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第72話【魔神敗れる】
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てっきり短期決戦を狙って私への総攻撃だと思っていたものは、別の人物に向けられていた。
「そんな……魔神化したハドラーを狙うなんて……」
私が目を開けた後も、途切れることなくハドラーへの総攻撃は続いていた。
魔神化により増大したHPもみるみるうちに削れていく。
「なんで!? なんで回復魔法が効かないの!?」
声のする方に目を向ければ、ティファが必死で減ったHPを回復しようと、回復魔法をハドラーに向け放っていた。
「ティファ! ダメなの。魔神化状態のキャラクターはHPを回復することが出来ない仕様なのよ」
「そんな! あんな攻撃くらい続けたら……ああ!」
ティファの叫び声に、再びハドラーに目を向ける。
残りHPは残り僅かになってしまっていた。
ハドラーも回避を諦め、少しでも相手にダメージを与えようと攻撃魔法を放つ。
アーサー自体への攻撃も諦めたのか、狙う相手は目に付いた相手にしているようだ。
ハドラー自身もこの姿で居られる時間もそう長くないと分かっているのだろう。
とにかく一人でも道連れにと思っているに違いない。
魔神化したキャラクターに回復魔法が効かないのは、私がアーサーに【神への反逆】の説明をした後に分かったことだ。
恐らく、回復出来ないということは知らずに行った作戦なのだろう。
いくらそれなりの期間が過ぎたとはいえ、魔神ディアボロスは新コンテンツのボスとしてその強さは折り紙付きだ。
アーサーは私の【薬師】が持つパッシブスキル【薬の知識】の効果も知ってるはずなのに。
ただでさえ強い魔神の二倍の強さを持つハドラーを、倒すという考えが出てくるとは思いもよらなかった。
もし私が相手の立場なら、時間切れまで拠点に逃げ込むという作戦を取っていたかもしれない。
魔神化したキャラクターが拠点に入れないということは、アーサーには伏せておいたから、気付かなかっただけなのかもしれないけれど。
それでも、私から聞いたはずの内容をもって、倒しに来るとは。
いや……彼ら、最強のクラン【理想郷】のメンバーにとっては当然の作戦なのかもしれない。
私たちがアーサーの【パリィ】の腕や、攻撃魔法に対する守備力の高さを知っていることは想定済みだろう。
その上で、魔神化を使うなら、ハドラーのようなキャラクターを魔神化させることは想定内といえる。
ハドラーは攻撃力は高いものの、装甲は紙だ。
魔法職というのはどれもそういうもので、更には攻撃の回避能力も高い者など少ない。
ましてや巨大化し、的が大きくなっているとも言える。
パーティは五人が最大だけれど、攻城戦は最大五十人が参加出来る。
魔神ディアボロスを五人で倒せるようなプレイヤーがその十倍居るのだ。
いくら二倍の強さを持つハドラーでも、全集中攻撃を受ければひとたまりもないだろう。
そう考えれば、アーサーたちの行動は理にかなっていると言える。
「私たちが相手にしているクランの強さを、まだ過小評価してたみたいね……」
「え……? サラさんなんか言いました? それよりも! ハドラーさんのHPが!!」
すでにこちらも相手の意図を理解し、ハドラーに攻撃を続ける相手に対して攻撃を繰り広げている。
ハドラーもアーサーを狙わずに近くの相手を攻撃したおかげで、何人かは倒していた。
ポイントでいえば私たちが今のところ勝っている。
それでも、魔神化したハドラーを時間でいえば一分にも満たない時間で無力化されるとは思ってもみなかった。
「さーて。デカイのは居なくなったな。多少殺られたか? まぁいい。さっさと取り返すぞ!!」
そう叫びながら手に持つ巨大な斧を振り回す。
どうやら見た目通りのパワータイプのようで、その攻撃を受けたメンバーのHPは大きく減らされる。
「もう! ゴードンは馬鹿みたいに突っ込まないでください。回復するこっちの身にもなってくださいよね」
そう言いながらニスが即座にゴードンが受けたダメージを回復させているようだ。
相手側のHPはこちらからは確認できないが、カインの話だと、相手のサブマスターの一人であるニスは、驚異的な回復力でクランメンバーの守りの要の一つだとか。
「あれがニスね。回復量は膨大。そして彼女自身のHPも防御力も甚大。まさに神装甲ってカインが言ってるくらいだから、あの人を先に倒すのは無理がありそうね」
「うー。嫉妬しちゃいます」
同じ回復職のティファがそんな言葉を漏らす。
確かに硬く回復量の大きい回復職は誰もが目指すところだろう。
「ほらほら。狙いやすい的はなくなっちゃけど、どんどん行くよ!!」
ケーシーが魔力のこもった矢を頭上から降らせる。
カインの話によれば、攻撃力もさることながら、状態異常も併せ持ついやらしい攻撃が多いのだとか。
その攻撃を受けたメンバーたちは、高い確率で状態異常になっていく。
ティファやレクターたちが解除魔法を唱え回復させていくが、その分ダメージの回復が遅れていく。
「強い……これが【理想郷】!!」
誰かが思わず漏らした言葉が私の耳に響いた。
「そんな……魔神化したハドラーを狙うなんて……」
私が目を開けた後も、途切れることなくハドラーへの総攻撃は続いていた。
魔神化により増大したHPもみるみるうちに削れていく。
「なんで!? なんで回復魔法が効かないの!?」
声のする方に目を向ければ、ティファが必死で減ったHPを回復しようと、回復魔法をハドラーに向け放っていた。
「ティファ! ダメなの。魔神化状態のキャラクターはHPを回復することが出来ない仕様なのよ」
「そんな! あんな攻撃くらい続けたら……ああ!」
ティファの叫び声に、再びハドラーに目を向ける。
残りHPは残り僅かになってしまっていた。
ハドラーも回避を諦め、少しでも相手にダメージを与えようと攻撃魔法を放つ。
アーサー自体への攻撃も諦めたのか、狙う相手は目に付いた相手にしているようだ。
ハドラー自身もこの姿で居られる時間もそう長くないと分かっているのだろう。
とにかく一人でも道連れにと思っているに違いない。
魔神化したキャラクターに回復魔法が効かないのは、私がアーサーに【神への反逆】の説明をした後に分かったことだ。
恐らく、回復出来ないということは知らずに行った作戦なのだろう。
いくらそれなりの期間が過ぎたとはいえ、魔神ディアボロスは新コンテンツのボスとしてその強さは折り紙付きだ。
アーサーは私の【薬師】が持つパッシブスキル【薬の知識】の効果も知ってるはずなのに。
ただでさえ強い魔神の二倍の強さを持つハドラーを、倒すという考えが出てくるとは思いもよらなかった。
もし私が相手の立場なら、時間切れまで拠点に逃げ込むという作戦を取っていたかもしれない。
魔神化したキャラクターが拠点に入れないということは、アーサーには伏せておいたから、気付かなかっただけなのかもしれないけれど。
それでも、私から聞いたはずの内容をもって、倒しに来るとは。
いや……彼ら、最強のクラン【理想郷】のメンバーにとっては当然の作戦なのかもしれない。
私たちがアーサーの【パリィ】の腕や、攻撃魔法に対する守備力の高さを知っていることは想定済みだろう。
その上で、魔神化を使うなら、ハドラーのようなキャラクターを魔神化させることは想定内といえる。
ハドラーは攻撃力は高いものの、装甲は紙だ。
魔法職というのはどれもそういうもので、更には攻撃の回避能力も高い者など少ない。
ましてや巨大化し、的が大きくなっているとも言える。
パーティは五人が最大だけれど、攻城戦は最大五十人が参加出来る。
魔神ディアボロスを五人で倒せるようなプレイヤーがその十倍居るのだ。
いくら二倍の強さを持つハドラーでも、全集中攻撃を受ければひとたまりもないだろう。
そう考えれば、アーサーたちの行動は理にかなっていると言える。
「私たちが相手にしているクランの強さを、まだ過小評価してたみたいね……」
「え……? サラさんなんか言いました? それよりも! ハドラーさんのHPが!!」
すでにこちらも相手の意図を理解し、ハドラーに攻撃を続ける相手に対して攻撃を繰り広げている。
ハドラーもアーサーを狙わずに近くの相手を攻撃したおかげで、何人かは倒していた。
ポイントでいえば私たちが今のところ勝っている。
それでも、魔神化したハドラーを時間でいえば一分にも満たない時間で無力化されるとは思ってもみなかった。
「さーて。デカイのは居なくなったな。多少殺られたか? まぁいい。さっさと取り返すぞ!!」
そう叫びながら手に持つ巨大な斧を振り回す。
どうやら見た目通りのパワータイプのようで、その攻撃を受けたメンバーのHPは大きく減らされる。
「もう! ゴードンは馬鹿みたいに突っ込まないでください。回復するこっちの身にもなってくださいよね」
そう言いながらニスが即座にゴードンが受けたダメージを回復させているようだ。
相手側のHPはこちらからは確認できないが、カインの話だと、相手のサブマスターの一人であるニスは、驚異的な回復力でクランメンバーの守りの要の一つだとか。
「あれがニスね。回復量は膨大。そして彼女自身のHPも防御力も甚大。まさに神装甲ってカインが言ってるくらいだから、あの人を先に倒すのは無理がありそうね」
「うー。嫉妬しちゃいます」
同じ回復職のティファがそんな言葉を漏らす。
確かに硬く回復量の大きい回復職は誰もが目指すところだろう。
「ほらほら。狙いやすい的はなくなっちゃけど、どんどん行くよ!!」
ケーシーが魔力のこもった矢を頭上から降らせる。
カインの話によれば、攻撃力もさることながら、状態異常も併せ持ついやらしい攻撃が多いのだとか。
その攻撃を受けたメンバーたちは、高い確率で状態異常になっていく。
ティファやレクターたちが解除魔法を唱え回復させていくが、その分ダメージの回復が遅れていく。
「強い……これが【理想郷】!!」
誰かが思わず漏らした言葉が私の耳に響いた。
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