いい事なんでしょ? サラにとって」
「うん! 凄くいいこと。今はすごく楽しいよ。ねぇ、そういえばね。昨日私、アーサーのことをちょうど思い出してたんだよ」
嬉しさのあまり言った言葉に、アーサーはびっくりした顔をする。
そして何故か嬉しそうな恥ずかしそうな顔を見せた。
「あはは。それは嬉しいな。でもね。それ、気を付けてね? 変な男だったら、その言葉でイチコロだよ?」
「え? どういうこと?」
私の問いにアーサーは何故か話題を変え、はぐらかされてしまった。
一体どういうことだったのだろう。
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