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今でも苦手
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私の友達に、H君という男の子がいます。
帰り道の途中で、彼がぽつりと言いました。
「うわ、水たまりがある。」
その日は午前中に雨が降り、私たちが帰る時間にはすでにやんでいたのですが、地面には水たまりいくつか残っている状態でした。
「そうだね、靴が汚れちゃうから困るよね。」
彼の言葉に私はそう返しましたが、彼は小さく首を振りました。
「それもそうなんだけど、そうじゃないんだ。」
H君は、ある出来事を私に話してくれました。
※※※
子供の頃、サッカーが好きだったんだ。
その日も運動場で友達と一緒にやってたんだけど、途中でパスを取り損ねちゃってボールを取りに行く羽目になった。
ボールは思ったよりも遠くへ転がってて、運の悪いことに、大きな水たまりの真ん中にはまってたんだ。
うっかり水たまりに入って靴が濡れるのは嫌だったから、何か長い棒でもないかなって周りを見たんだけど何もなくてさ。
仕方ないから手をいっぱいに伸ばして、何とかボールを取ろうとした。
あと少しで届くって時に、ふと水たまりに映ってる自分の顔を見たんだ。
すると変なんだ、俺の顔が。
グニャグニャに歪んでて…それを見てると、自分はこんな顔だったろうかって妙な気持になってきて。
それでもっとよく見ようとしゃがんでを顔を近づけたら、その顔が二ヤ~って笑ったんだよ、俺の顔じゃない顔で。
そいつは真っ黒な目をしていて、大きく開けた口は真っ赤だった…。
もうボールどころじゃない、すぐ友達の所へ逃げ帰った。
そして自分が見た、おかしな水たまりのことを話したんだ。
俺ががあんまり騒ぐから、ボールは友達が代わりに取りに行ってくれることになった。
それで友達はボール片手に戻ってきたんだけど、戻ってくるなり俺にこう言ったんだ。
「水たまりなんて無かったぞ。」
それで気づいたんだ、最近雨なんて降ってなかったことに。
すると俺が見たのは、いったい何だったんだろうな?
だから、今でも水たまりが苦手なんだ…。
帰り道の途中で、彼がぽつりと言いました。
「うわ、水たまりがある。」
その日は午前中に雨が降り、私たちが帰る時間にはすでにやんでいたのですが、地面には水たまりいくつか残っている状態でした。
「そうだね、靴が汚れちゃうから困るよね。」
彼の言葉に私はそう返しましたが、彼は小さく首を振りました。
「それもそうなんだけど、そうじゃないんだ。」
H君は、ある出来事を私に話してくれました。
※※※
子供の頃、サッカーが好きだったんだ。
その日も運動場で友達と一緒にやってたんだけど、途中でパスを取り損ねちゃってボールを取りに行く羽目になった。
ボールは思ったよりも遠くへ転がってて、運の悪いことに、大きな水たまりの真ん中にはまってたんだ。
うっかり水たまりに入って靴が濡れるのは嫌だったから、何か長い棒でもないかなって周りを見たんだけど何もなくてさ。
仕方ないから手をいっぱいに伸ばして、何とかボールを取ろうとした。
あと少しで届くって時に、ふと水たまりに映ってる自分の顔を見たんだ。
すると変なんだ、俺の顔が。
グニャグニャに歪んでて…それを見てると、自分はこんな顔だったろうかって妙な気持になってきて。
それでもっとよく見ようとしゃがんでを顔を近づけたら、その顔が二ヤ~って笑ったんだよ、俺の顔じゃない顔で。
そいつは真っ黒な目をしていて、大きく開けた口は真っ赤だった…。
もうボールどころじゃない、すぐ友達の所へ逃げ帰った。
そして自分が見た、おかしな水たまりのことを話したんだ。
俺ががあんまり騒ぐから、ボールは友達が代わりに取りに行ってくれることになった。
それで友達はボール片手に戻ってきたんだけど、戻ってくるなり俺にこう言ったんだ。
「水たまりなんて無かったぞ。」
それで気づいたんだ、最近雨なんて降ってなかったことに。
すると俺が見たのは、いったい何だったんだろうな?
だから、今でも水たまりが苦手なんだ…。
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