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櫛(くし)
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Rさんが体験したお話です。
ある日Rさんは髪を梳くために、鏡台の上に置いてあった櫛を手にしました。
するとその櫛には、長い髪の毛がびっしりと絡みついていました。
お姉ちゃん、私の櫛を勝手に使ったな。
Rさんはとっさにそう思いました。
なぜなら自分はショートヘア―で、姉はロングヘア―だからです。
自分だけが使っていたら、こんな長い髪が櫛に残るわけがないのです。
そこでRさんは姉に、文句を言いました。
「使うのはいいんだけど、ついた髪の毛は取って捨てておいて。」
ところが姉は櫛なんて使っていない、そもそもあなたの部屋に入っていないと言うのです。
そして櫛を見てこう言いました。
「私の髪の毛は長いけど、茶色く染めている。でもこの髪の毛は真っ黒でしょ、別人のものだわ。」
確かに、見比べてみるとその違いは明らかです。
気味が悪くなったRさんはその櫛を鏡台の引き出しの中にしまっておくことにしました。
しかし、不思議なことにいつの間にか、鏡台の上にあの長く黒い髪が絡まった櫛が置かれているのです。
そういうことが何回もありました。
※※※
そして一か月ほどたったころ、Rさんは姉に自分の部屋に来るように言われました。
そしてお姉さんは、Rさんにこう言いまし。
「あの櫛はもう使ってはいけない。一刻も早くお寺に持っていこう。」
Rさんは、その理由を尋ねました。
「昨日の夜中、私があなたの部屋の前を通った時、あなたの部屋から妙な物音がしたの。カタンという音、ギシッという音。そしてスッ、スッという音。私は不思議に思い、部屋のドアを少し開けて、中の様子を覗いた。すると鏡台の前に髪の長い女の人が座っていて、櫛で髪を梳いていた。部屋の小さい電球の明かりを頼りに、真剣な顔で鏡に向かっていた。あの櫛についていたのは、あの女の人の髪の毛よ。」
そう言われたRさんは、さっそくその櫛をお寺に持っていきました。
しかし、なぜ自分の櫛だったのか分からない。
私が気に入られたのか、櫛が気に入られたのか、今でも謎のままだとRさんは言います。
ある日Rさんは髪を梳くために、鏡台の上に置いてあった櫛を手にしました。
するとその櫛には、長い髪の毛がびっしりと絡みついていました。
お姉ちゃん、私の櫛を勝手に使ったな。
Rさんはとっさにそう思いました。
なぜなら自分はショートヘア―で、姉はロングヘア―だからです。
自分だけが使っていたら、こんな長い髪が櫛に残るわけがないのです。
そこでRさんは姉に、文句を言いました。
「使うのはいいんだけど、ついた髪の毛は取って捨てておいて。」
ところが姉は櫛なんて使っていない、そもそもあなたの部屋に入っていないと言うのです。
そして櫛を見てこう言いました。
「私の髪の毛は長いけど、茶色く染めている。でもこの髪の毛は真っ黒でしょ、別人のものだわ。」
確かに、見比べてみるとその違いは明らかです。
気味が悪くなったRさんはその櫛を鏡台の引き出しの中にしまっておくことにしました。
しかし、不思議なことにいつの間にか、鏡台の上にあの長く黒い髪が絡まった櫛が置かれているのです。
そういうことが何回もありました。
※※※
そして一か月ほどたったころ、Rさんは姉に自分の部屋に来るように言われました。
そしてお姉さんは、Rさんにこう言いまし。
「あの櫛はもう使ってはいけない。一刻も早くお寺に持っていこう。」
Rさんは、その理由を尋ねました。
「昨日の夜中、私があなたの部屋の前を通った時、あなたの部屋から妙な物音がしたの。カタンという音、ギシッという音。そしてスッ、スッという音。私は不思議に思い、部屋のドアを少し開けて、中の様子を覗いた。すると鏡台の前に髪の長い女の人が座っていて、櫛で髪を梳いていた。部屋の小さい電球の明かりを頼りに、真剣な顔で鏡に向かっていた。あの櫛についていたのは、あの女の人の髪の毛よ。」
そう言われたRさんは、さっそくその櫛をお寺に持っていきました。
しかし、なぜ自分の櫛だったのか分からない。
私が気に入られたのか、櫛が気に入られたのか、今でも謎のままだとRさんは言います。
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