赤い口紅トリック

サッキー(メガネ)

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疑惑

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?「皆さんどうも。私大河原(おおかわら)と言います。」

?「同じく鈴木です。」

僕たちは今、パーティ会場で大河原警部、部下の鈴木さんから事情聴取を受けていた。 

周りには喜多原将さん洋子さん兄弟、専務の清水岳彦さんはもちろん、数人のパーティ参加者がいた。

大「ええ~喜多原要蔵さんの死因は殴られたことによる出血性ショック死。現場にはブロンズ像が置いてあり、それで後ろから殴打されたものと思われます。」

鈴木さんの手には血の付いたブロンズ像が袋に入れられた状態で持たれていた。

大「志望推定時刻は夜20時~21時の間と見られています。ホテルの方の話によりますと、喜多原会長の要望によりホテルに設置されている防犯カメラは全て切られた状態でした。皆さんには、その時間どこで何をしていたかお聞きしています。」

洋「わ、私は酔いを覚ますために外で風に当たってたわ。」

如「俺は彼女に連れられてました。」

白「(如月君も大変でしたね。)僕はここにいる黒咲さんを探してホテル内を回っていました。」

黒「私はお酒を飲みすぎてしまって…。部屋に戻ろうとしたら意識が朦朧としちゃって、それからのことはよく覚えていません。気付いたら先輩に介抱されてました。」

大「なるほど、なるほど…。」

大河原警部は話を聞きながら観察し、鈴木さんは供述をメモしていた。

清「私はタバコを吸うために自分の車にいました。」

大「タバコを吸うためにわざわざ車に行ったんですか?」

清「ここには換気扇がないからね。臭いがスーツに付いてしまうと周りに迷惑がかかるから、仕方なく車で吸ってるんだ。」

大「ほう…。」

鈴「喜多原将さん、貴方はどうですか?」

将「僕はその時間帯なら…黒咲さんと一緒にいました。」

黒「え?」

白「はい?」

黒咲さんと将さんが一緒に?

一体どういうことだろうか。




将「部屋に戻ったあと、会場に携帯を落としたことに気づきましてね。それで会場に向かってる最中に、彼女が廊下で気持ち悪そうに壁に寄りかかってたんですよ。」

大「ほう。それで?」

将「それで『大丈夫?』って声をかけたら、彼女がいきなり僕に抱きついてきたんです。」

如「は!?」

白「…。」
 
黒「そ、そんな!?私そんなことしてません!」

将「覚えていないのは無理ないよ。君相当拠ってたからね。でもほら、ここに君の口紅がちゃんと付いてる。抱きつかないとこんな綺麗な跡つかないだろ?」

将さんのシャツにはしっかりと口紅の跡がついていた。

大「…その後は?」

将「彼女の部屋が分からなかったので、仕方なく僕の部屋に。そしたらもっと強く抱きしめられて、ベットに倒されたんです。そんな誘われたら断れないでしょ?それでそのまま。」

黒「嘘…。」

僕の前にいるので黒咲さんの顔は見えないが、きっと困惑していることだろう。

周りはざわついている。

洋「やっぱりね。」

後ろから洋子さんの声が聞こえた。

洋「可笑しいと思ってたのよ。あんな若い子がこんな大金持ちのいるパーティーに呼ばれるなんて。きっと父に色仕掛けでもして頼んだのよ。父ああいう若い子が好きだから。」

洋子さんは知り合いの女性らしき人に小声でそう話していた。


黒咲さんはきっと彼女のことを信頼していたはずだ。

だからこそ好きな人がいると打ち明けたのだから。
 
しかし、彼女にとって黒咲さんは、ただの話題作りのための道具でしかなかったようだ。

洋子さんの声が聞こえていたのか、周りはさらに騒がしくなった。

あちこちから陰口のようなものが聞こえる。

きっと黒咲さんにも聞こえているはずだ。

すると、黒咲さんは僕のほうを振り向いた。

その目にはは今にも泣き出しそうなほど涙が溜まっていた。

僕は今どんな表情をしているのだろうか?

黒咲さんは僕を見ると涙を流しながら会場から出ていってしまった。
 
如「おい黒咲!」

洋「ほら。やましいことが無ければ逃げるわけないもの。」

周りからも罵詈雑言が聞こえてくる。

如「てめぇら、好き勝手言いやがって…。」

僕は今にも殴りかかりそうな勢いな如月君の服を思いきり掴んだ。

如「…圭吾。」

白「如月君、怒るのは後です。今は黒咲さんを探しましょう。」

如「…分かった。」


僕たちは黒咲さんを探すべく、会場を出た。




僕は黒咲さんを探して歩き回った。

白「…いた。」

3分もしないうちに彼女を見つけ出すことができた。

彼女は泣いているように見えた。

白「…そんなところにいたら風邪ひきますよ。」

黒「…先輩。」

振り返った彼女は涙を流し、目は真っ赤になっていた。

黒「先輩、信じてください。私本当に…。」

白「分かってますよ。最初から一ミリも疑っていません。だから心配しないでください。」

僕はそう言って彼女にハンカチを手渡した。

黒「先輩…。」

白「さっさと事件を解決しましょう。そうすれば貴方への変な疑惑も晴れるはずです。」

黒「でもどうやって…。」

白「黒咲さん、ひとつ教えていただきたいんですが。」

黒「?」

白「喜多原将さんに変なアプローチや告白とかされたことありますか?」

黒「えっ!?」

白「いえ、将さんは結構なプレイボーイだと聞いたので、黒咲さんにもなんか言ってきたのではないかと。…正直に答えていただけるとありがたいです。」

黒「…社長さんの誕生日パーティーに呼ばれたときに、皆の前で告白されました。」

白「…マジですか。(なんて度胸してんだあの人。)」

黒「あ、もちろん断りましたよ。私はあの…。」

黒咲さんは顔を赤くしながらこちらをチラチラと見ている。

僕はひとつ咳払いをした。

白「これで動機は分かりました。後は…。」

如「お~い!圭吾~!」

考え事をしていると、如月君が走ってこちらにやって来た。

如「おお。黒咲見つかったんだな。」

黒「如月先輩、すみませんご心配をお掛けして。もう大丈夫です。」

如「そうか。」

白「…如月君。」

如「ああ?」

白「ネクタイにミートソースみたいなのが付いてますよ。」

如「あ?…ホントだ。さっき見たときは付いてなかったのに。」

白「多分、時間が経って色が変わったんでは…ない…で…しょうか。」

僕の中で何かが開く音がした。

白「…そうか。そういうことか。」

如「圭吾?」

黒「先輩、どうかしたんですか?」


白「事件の全てが見えました。」

如「はっ!?」

黒「え!」

白「会場に戻りましょう。」

僕はそう言って黒咲さんの手を取って歩き出した。

黒「ちょっ、先輩!?」

如「あ~あ。あいつ絶対無意識に握ってるな。」

さぁ、さっさと事件解決です。
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