後方支援なら任せてください〜幼馴染にS級クランを追放された【薬師】の私は、拾ってくれたクラマスを影から支えて成り上がらせることにしました〜

黄舞

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第55話【恋愛脳】

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「新しく入ったティファだ。みんなよろしく」
「よろしくお願いします。ティファです。初心者ですが、頑張ります!」

 ティファの加入が決まったので、主要なみんなに知らせる。
 セシルはクランの掲示板にも書き込んでくれたらしい。

 まずはレベル上げをしなければいけない。
 始めの方は予定通り、高レベル帯についてきてもらって死なないように注意しながら狩りをする予定だ。

「よろしくね! わたしゃアンナっていうんだ。あんたのレベル上げを手伝ってあげるから、よろしく頼むよ!」
「アンナさんですね。よろしくお願いします! それと手伝ってもらってどうもすいません」

「あっはっは。可愛い子だね。野郎どもが喜んでるんじゃないのかい? 謝らなくてもいいんだよ。あんたが強くなってくれたらぜひうちのチームにおいで。うちは回復職がいくらいてくれても構わないからね!」
「はい! お役に立てるよう、頑張ります!!」

 どうやらアンナとも関係性に問題は今のところなさそうだ。
 アンナが効率良く敵を狩れるよう、私も支援としてついていくことにした。

 ティファのパーティはアンナとカインの三人。
 そして私はパーティ外からアンナとカインを薬で強化する。

 狩りの方法は至ってシンプル。
 釣狩りといって、カインが集めたモンスターを、高火力のアンナが次々と倒していくやり方だ。

 残念ながらうちには高火力の範囲攻撃を複数使えるプレイヤーが居ない。
 そのためこのやり方が最もとは言えないかもしれないけれど、少ない人数でできる範囲では効率的と言える。

「さぁ! カイン! どんどん釣ってきておくれ!」
「はいはい。釣りすぎてティファにモンスターが行かないようにしないとね」

「そんな考えは無用だよ! サラちゃんの薬さえあれば、ここらのモンスターなんて一撃だからね!」
「お、言ったね? じゃあ、僕が釣ってくるのが速いか、アンナが倒すのが速いか勝負しようじゃない」

 どうやら二人は二人で、単調になりがちなレベル上げの楽しみ方を見つけてくれたようだ。
 宣言通り、アンナはカインが連れてくるモンスターを一撃の下に葬り去っていく。

 負けじとカインも凄まじい速さでモンスターたちのターゲットを取ると、アンナの元に連れてきては、再び新しいモンスターを探しに行く。
 一進一退の攻防が続く中、ティファはただただその様子を眺めていた。

「どう? 結構早く上がるとと思うんだけど」
「凄いです!! こんな勢いでレベル上がるのなんて、初めてです!! お二人とも凄いですね!!」

 ティファは目を輝かせてモンスターを釣るカインと、それを狩るアンナを見つめていた。
 そして、二人の楽しそうなやり取りに何か思うことがあったのか、私の方を向き質問を投げてきた。

「あの二人、すごく仲がいいですね。このクランに長いんですか?」
「そうね。このクラン自体ができてそんなに長くはないのだけれど、アンナは四番目、カインは五番目のメンバーだね」

「へぇ。あ、サラさんとセシルさんが最初の二人でしたよね? サラさんたちとアンナさんたちの間にもう一人いるってことですか?」
「そう。さっき居たハドラーっていうのが三番目」

 私はティファと話をしていて、ふと気づいたことがある。
 ゲームの中とはいえ、ほぼ初対面のティファとはなぜか話すことに苦を感じなかった。

 私が人と話すことが以前よりも苦手でなくなったおかげもあると思うけれど、ティファには何か話しやすい雰囲気のようなものがある気がする。
 そんなことを思いながらティファを見ていると、ティファは少し考えたような素振りをした後、聞いてきた。

「それで……あの二人は付き合ってるんですか?」
「え? えーっと、さぁ。どうかしら。多分付き合ってないと思うけど……」

「そうなんですねー。仲がいいからてっきり付き合ってるのかなーって。それともオンラインゲームってみんなこんなに仲がいいものなんですかね?」
「ティファはもしかしてオンラインゲームをやるのは初めてなの?」

 そういえば、面接の時に大事なことを聞き忘れていた。
 このゲームに限らず、やはり経験というのが物を言う。

 同じようなゲームであれば、セオリーや立ち回りも似てくる。
 そういう知識や経験があった方が、当然ながら無いよりも速く上達する。

「すいません。実は、そうなんです。まずかったですかね?」
「まずいってことはないんじゃないかな。ここのクランマスターもこのゲームがオンラインゲームで初めてだって言ってたし」

「え!? そうなんですね! 良かったぁ。セシルさんも初めてなんですね。なんか親近感湧いちゃいますね」
「でもセシルはもともとプレイが凄かったから。ティファも色々頑張ってくれると嬉しいな」

 プレイヤースキルが大きく物を言うこのゲームで、セシルはレベルよりも強い相手を倒してきた実績がある。
 魔法の回復職であるティファは、演算などを速く行う必要も、後衛としての立ち回りを覚える必要もあるだろう。

 レベル上げ以外にも、色々とやることがあると分かり、私は思考を頭の中に巡らせた。
 攻城戦の日は時が経てば訪れる。

 その間にできる限りのことをして、できればティファにもティファなりに攻城戦を楽しんでもらいたかった。
 そんなことを思いながら私は未だに狩りを続ける二人に声をかけた。

「そろそろレベルが上がりにくくなってきたから、次の方法でレベル上げをしようか」

☆☆☆


いつもお読みいただきありがとうございます。
更新がしばらく遅れていましたが、今日からはできるだけ毎日更新する予定です。
よろしくお願いします。

ところで、9月1日から始まるファンタジー小説大賞に今作も応募しています。
読者投票というものがありますので、よろしければ投票いただけれるととてもありがたいです。
どうかよろしくお願いします。

もう一つ、宣伝ですが、
新作異世界恋愛を書き始めました。
『戦場に咲くリラの花~偽聖女だと追放された私は、戦地で真の聖女だと呼ばれる~』
芯の強い女性主人公が戦場で傷付いた人たちを癒していく物語です。
よろしければ合わせてお読みいただけると嬉しいです。
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