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妹の代わりに嫁がされるので逃げる事にします、そのせいで家が破産するそうですが知りません。
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「妹の代わりに、お前が嫁に行け。」
ある日私は、突然父からそう命じられた。
「一体、どなたの元へ?」
「相手は、私の知り合いの息子だ。彼もいい年齢だ、そろそろ身を固めなければならん。」
「…どうして、私なんです?」
「可愛いあの子を、そんな所へ嫁がせられる訳ないだろう。あの男には、お前で十分だ。」
父の知り合いの息子と言ったら…女好きでクズと有名なあの男。
そんなの、絶対に嫌よ─!
※※※
父も母も、昔から妹のことを可愛がってばかり。
私はいつも除け者にされ、その様子をポツンと1人見ていた。
妹には美味しい物を与え、新しいドレスを与え…何でも望みを叶えてあげる。
私はその真逆で、食べ残しやお古のドレスしか与えられなかった。
いくらあの子が可愛くて可憐な外見をしているからって、姉妹でここまで区別するなんて!
…こんなの虐めよ。
あの人たちの言いなりに、この家の犠牲になるのはもうたくさん。
私は、逃げる事にしますね─。
※※※
「あいつは、まだ見つからないのか!」
「申し訳ありません!使用人総出で探しておりますが、まだ…。」
「…このままでは、この家は終わりだ。」
「お言葉ですが、こうなったら妹君を…。」
「馬鹿を言え!あの子が可哀そうだろう!」
「お父様の言う通りよ、あんな男は姉が相手すればいいの!さっさと見つけ出しなさい!」
「とにかくこのままでは、この家は破産だ─。」
※※※
「お久しぶりです、お父様。」
「お前、今までどこに居た!半年も行方をくらませて…さぁ、早く彼の元へ行って詫びるぞ。今ならまだ許してもらえる。」
「それは無理です。だって私、もう結婚してますから。今日はその報告に来たのです。それと、この家との縁を切る為に。」
「お、お姉様、誰と結婚したのよ!」
「それは私だ。」
「あなたは、隣の領主のご子息様!どうして、我が娘と…?」
「彼女が、私の領地に逃げて来たのだ。彼女はこちらでも有名だ、高い学力を持ち将来を有望された女性だと。彼女はその学力を活かし、私の領地で仕事をしたいと言ったのだ。その向上心の高さに惹かれ、私は彼女を近くで支えたいと思った。」
「この家であなたたちに虐められ暮らす中で、私はいつかこの家を出ようと思っていました。その為には学力くらい身に着けていないと、生きていけませんから。あなたたちと関わるのは、今日これきりです。私は隣の領地で、この方と幸せに生きていきます。」
「そんな…娘を差し出す代わりに、あの男にこの家の借金を肩代わりしてもらったと言うのに。これでは、お金を返さないといけなくなる…そうなったらこの家は破産だ!」
「その借金も、妹にお金をつぎ込んだせいでしょう。だったら、妹に嫁がせればいいのです。」
「そんな…私は若くて美形の男がいいのに!」
※※※
結局妹は、あの男に嫁ぐ事になった。
でも幼い頃から染みついた贅沢癖は、簡単に治るものじゃない。
今でも実家の父と母に、お金を要求してるそうだ。
結局、妹とあの家が破産するのは時間の問題ね。
私には、もう関係のない話だけど。
そう、私は知りません。
私を虐げ除け者にしてきた家など、潰れてしまえばいいのです─。
ある日私は、突然父からそう命じられた。
「一体、どなたの元へ?」
「相手は、私の知り合いの息子だ。彼もいい年齢だ、そろそろ身を固めなければならん。」
「…どうして、私なんです?」
「可愛いあの子を、そんな所へ嫁がせられる訳ないだろう。あの男には、お前で十分だ。」
父の知り合いの息子と言ったら…女好きでクズと有名なあの男。
そんなの、絶対に嫌よ─!
※※※
父も母も、昔から妹のことを可愛がってばかり。
私はいつも除け者にされ、その様子をポツンと1人見ていた。
妹には美味しい物を与え、新しいドレスを与え…何でも望みを叶えてあげる。
私はその真逆で、食べ残しやお古のドレスしか与えられなかった。
いくらあの子が可愛くて可憐な外見をしているからって、姉妹でここまで区別するなんて!
…こんなの虐めよ。
あの人たちの言いなりに、この家の犠牲になるのはもうたくさん。
私は、逃げる事にしますね─。
※※※
「あいつは、まだ見つからないのか!」
「申し訳ありません!使用人総出で探しておりますが、まだ…。」
「…このままでは、この家は終わりだ。」
「お言葉ですが、こうなったら妹君を…。」
「馬鹿を言え!あの子が可哀そうだろう!」
「お父様の言う通りよ、あんな男は姉が相手すればいいの!さっさと見つけ出しなさい!」
「とにかくこのままでは、この家は破産だ─。」
※※※
「お久しぶりです、お父様。」
「お前、今までどこに居た!半年も行方をくらませて…さぁ、早く彼の元へ行って詫びるぞ。今ならまだ許してもらえる。」
「それは無理です。だって私、もう結婚してますから。今日はその報告に来たのです。それと、この家との縁を切る為に。」
「お、お姉様、誰と結婚したのよ!」
「それは私だ。」
「あなたは、隣の領主のご子息様!どうして、我が娘と…?」
「彼女が、私の領地に逃げて来たのだ。彼女はこちらでも有名だ、高い学力を持ち将来を有望された女性だと。彼女はその学力を活かし、私の領地で仕事をしたいと言ったのだ。その向上心の高さに惹かれ、私は彼女を近くで支えたいと思った。」
「この家であなたたちに虐められ暮らす中で、私はいつかこの家を出ようと思っていました。その為には学力くらい身に着けていないと、生きていけませんから。あなたたちと関わるのは、今日これきりです。私は隣の領地で、この方と幸せに生きていきます。」
「そんな…娘を差し出す代わりに、あの男にこの家の借金を肩代わりしてもらったと言うのに。これでは、お金を返さないといけなくなる…そうなったらこの家は破産だ!」
「その借金も、妹にお金をつぎ込んだせいでしょう。だったら、妹に嫁がせればいいのです。」
「そんな…私は若くて美形の男がいいのに!」
※※※
結局妹は、あの男に嫁ぐ事になった。
でも幼い頃から染みついた贅沢癖は、簡単に治るものじゃない。
今でも実家の父と母に、お金を要求してるそうだ。
結局、妹とあの家が破産するのは時間の問題ね。
私には、もう関係のない話だけど。
そう、私は知りません。
私を虐げ除け者にしてきた家など、潰れてしまえばいいのです─。
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