3 / 3
嫁いだ相手は暗殺対象、でも愛してくれるから殺せない!<後>
しおりを挟む
「後から調べて分かったんだ、奴らを倒したのは毒針のようなものだった。これは、暗殺者が用いる道具の1つだ。そして、去って行った女の子の言葉。育ちのいいお坊ちゃま…彼女はそう言ったけど、彼女自身だっていいドレスを着ていたんだ。僕は思った、あの子はどこかのご令嬢だけど、本当の娘ではないのかもしれない。暗殺、養女…それらを調べていく内に、ある家の存在に行き着いた。」
孤児を拾い、暗殺者として育てている貴族が居る。
その家は裏家業として、代々暗殺を習わしとしている。
「君もあの男に拾われた1人だったんだね、アイリス。君はあの時言ったよね、夢はお嫁さんになることだって。そして、暗殺者なんかになりたくないって。僕は、君の夢を叶えたいんだ。」
「王子…私、本当はずっと、あなたを殺したくないって思ってた。私のことをこんなに愛してくれる方、殺すなんてできないって。でも私が失敗したら、また次の刺客が送られるわ。父は言ってた…代わりの駒はいくらでも居るって。あの家がある限り、あなたは…!」
「大丈夫だよ。君の家に依頼をしたのは第二皇子…弟の側近でね。弟と言っても、彼は妾の子なんだ。昔から折り合いが悪くて…弟はいつも次期王の座を狙っていた。それで、僕が暗殺されてしまえば、その望みが叶うと思ったんだろう。でも、そんなことはお見通しだ。僕はあえて罠にかかったふりをして、君をここに向かい入れた。君さえ手に入ってしまえば、後はどうにでもできる。」
私さえ…?
どうにでもって、一体?
「第二王子とその側近、派閥の者達は、全て捕らえられた。第一皇子を暗殺しようとした罪でね。そしてその依頼を受け実行しようとした、君の父である男も捕らえられた。あの家に居た娘たちは、皆保護されたよ。いずれどこかの貴族や商家の養子として、迎え入れられる。もう二度と、暗殺業に手を染めなくていいんだ。もちろんアイリス、君もだよ。」
「王子…!ありがとうございます。私だけでなく、皆も助けて下さって。」
「アイリス…お願いだ。僕のこと、王子ではなく名前で呼んでくれないかい?愛する人に、僕の名を呼んでもらいたい。」
そうだ…私、この方のこと、一度も名前で呼んでない。
いつか命を奪わないといけない、そう思ってたから呼べずに居た。
でも、もういいんだ。
あなたを、名前で呼んでも。
「…ライト様。私の愛する方…どうか、ずっと私の傍に。」
彼は笑顔で頷き、私の唇にキスをした。
※※※
私は、あなたを暗殺する為にここに来た。
でも今は違う。
私はあなたを愛する為、そしてあなたに愛される為に、ここに居る。
あなたとの甘い新婚生活は、ようやく始まったばかりなのだ─。
孤児を拾い、暗殺者として育てている貴族が居る。
その家は裏家業として、代々暗殺を習わしとしている。
「君もあの男に拾われた1人だったんだね、アイリス。君はあの時言ったよね、夢はお嫁さんになることだって。そして、暗殺者なんかになりたくないって。僕は、君の夢を叶えたいんだ。」
「王子…私、本当はずっと、あなたを殺したくないって思ってた。私のことをこんなに愛してくれる方、殺すなんてできないって。でも私が失敗したら、また次の刺客が送られるわ。父は言ってた…代わりの駒はいくらでも居るって。あの家がある限り、あなたは…!」
「大丈夫だよ。君の家に依頼をしたのは第二皇子…弟の側近でね。弟と言っても、彼は妾の子なんだ。昔から折り合いが悪くて…弟はいつも次期王の座を狙っていた。それで、僕が暗殺されてしまえば、その望みが叶うと思ったんだろう。でも、そんなことはお見通しだ。僕はあえて罠にかかったふりをして、君をここに向かい入れた。君さえ手に入ってしまえば、後はどうにでもできる。」
私さえ…?
どうにでもって、一体?
「第二王子とその側近、派閥の者達は、全て捕らえられた。第一皇子を暗殺しようとした罪でね。そしてその依頼を受け実行しようとした、君の父である男も捕らえられた。あの家に居た娘たちは、皆保護されたよ。いずれどこかの貴族や商家の養子として、迎え入れられる。もう二度と、暗殺業に手を染めなくていいんだ。もちろんアイリス、君もだよ。」
「王子…!ありがとうございます。私だけでなく、皆も助けて下さって。」
「アイリス…お願いだ。僕のこと、王子ではなく名前で呼んでくれないかい?愛する人に、僕の名を呼んでもらいたい。」
そうだ…私、この方のこと、一度も名前で呼んでない。
いつか命を奪わないといけない、そう思ってたから呼べずに居た。
でも、もういいんだ。
あなたを、名前で呼んでも。
「…ライト様。私の愛する方…どうか、ずっと私の傍に。」
彼は笑顔で頷き、私の唇にキスをした。
※※※
私は、あなたを暗殺する為にここに来た。
でも今は違う。
私はあなたを愛する為、そしてあなたに愛される為に、ここに居る。
あなたとの甘い新婚生活は、ようやく始まったばかりなのだ─。
23
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
お前は要らない、ですか。そうですか、分かりました。では私は去りますね。あ、私、こう見えても人気があるので、次の相手もすぐに見つかりますよ。
四季
恋愛
お前は要らない、ですか。
そうですか、分かりました。
では私は去りますね。
【完結】公爵子息は私のことをずっと好いていたようです
果実果音
恋愛
私はしがない伯爵令嬢だけれど、両親同士が仲が良いということもあって、公爵子息であるラディネリアン・コールズ様と婚約関係にある。
幸い、小さい頃から話があったので、意地悪な元婚約者がいるわけでもなく、普通に婚約関係を続けている。それに、ラディネリアン様の両親はどちらも私を可愛がってくださっているし、幸せな方であると思う。
ただ、どうも好かれているということは無さそうだ。
月に数回ある顔合わせの時でさえ、仏頂面だ。
パーティではなんの関係もない令嬢にだって笑顔を作るのに.....。
これでは、結婚した後は別居かしら。
お父様とお母様はとても仲が良くて、憧れていた。もちろん、ラディネリアン様の両親も。
だから、ちょっと、別居になるのは悲しいかな。なんて、私のわがままかしらね。
巻き戻される運命 ~私は王太子妃になり誰かに突き落とされ死んだ、そうしたら何故か三歳の子どもに戻っていた~
アキナヌカ
恋愛
私(わたくし)レティ・アマンド・アルメニアはこの国の第一王子と結婚した、でも彼は私のことを愛さずに仕事だけを押しつけた。そうして私は形だけの王太子妃になり、やがて側室の誰かにバルコニーから突き落とされて死んだ。でも、気がついたら私は三歳の子どもに戻っていた。
手作りお菓子をゴミ箱に捨てられた私は、自棄を起こしてとんでもない相手と婚約したのですが、私も含めたみんな変になっていたようです
珠宮さくら
恋愛
アンゼリカ・クリットの生まれた国には、不思議な習慣があった。だから、アンゼリカは必死になって頑張って馴染もうとした。
でも、アンゼリカではそれが難しすぎた。それでも、頑張り続けた結果、みんなに喜ばれる才能を開花させたはずなのにどうにもおかしな方向に突き進むことになった。
加えて好きになった人が最低野郎だとわかり、自棄を起こして婚約した子息も最低だったりとアンゼリカの周りは、最悪が溢れていたようだ。
王子様への置き手紙
あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
愛しの第一王子殿下
みつまめ つぼみ
恋愛
公爵令嬢アリシアは15歳。三年前に魔王討伐に出かけたゴルテンファル王国の第一王子クラウス一行の帰りを待ちわびていた。
そして帰ってきたクラウス王子は、仲間の訃報を口にし、それと同時に同行していた聖女との婚姻を告げる。
クラウスとの婚約を破棄されたアリシアは、言い寄ってくる第二王子マティアスの手から逃れようと、国外脱出を図るのだった。
そんなアリシアを手助けするフードを目深に被った旅の戦士エドガー。彼とアリシアの逃避行が、今始まる。
今さら遅いと言われる側になったのは、あなたです
有賀冬馬
恋愛
夜会で婚約破棄された私は、すべてを失った――はずだった。
けれど、人生は思いもよらない方向へ転がる。
助けた騎士は、王の右腕。
見下されてきた私の中にある価値を、彼だけが見抜いた。
王城で評価され、居場所を得ていく私。
その頃、私を捨てた元婚約者は、転落の一途をたどる。
「間違いだった」と言われても、もう心は揺れない。
選ばれるのを待つ時代は、終わった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる