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完全に壊れたはずのタイムエイジマシン
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「そんなこと言われても、わしは物理学者だ。しかもタイムエイジマシンは絶望的に壊れてしまったと、この間お前さんに、明確に言ったぞ!」
さっそくぼくは、ださいケイタイ風無線機でいることを確認すると、茶トラ先生の家へと向かった。
茶トラ先生はそのとき、久しぶりに白衣姿で、たしか、放射性物質を使った実験をしていたのだけど、ぼくが来たと気付くと、あわててその放射性物質を分厚い鉛のケースの中に片付けた。
それで早速ぼくは、茶トラ先生にデビルのお母さんのことを話したのだ。
「物理学者はともかくさぁ、デビルのお母さんの容体が悪いらしいんだ。それにタイムエイジマシンは修理すればいいじゃん!」
「それは不可能なことだ。それもこの間わしは、明確に言ったぞ。おそらく運命を変える時に、大量のエネルギーがマシンに逆流し、そしてタイム回路が完全に破壊されてしまったんだ」
「じゃ、どうしても修理は無理なの?」
「無理だ!」
「どうしても?」
「絶対に無理だ!」
「絶対に?」
「そうだ!」
「分かったよ。じゃぁぼくが修理する!」
「何だって?」
それでぼくはタイムエイジマシンの裏側へ回り込み、しゃがんで機械の細かい所をしげしげと眺めてみた。
そしてしばらく眺めていると、一か所、なぜか焦げたような場所があった。
よく見ると、それはどう見ても「ヒューズ」という感じの部分だった。
しかもその部分に、黒く焦げたようなプラスチック製のふたがあり、それを取ると中から見事にヒューズが出てきた。
それでぼくはそのヒューズを取り出して、光りに透かして見ると、ばっちり切れていた。
それからぼくは、切れたヒューズを茶トラ先生にドヤ顔で見せた。
「ねえ、茶トラ先生、これ、ヒューズが切れているだけじゃないの?」
「何だって? ヒューズが切れるはずはないと、わしは安易に考えそこは確認せず、タイム回路を含む、それ以外の場所を必死で調べておったのだ」
「ヒューズ確認は、機械の修理の基本だよね」
それから茶トラ先生は「信じられん」という顔をして、実験室のどこかの引出から新品のヒューズを取り出して持ってきた。
「ねえ、それ何アンペアなの?」
「15アンペアだ」
「20アンペアにしようよ。きっと、容量が不足していたんだよ」
「お前さんはこの大物理学者をつかまえて、言いたいことを言うなあ」
「大物理学者はさておいて、ここは20アンペアだよ。簡単じゃん。15アンペアじゃ容量不足だったってことだろう?」
「わかったわかった。じゃ20アンペアだな。ええと、ええと20アンペア20アンペア…」
茶トラ先生はそうぶつぶつ言いながら、今度は20アンペアのヒューズを持ってきた。
それを受け取ると、早速ぼくは交換した。
それからタイムエイジマシンの電源を入れると、ウソのように復活した。
「絶望的に壊れただなんて言って、ヒューズも確認しなかったの?」
「こういうのを灯台下暗しというのだ」
「弘法筆の誤りともいうね」
「まあいい。ともあれこれで相談に乗れんこともない。デビル君を連れておいで」
さっそくぼくは、ださいケイタイ風無線機でいることを確認すると、茶トラ先生の家へと向かった。
茶トラ先生はそのとき、久しぶりに白衣姿で、たしか、放射性物質を使った実験をしていたのだけど、ぼくが来たと気付くと、あわててその放射性物質を分厚い鉛のケースの中に片付けた。
それで早速ぼくは、茶トラ先生にデビルのお母さんのことを話したのだ。
「物理学者はともかくさぁ、デビルのお母さんの容体が悪いらしいんだ。それにタイムエイジマシンは修理すればいいじゃん!」
「それは不可能なことだ。それもこの間わしは、明確に言ったぞ。おそらく運命を変える時に、大量のエネルギーがマシンに逆流し、そしてタイム回路が完全に破壊されてしまったんだ」
「じゃ、どうしても修理は無理なの?」
「無理だ!」
「どうしても?」
「絶対に無理だ!」
「絶対に?」
「そうだ!」
「分かったよ。じゃぁぼくが修理する!」
「何だって?」
それでぼくはタイムエイジマシンの裏側へ回り込み、しゃがんで機械の細かい所をしげしげと眺めてみた。
そしてしばらく眺めていると、一か所、なぜか焦げたような場所があった。
よく見ると、それはどう見ても「ヒューズ」という感じの部分だった。
しかもその部分に、黒く焦げたようなプラスチック製のふたがあり、それを取ると中から見事にヒューズが出てきた。
それでぼくはそのヒューズを取り出して、光りに透かして見ると、ばっちり切れていた。
それからぼくは、切れたヒューズを茶トラ先生にドヤ顔で見せた。
「ねえ、茶トラ先生、これ、ヒューズが切れているだけじゃないの?」
「何だって? ヒューズが切れるはずはないと、わしは安易に考えそこは確認せず、タイム回路を含む、それ以外の場所を必死で調べておったのだ」
「ヒューズ確認は、機械の修理の基本だよね」
それから茶トラ先生は「信じられん」という顔をして、実験室のどこかの引出から新品のヒューズを取り出して持ってきた。
「ねえ、それ何アンペアなの?」
「15アンペアだ」
「20アンペアにしようよ。きっと、容量が不足していたんだよ」
「お前さんはこの大物理学者をつかまえて、言いたいことを言うなあ」
「大物理学者はさておいて、ここは20アンペアだよ。簡単じゃん。15アンペアじゃ容量不足だったってことだろう?」
「わかったわかった。じゃ20アンペアだな。ええと、ええと20アンペア20アンペア…」
茶トラ先生はそうぶつぶつ言いながら、今度は20アンペアのヒューズを持ってきた。
それを受け取ると、早速ぼくは交換した。
それからタイムエイジマシンの電源を入れると、ウソのように復活した。
「絶望的に壊れただなんて言って、ヒューズも確認しなかったの?」
「こういうのを灯台下暗しというのだ」
「弘法筆の誤りともいうね」
「まあいい。ともあれこれで相談に乗れんこともない。デビル君を連れておいで」
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