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第30話【クランの吸収合併】
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新しい薬のレシピを開発してから、私は順調に他の【魔薬】のレシピも見つけていった。
更により効率的な配合や調合の方法も発見し、実用段階まで来ていた。
ヒントは最初に見つけたレシピ。
実は素材になった物の部位が、どれも他の強化薬の素材に使われるものの一部と同じになっていたのだ。
例えば【剛力の強薬】に使われる【グリズリーの爪】、【魔薬】では【イビルベアの毒爪】が素材になる。
他にも【神薬】に使う素材に【サーベルタイガーの牙】があるけれど、【魔薬】では【白虎の白牙】を使う。
他のいくつかも同じようなモンスターの同じ部位が素材として使われている。
そこをヒントに私の持つそれぞれのレシピを応用してみたのだ。
結果はみごと大成功。
最初に作った時よりもはるかに少ない素材の量で薬を作れるようになった。
更にこれを他の強化薬や回復薬、毒薬などにも使ってみると、尽く上手くいった。
運営がレシピを考える際に手を抜いたのか、はたまた今までの頑張りが役に立つようにとわざとこうしたのかは分からない。
だけど、こうしてほとんどの新薬のレシピを現状の最適とも言える形で見つけることができた。
これで新エリアに狩りに行く頻度も減らすことができるだろう。
☆
「なんてことがあってね。ありがとうアーサー」
「へぇ。良かったね。役に立てたみたいで嬉しいよ。それにしてもまさかたった五人で攻城戦のBランクに上がるなんてね。びっくりだよ」
「アーサーが始めに素材をくれたおかげよ。もちろんみんながその後も素材を集めてくれたおかげだけど」
「良いクランみたいだね。安心したよ。みんなでワイワイ狩りってのはオンラインの醍醐味の一つだからね」
ある日、アーサーのサブキャラクターであるペンドラゴンから連絡が来て、私たちは再びこうして会って話をしていた。
アーサーにはクランメンバーとはまた違った安心感を感じる。
「その勢いでこの前の素材のレシピも頑張ってね。まぁ俺は自分の興味もあるけれど」
「うーん。そっちについてはまだまだかかりそうね。レアボスを一回だけ見かけてチャレンジしたんだけど、私たちじゃまだ無理だったから」
「あはは。あれを五人では俺でも無理だなぁ。せめてもういちパーティ居ないと」
「そうなんだ。普通のボスは倒せたから行けると思って。一人死んで他の人も瀕死だったから逃げ出しちゃった」
運がいいのか悪いのか。
素材集めのために狩りをしていたら、一度だけレアボスと遭遇した。
アンナが倒れ、他のメンバーも危ないところで、セシルが撤退を決めた。
アーサーの言うように、あれは現状では協力プレイをしないと無理そうだ。
攻城戦のこともあるし、私たちもそろそろ新たなメンバーを入れないと。
「まぁ、そのうち装備もアイテムも充実していって、パーティ狩りでもいけるようにきっとなるよ。ところで、サラ。君のところの――」
「あ! ごめん! なんかクランのことで緊急の用事があるみたい! アーサー、ちょっと早いけど私行くね! 今日もありがとう!」
セシルからなんだか分からないけれど呼び出しが来た。
他のクランとの吸収合併がどうとか。
ちょっと残念そうな顔を見せながら手を振るアーサーに、私は手を振り返してクランの専用スペースへ急ぐ。
私が入口に到着すると、そこには見覚えのあるような人たちが五人、セシルと一緒に待っていた。
「やぁ。サラさん。急に呼び出してごめんね。この人たち知ってる?」
「えっと、うん。この前作り過ぎた薬を売ったクランの人たちだね」
この前の攻城戦で余った強化薬などを、素材を新しく買うための資金調達として露店を開いた。
その時に買っていってくれた人たちだ。
その時は時間があまりなかったから、市場価格よりも随分と安い値段で売ったのを覚えている。
確か買ってくれた後、少し話をしたはずだ。
「それがね。どうやら彼ら、えーとマスターはギルバートのクランは、俺らと同じ五人しかいないんだって」
「サラさん! この前はお世話になりました! 実はあれから色々とメンバーと相談しまして。良かったら俺らと合併してもらえないかなと」
「え? どういうこと? 話が全然見えないんだけど」
「えっとね。ギルバートたちは知り合い同士でワイワイやろうとクラン建てて身内だけでやってたらしいんだけどね――」
セシルとギルバートの話によると、つまり身内だけだとやはりできるコンテンツが限られ物足りない。
しかし、上を目指しているクランで、都合よく五人全員が入れるような空きのある所の当てもない。
そこでたまたま知った私たちのクランと、吸収合併の形で加入できないか、と相談しに来たらしい。
合併と言っても、クランレベルがより高い【龍の宿り木】に全員が加入する形で問題ないとか。
身内だけとはいえ、全員がレベルカンストで、装備もかなり良いものを身に付けている。
それなりのやり込み具合だというのが見て取れた。
「俺は問題ないと思うんだけど、一応サラさんに聞いておこうと思ってさ。サラさん経由のコンタクトだったから」
「私もいいと思うよ! 最近やっぱり五人だけじゃあ辛くなるかな、って思ってたばかりだし!」
「ありがとう! 入れてもらえるのかな? それだったらこっちのクラン、解散するけど」
「了解。クラン加入の申請を出してくれたら、全員承認するから。この五人でいいんだよね?」
こうして、思いもよらず新たなクランメンバーが五人も増えることになった。
セシルがクラン掲示板にそのことを書くと、他のみんなも集まってきて、お互いに自己紹介が始まった。
更により効率的な配合や調合の方法も発見し、実用段階まで来ていた。
ヒントは最初に見つけたレシピ。
実は素材になった物の部位が、どれも他の強化薬の素材に使われるものの一部と同じになっていたのだ。
例えば【剛力の強薬】に使われる【グリズリーの爪】、【魔薬】では【イビルベアの毒爪】が素材になる。
他にも【神薬】に使う素材に【サーベルタイガーの牙】があるけれど、【魔薬】では【白虎の白牙】を使う。
他のいくつかも同じようなモンスターの同じ部位が素材として使われている。
そこをヒントに私の持つそれぞれのレシピを応用してみたのだ。
結果はみごと大成功。
最初に作った時よりもはるかに少ない素材の量で薬を作れるようになった。
更にこれを他の強化薬や回復薬、毒薬などにも使ってみると、尽く上手くいった。
運営がレシピを考える際に手を抜いたのか、はたまた今までの頑張りが役に立つようにとわざとこうしたのかは分からない。
だけど、こうしてほとんどの新薬のレシピを現状の最適とも言える形で見つけることができた。
これで新エリアに狩りに行く頻度も減らすことができるだろう。
☆
「なんてことがあってね。ありがとうアーサー」
「へぇ。良かったね。役に立てたみたいで嬉しいよ。それにしてもまさかたった五人で攻城戦のBランクに上がるなんてね。びっくりだよ」
「アーサーが始めに素材をくれたおかげよ。もちろんみんながその後も素材を集めてくれたおかげだけど」
「良いクランみたいだね。安心したよ。みんなでワイワイ狩りってのはオンラインの醍醐味の一つだからね」
ある日、アーサーのサブキャラクターであるペンドラゴンから連絡が来て、私たちは再びこうして会って話をしていた。
アーサーにはクランメンバーとはまた違った安心感を感じる。
「その勢いでこの前の素材のレシピも頑張ってね。まぁ俺は自分の興味もあるけれど」
「うーん。そっちについてはまだまだかかりそうね。レアボスを一回だけ見かけてチャレンジしたんだけど、私たちじゃまだ無理だったから」
「あはは。あれを五人では俺でも無理だなぁ。せめてもういちパーティ居ないと」
「そうなんだ。普通のボスは倒せたから行けると思って。一人死んで他の人も瀕死だったから逃げ出しちゃった」
運がいいのか悪いのか。
素材集めのために狩りをしていたら、一度だけレアボスと遭遇した。
アンナが倒れ、他のメンバーも危ないところで、セシルが撤退を決めた。
アーサーの言うように、あれは現状では協力プレイをしないと無理そうだ。
攻城戦のこともあるし、私たちもそろそろ新たなメンバーを入れないと。
「まぁ、そのうち装備もアイテムも充実していって、パーティ狩りでもいけるようにきっとなるよ。ところで、サラ。君のところの――」
「あ! ごめん! なんかクランのことで緊急の用事があるみたい! アーサー、ちょっと早いけど私行くね! 今日もありがとう!」
セシルからなんだか分からないけれど呼び出しが来た。
他のクランとの吸収合併がどうとか。
ちょっと残念そうな顔を見せながら手を振るアーサーに、私は手を振り返してクランの専用スペースへ急ぐ。
私が入口に到着すると、そこには見覚えのあるような人たちが五人、セシルと一緒に待っていた。
「やぁ。サラさん。急に呼び出してごめんね。この人たち知ってる?」
「えっと、うん。この前作り過ぎた薬を売ったクランの人たちだね」
この前の攻城戦で余った強化薬などを、素材を新しく買うための資金調達として露店を開いた。
その時に買っていってくれた人たちだ。
その時は時間があまりなかったから、市場価格よりも随分と安い値段で売ったのを覚えている。
確か買ってくれた後、少し話をしたはずだ。
「それがね。どうやら彼ら、えーとマスターはギルバートのクランは、俺らと同じ五人しかいないんだって」
「サラさん! この前はお世話になりました! 実はあれから色々とメンバーと相談しまして。良かったら俺らと合併してもらえないかなと」
「え? どういうこと? 話が全然見えないんだけど」
「えっとね。ギルバートたちは知り合い同士でワイワイやろうとクラン建てて身内だけでやってたらしいんだけどね――」
セシルとギルバートの話によると、つまり身内だけだとやはりできるコンテンツが限られ物足りない。
しかし、上を目指しているクランで、都合よく五人全員が入れるような空きのある所の当てもない。
そこでたまたま知った私たちのクランと、吸収合併の形で加入できないか、と相談しに来たらしい。
合併と言っても、クランレベルがより高い【龍の宿り木】に全員が加入する形で問題ないとか。
身内だけとはいえ、全員がレベルカンストで、装備もかなり良いものを身に付けている。
それなりのやり込み具合だというのが見て取れた。
「俺は問題ないと思うんだけど、一応サラさんに聞いておこうと思ってさ。サラさん経由のコンタクトだったから」
「私もいいと思うよ! 最近やっぱり五人だけじゃあ辛くなるかな、って思ってたばかりだし!」
「ありがとう! 入れてもらえるのかな? それだったらこっちのクラン、解散するけど」
「了解。クラン加入の申請を出してくれたら、全員承認するから。この五人でいいんだよね?」
こうして、思いもよらず新たなクランメンバーが五人も増えることになった。
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