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変わった友人
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次の日、絵津子はある人物の元を訪れていた。
ピンポーン。
インターホンを押すと、しばらくしてドアが開いた。
「…久しぶり、奏多君。」
「お久しぶりです。水沢さん。」
絵津子の目の前にいる男性、名前は佐々木奏多(ささきかなた)。
絵津子と優太の小学校からの友人である。
彼はちょっと変わっている。
幽霊や超常現象が好きで、そういうものがあると信じている。
小さい頃、絵津子と優太はそういった話を良く聞かされた。
また、小さい頃から誰とでも敬語で話していた。
優太が紹介していなければ、絵津子は友達になっていなかっただろう。
絵津子が彼の元を訪れたのは、最近のことについてだ。
幽霊などは信じていないが、昨日の出来事、そして最近良く見る夢、それらの理由がただの偶然などとはどうしても思えなかった。
彼なら良い答えをくれるかもしれない。
そう思ったのだ。
絵津子は奏多に今までのことを話した。
「…なるほど。つまり絵津子さんは、今までのことは優太君のなんらかのメッセージなんじゃないかと。そう思っているんですね。」
「…うん。」
奏多は顎に手を当て考え出した。
「…やっぱり馬鹿げてるかな。」
「…そうは思わなかったから僕のところに来たんですよね。」
「…うん。」
「実は、そういった事例はいくつも存在しているんです。ただ…。」
「…ただ?」
「そういった場合、大概が死者からのメッセージなんです。」
「えっ!?」
「も、もちろん生霊、つまり生きた者の思念がそういった状況を作り出すことも少なくありません。だから、そんな悲しそうな顔をしないでください。優太君ならきっと笑って帰ってきますよ。」
奏多は絵津子を心配させないように必死に言葉をかけた。
その時。
プルルルル…。
絵津子の携帯が鳴った。
「誰だろ?、……!!」
絵津子は背中に汗をかくのを感じた。
携帯画面には『衣川優太』の名前があった。
「!!奏多君、これ…。」
絵津子は奏多に携帯を見せた。
奏多は驚いた表情を浮かべた。
絵津子は恐る恐る電話に出た。
「…もしもし?」
『えっちゃん。』
「優ちゃん!?優ちゃん今何処にいるの?」
『えっちゃん。』
「優ちゃん聞こえる?聞こえたら返事して!」
『待ってるよ。』
「えっ!?」
『えっちゃん、待ってるよ』
「どういうこと?ねぇ、今何処…。」
『待ってるよ』
電話はそこで切れた。
「優ちゃん?優ちゃん!」
絵津子は目に涙を浮かべていた。
「絵津子さん?」
「…切れちゃった。」
「優太君はなんと?」
「…『待ってる』って。」
「待ってる?」
「どう言うことなんだろう。」
「…やっぱり、優太君は絵津子さんに自分を見つけてほしいんだと思います。だから、夢に出てきたりしたんですよ。」
「でも、どこを探せば良いの?」
「それは…、残念ながら僕にも分かりません。」
奏多はそう言って下を向いた。
「…私、明日から優ちゃんを探そうと思う。」
「…心当たりのある場所があるんですか?」
「ううん。けど、元からそのつもりだったから。」
「…そうですか。だったら僕も手伝います。」
「…良いの?」
「はい。優太君も絵津子さんも、僕の大事な友達ですから。」
「…ありがとう。」
絵津子はそう言って奏多に笑いかけた。
「ただ、この事は他の人には言わない方がいいと思います。もちろん、優太君のお母さんにも。」
「どうして?」
「こんなこと信じてくれる人なんて滅多にいませんよ。大体はおかしいやつだと思われるか、心配されるか、怒られます。」
「……。」
「これは、2人だけの秘密にしましょう。」
「…うん。」
2人は決意を胸に秘めた。
ピンポーン。
インターホンを押すと、しばらくしてドアが開いた。
「…久しぶり、奏多君。」
「お久しぶりです。水沢さん。」
絵津子の目の前にいる男性、名前は佐々木奏多(ささきかなた)。
絵津子と優太の小学校からの友人である。
彼はちょっと変わっている。
幽霊や超常現象が好きで、そういうものがあると信じている。
小さい頃、絵津子と優太はそういった話を良く聞かされた。
また、小さい頃から誰とでも敬語で話していた。
優太が紹介していなければ、絵津子は友達になっていなかっただろう。
絵津子が彼の元を訪れたのは、最近のことについてだ。
幽霊などは信じていないが、昨日の出来事、そして最近良く見る夢、それらの理由がただの偶然などとはどうしても思えなかった。
彼なら良い答えをくれるかもしれない。
そう思ったのだ。
絵津子は奏多に今までのことを話した。
「…なるほど。つまり絵津子さんは、今までのことは優太君のなんらかのメッセージなんじゃないかと。そう思っているんですね。」
「…うん。」
奏多は顎に手を当て考え出した。
「…やっぱり馬鹿げてるかな。」
「…そうは思わなかったから僕のところに来たんですよね。」
「…うん。」
「実は、そういった事例はいくつも存在しているんです。ただ…。」
「…ただ?」
「そういった場合、大概が死者からのメッセージなんです。」
「えっ!?」
「も、もちろん生霊、つまり生きた者の思念がそういった状況を作り出すことも少なくありません。だから、そんな悲しそうな顔をしないでください。優太君ならきっと笑って帰ってきますよ。」
奏多は絵津子を心配させないように必死に言葉をかけた。
その時。
プルルルル…。
絵津子の携帯が鳴った。
「誰だろ?、……!!」
絵津子は背中に汗をかくのを感じた。
携帯画面には『衣川優太』の名前があった。
「!!奏多君、これ…。」
絵津子は奏多に携帯を見せた。
奏多は驚いた表情を浮かべた。
絵津子は恐る恐る電話に出た。
「…もしもし?」
『えっちゃん。』
「優ちゃん!?優ちゃん今何処にいるの?」
『えっちゃん。』
「優ちゃん聞こえる?聞こえたら返事して!」
『待ってるよ。』
「えっ!?」
『えっちゃん、待ってるよ』
「どういうこと?ねぇ、今何処…。」
『待ってるよ』
電話はそこで切れた。
「優ちゃん?優ちゃん!」
絵津子は目に涙を浮かべていた。
「絵津子さん?」
「…切れちゃった。」
「優太君はなんと?」
「…『待ってる』って。」
「待ってる?」
「どう言うことなんだろう。」
「…やっぱり、優太君は絵津子さんに自分を見つけてほしいんだと思います。だから、夢に出てきたりしたんですよ。」
「でも、どこを探せば良いの?」
「それは…、残念ながら僕にも分かりません。」
奏多はそう言って下を向いた。
「…私、明日から優ちゃんを探そうと思う。」
「…心当たりのある場所があるんですか?」
「ううん。けど、元からそのつもりだったから。」
「…そうですか。だったら僕も手伝います。」
「…良いの?」
「はい。優太君も絵津子さんも、僕の大事な友達ですから。」
「…ありがとう。」
絵津子はそう言って奏多に笑いかけた。
「ただ、この事は他の人には言わない方がいいと思います。もちろん、優太君のお母さんにも。」
「どうして?」
「こんなこと信じてくれる人なんて滅多にいませんよ。大体はおかしいやつだと思われるか、心配されるか、怒られます。」
「……。」
「これは、2人だけの秘密にしましょう。」
「…うん。」
2人は決意を胸に秘めた。
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