オルタナティブ・フロンティア

ゆいすな

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名古屋市解放戦線

第1話 作戦会議を始めましょう(前編)

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ー プロローグ ー

そこは真っ暗な空間だった、いや正確に言えば真っ暗ではないし空間かどうかすら怪しいのだが。そこは無だった、何もなくて何でもない、そんな場所だった。少なからずそこがどこかしらの場所であることは理解できたが、それはこちらに語りかけてくる声があったからだろう。
「あぁ、いえいえ、理解ってますよ。これは確かに私の仕事です。そう仕事、まあ私は言わば傍観者でもある訳ですし、それと同時に記録係でもある訳ですから。あぁ、別に記録係と言っても学級委員のそれなどではありませんよ。別にこのお話は学園ものではありませんから。世界の記録を取るのが、世界中の出来事を記録として撮るのが私の仕事、という意味での記録係です。あぁ、いけないいけない、あんまり余計なことは話すものじゃない。それではお話を始めましょう。とはいえ、今時の読者は飽きっぽいですからねぇ、語るとしたら一からではなく、あそこからで良いでしょう。それではご静聴あれ、愚かで卑劣で残忍で醜くて、だけれども美しい人間たちのお話を。」

そこは一体どんな場所だったのだろうか。強いて言えば天国といった感じなんだろうか、全てがあり、それ故に全てがない。そんな場所に1人、いや彼女が人かどうかは判断出来ないのでそう表現するべきではないだろうが、とある少女がいた。彼女はその場にいるだけで全てであり、そこにいることで総ているようであり、そこにいることが凡てだと思えた。
「やっぱり、あの子は捻くれとるというか、変わっとるというか、困ったもんやなぁ……。すまへんなぁ、聴き手様。まぁいづれうちもお話に参加したるで、それまであの子のお話に付き合ってあげてや。うちからのせめてもの贈り物として、お話への導入部分をプレゼントしようかのう。」
「いつのことだったか、こんな時代があったそうな。その時代は、世界は、能力を持つ者も、持たない者も、戦いを望む者も、望まない者も、生きることを願う者も、死にたいと願っている者にも、すべてを諦め自分の意思を棄てようとした者にさえも選択を、決断を迫ったそうじゃ。それ故にその時代はこう呼ばれるのじゃ、 オルタナティブ・フロンティア とのう。」

第1章 名古屋解放戦線

第1話 作戦会議を始めましょう

2080年10/18 Fri 名古屋市

10月にしては少し夏っぽい天気のその日、僕が待ち合わせをしていてのは小さな喫茶店だった。
「待ち合わせは11時だから……15分程早く着いちゃったか。」
腕時計で時間を確認しながら、店のドアを開けるとドアに付いてる鈴の涼しげな音が店内に響く。その音で誰か来たことに気づいて恐らく雑誌を読んでいたであろう待ち合わせ相手が顔を上げる。
「あ、先輩こっちです。」
と手招きしてくれるが、それを無視して迷うことなく後輩のいる席に向かう。そもそも今この喫茶店には僕たち2人と初老のマスターしかいないので迷うことはないのだが。僕が後輩の向かいの席に座ると、雑誌に再び目を向け始めた後輩が話しかけてくる。
「椎名先輩、待ち合わせ時間までまだ15分もあるというのに、随分早いお着きですね。家にいてもやることがないから、ここに来れば先に私が来てると踏んで早めに家を出た、というところでしょうか。」
「相変わらず凄い推理力だな。まぁ概ねその通りだよ。今日は後誰が来るんだ?2人でデートっていうわけじゃないだろう?あと人と話すときは相手の目を見て話せ。」
「そういう先輩だって私の目を見て話してないじゃないですか。それと、非常に残念なことに今日は先輩とデートじゃないです。まだ後4人来ます。」
「僕が目を見て話してないのはお前が目線を机の上の雑誌に向けているからだ。それと残念なら残念そうなトーンで話せよ、そんなに淡々と返されると少し悲しいぞ。で、その4人っていうのは、凛ちゃんと亜利沙さん、隊長とあと1人誰だ?」
「まぁそれは来てのお楽しみということで。ちなみにそのスペシャルゲストさんは栄の交通規制に引っかかって少し遅刻するそうです。」
「栄で交通規制って、明日の名古屋祭りの準備のだっけ?」
「そうですよ。あとの3人はもう少ししたらくると思います。」
さてと話が終わってしまった。もし後輩女子と2人の時に話が終わってしまい、相手の女子が雑誌を読みだすという気まずい空気をどうにか出来る人がいたら今この場に来て欲しいものだ。
2分間くらい気まずい空気が流れたところで、どうやら雑誌が読み終わったみたいだったので、こっちから話しかけてみることにした。
「なんか面白い記事あったか?」
3秒ほど、考えたあとで返事が返ってきた。
「ほとんどの記事がゴシップとかばっかりでアホくさいですね。面白いというか気になった記事は、藍澤叶さんの全国ツアー決定くらいでしょうか。」
藍澤叶……はて、どっかで聞いた名前だが、思い出せないし、まあ聞いてみれば良いだろうと思い軽く
「誰それ。」
と聞いてみると、まるで原始人でも見るような目つきで
「先輩ってテレビとかネットとか使わないんですか?」
と聞き返してきたので、
「だって大体が訓練とかで埋まってるし、家帰ってもあんまりそういうの使わないし。」
と返しておく。
「そうですか。藍澤叶さん、今をときめく日本の歌姫ですよ。テレビやネットでは大ブレイクしてるんですよ。彼女が出るってだけで歌番組は視聴数が激増して、ある番組では余りの人数にサーバーが落ちたほどなんですから。」
今時、サーバーが落ちるなんてことはよっぽどのことなので、凄い人気なんだろう。さてまた話が終わってしまうかと思ったところで、僕と後輩のケータイのメッセージに同時に着信がきた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
野々瀬:詩絵菜ちゃん、和真へ
今亜利沙ちゃん、隊長と合流したのでそっちに向かいます。
ただちょっと凄い人で抜けるのに時間がかかりそうなので、30分程遅れます。
亜利沙:おふたりさん、全力でそっち向かうから、待っててよね。
詩絵菜:了解です。
和真 :おっけー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「先輩、暇です。何かお話ししてください。」
「何か話してください、とか言われてもなあ。うーん、それじゃあこれからにあたって、今までの振り返りとかどうだ?」
何の気なしに提案したことだったが、予想以上に後輩はこの提案を気に入ったようだった。軽く頷きながら、
「良いですね。それじゃあ、私が先輩に歴史をお話ししてあげましょう。」
「偉そうだな、おい。まあとはいえ、僕よりお前の方が知識は豊富だからな、頼むよ。」
「それじゃあ、始めますね。1945年に日本が降伏したことにより第二次世界大戦は終戦を迎えました。その後、アメリカとソ連の対立である冷戦や宗教とか色々が原因で沢山の戦争や紛争が起きました。さて、そんな複雑で混乱した世界情勢の中ソ連が崩壊します。確かそれが1991年のことです。崩壊したソ連はロシアに名前を変えました。ここまではさすがに小学校で習って知ってますよね?」
バカにしているのだろうか? という心の声は心にしまっておいて、僕はおとなしく頷く。
「1995年が暮れようとしていた頃、新体制に変わって間もないロシアで起こったある事件が引き金となって、世界中に超能力者の存在が知られます。」
僕は少し久木田の言葉が引っかかったので、彼女に聞いてみることにした。
「ある事件、だなんてお前にしてはぼかした言い方をするじゃないか。」
「それはですね、先輩。その事件の内容は極秘扱いになっていて公開されてないんです。一種の噂ではありますが、ロシアの軍隊を一夜で壊滅させたとか、結構な規模の都市が消滅したとか。まぁどれも噂なので信憑性に欠けますが。何はともかく、世界は超能力という大きな爆弾を抱えることになりました。超能力者の軍事的価値は当時核兵器の数倍とか言われてたそうですよ。各国や各機関、大企業などはこぞって能力者を研究し、開発し、利用ようとしたそうです。形振り構わず、場合によっては違法な手段を用いて、能力者を収集していた事を責められるのが怖いからか、どこの国でもその辺の資料は極秘扱いの閲覧禁止なんですよねー。」
「それでその研究はどうなったんだ?」
「結果は言うまでもなく失敗です。だからこそ今のご時世に非能力者がいるわけですし。能力の開発が現状の科学で不可能に近いことは割と早い段階で分かったそうです。」
「それじゃあ、能力者の捕縛はすぐに終わったのか。」
僕がそう言うと久木田は心底バカにしたような顔で、
「何を言ってるんですか、先輩。能力を開発出来ないということは世界中にいる能力者の数には限りがあるということです。となると当然起こるのが、能力者狩りです。能力者を捕まえて、監禁して、自国の兵士となるよう洗脳する。今までは同盟を組んでいた国でも、互いに保有している能力者の数は分からない。そして、どんどん世界中が疑心暗鬼になっていく。その疑いが確信に変わり、戦争へ発展するのは時間の問題だったのでしょう。2017年5月のことです。太平洋の公海域で当時はすでに枯渇しかけていた石油が大量に発見されたことで、世界中で戦争の火ぶたが切られます。」
「おいおい、いくらなんでも高々油田程度で世界大戦にはならないだろう?」
「先輩はもう少し勉強してください。その油田を巡って最初に戦争の火種を切ったのは日米同盟と中露同盟ではあるとはいえ、どこの国も臨戦状態ではあったんです。そうして一旦付いた火は消すことなど出来ず世界中に広がっていきました。それが第三次大戦です。2034年に英国の首都・ロンドンで、欧州連合と日米同盟を戦勝国として、講和会議が開かれるまでの17年間戦争は続きました。とはいえ、兵器の遠隔操作などの最新技術が駆使されたため、戦死者は第二次世界大戦の約半分だったそうです。」
「それで、第三次世界大戦後の日本はどうなったんだ?」
「第三次世界大戦終戦後の日本は欧米諸国と一緒に能力者と非能力者を差別しない社会を目指した政策を進めていました。ですが、2045年頃にまず第一の転機が日本に訪れます。反能力者団体の運動の活発化です。まぁ能力者への反対運動は大戦中からあったみたいですけど、この頃はデモ行進だけでなく集団暴行に出る団体まであったのだとか。しかも暴行した側がことごとく返り討ちにあったそうで、それがさらに世論を反能力者に煽ったとかとか。他にも色々と噂は絶えません。例えば、この反能力者運動の活発化は親大陸派の組織が日本の国力を落とすために始めた、とか。」
「まあ歴史には都市伝説が付き物とは良く言うしな。」
「そうですね。ですが能力者も迫害されるがままに、というわけではありませんでした。これが第二の転機です。まぁそれが私たちの言うところの東京事変ってやつです。東京事変っていうのは、2050年にそれまで弾圧されていた能力者が反乱を起こしたっていう事件なのですが、この事件を機に日本は欧米とも、大陸とも違う独自の道を歩んでいくことになります。その最たる特徴が、高ランク能力者による各都道府県の実質的独裁と、最高ランク能力者で構成され、国家レベルの判断を下す中央能力者会議です。」
僕としては能力者のランク分けについて詳しく聞いてみたかったのだが、後輩とのおしゃべりの時間はドアの開閉音に阻まれてしまった。僕の席からは入り口が見えなかったが、向かい側に座っている後輩が手招きをしていることから考えて遅れてきた3人だろうと予測する。どうやらその予測は当たっていたようで、3人は僕達の席のところまで来て、
「遅れてすまない。2人とも待っててくれてありがとう。」
と凛が謝り、
「ふふふ、なんか積もる話でもあったんじゃないのかな?若いお二人には。もう、お姉さん嫉妬しちゃうぞ?」
と亜里沙さんが茶化し、
「さてそれでは始めるか。」
と隊長が特に遅れたことを気にすることもなく話を進めていくという三者三様だった。
「もうすぐ最後の1人が来るので少し待ってもらっても良いでしょうか?」
と久木田が作戦会議を始めようとする隊長達を止める。
「最後の1人って誰が来るんだ?」
と隊長が久木田に聞くが答えないので、僕からも
「そろそろ教えてくれても良いだろ。誰なんだ、スペシャルゲストっていうのは。」
と聞く。するとすごく嫌そうな顔をしながら、渋々といった感じで久木田が答える。
「私の……妹です。」
予想の斜め上どころではなかった。紹介することを躊躇っていたし、彼氏かなんかなのかと思ったらまさかの妹だったとは。ただどうやらその妹のことを知らないのは、この場に隊長と僕しかいないようで、
「やっとお披露目するんだ~。随分練習頑張ってたもんね。」
などと凛達は喜んでいる。その様子を見ながら、隊長と男2人でどんな子なのか悶々としていると、喫茶店に新しい客が入ってきた。その子は黒色の長髪を後ろで1つに結び、どこか幼げな顔をしていて、背中には大きな黒いリュックサックを背負っていた。その子ははなぜか僕たちの席の方に来てこう言った。
「ごめんね、少し遅くなっちゃった。詩絵菜お姉ちゃん。」
「詩絵菜お姉ちゃん?」
誰に話しかけてるのか一瞬分からず、掛けられた言葉をそのまま繰り返してしまったが、良く良く女の子を見ると、確かに久木田に似ていないわけではなかった。ただ久木田がしっかり者っぽい顔立ちをしているのと反対にその子は優しそうな顔をしていたが。どうやらこの子が妹なのだろう。
「外ではそう呼ぶなって言ってるでしょ?ほらみんなに自己紹介しなさい。」
少し厳しそうに言ってはいるものの、どこか少し恥ずかしそうにしながら久木田はそう言った。普段からそうやって少し恥じらっていれば普通に美少女なのに、などと考えていることはおくびにも出さないでいることとする。
「先輩?何か失礼なこと考えてません?というか考えてますよね?」
僕の後輩は実は能力者だったりするのだろうか?
「うん、詩絵菜お姉ちゃん」
呼ぶなと言われても詩絵菜お姉ちゃんと呼び続ける図太さは姉譲りなのだろうか…。
「えっと、私は久木田愛です。えっと、14歳です。アビリティは『座標狙撃ポイントシューター』です。あとは、、えっとえっと、いつも詩絵菜お姉ちゃんがお世話になってます。」
ぺこり、という擬音が似合いそうなお辞儀をして自己紹介を締めくくる。少し緊張してるのだろうか、そういうところがまた可愛かった。
「僕は椎名和真。よろしくね、えっと久木田……だと区別が付かないし、うーん…」
「椎名先輩、愛で良いですよ。いつも詩絵菜お姉ちゃんから椎名先輩の話は聞いてますよ。お姉ちゃん、家だと先輩の話ばっかりで。あ、えっと、よろしくお願いします。」
ふむ、一体僕の後輩は家で僕のことをどんな風に話しているのか気になったが、初対面の妹の反応を見る限り悪いように話しているわけではないのだろう。いずれ本人に聞いて見ることにでもして、
「それじゃあ、よろしくね、愛ちゃん。僕は16歳でノーランクね。」
一通り初対面の挨拶を済ませる。挨拶を済ませて満足していると右腕を隣から突かれた。右側を見てみると何故か頬を膨らませている久木田が、
「先輩、なんか姉妹で扱い違いすぎません?」
とクレームを付けてきたので、いつも通り軽くスルーして次の人に自己紹介をパスする。
「私は野々瀬凛だよ。愛ちゃんよろしくね。愛ちゃんの1つ上の15歳で、能力はないよ、って今更感満載だよね。」
「凛さん、これからもよろしくお願いしますね。」
凛は肩くらいまで伸びた黒髪になんというか子犬っぽい感じの雰囲気がする僕の後輩の1人だ。確か久木田と同い年だったと思うけど。その子犬っぽい感じとは違って中身は年下とは思えないほどしっかりしていて、両親がいなくて一人暮らしをしている僕の身の回りの事を手伝ってくれていたりする。実家が剣の道場らしく、剣の腕前も相当なものだし、後は料理が出来れば文句ないんだけどなあ、などと密かに思っていたりもする。僕の正面に座っている凛が挨拶し終わるとほぼ同時と言って良いレベルで、凛の右横から声が上がる。
「うちは須田亜利沙、愛ちゃんよろしくね。それにしても愛ちゃん可愛い、可愛すぎる。愛ちゃん誕生日は?好きな食べ物は?逆に苦手な物は?今好きな人とかいるの?それからそれから、、、」
「落ち着かんか、この変態百合亜利沙め。安心しろ、愛ちゃん。こいつは須田亜利沙、21歳だ。」
「年齢を強調しないでよね、年齢を!どうせお姉さんだけ20代ですよーだ。」
「見ての通り大人だが、中身は小学生並みなのであんまり気にするな。あと身の危険を感じたらとりあえず殴っとけば大丈夫だ。」
「見ての通りって、うちそんな老けとる?」
すがるような顔をして亜利沙が凛の腕にしがみつく。
「ええい、うっとおしい!お前は少しおとなしくしていろ!」
しょぼんとした顔で亜利沙が自分の席につき直す。僕の右斜め向かいに座っている亜利沙の自己紹介というか、なんというか、愛ちゃんドン引きしてるじゃないか。少し青みがかった長い銀髪に碧眼というまるで物語の中に出てくる外国人みたいな見た顔をしているが、れっきとした日本名だし、正直その辺の素性は秘密らしい。亜利沙は可愛い物が大好きで可愛いの前では暴走気味になるのは出会った頃からだが、それを凛が止めるのも出会った頃から変わらない光景だったりする。亜利沙さんの暴走を凛が抑えてくれている間に、僕が隊長に自己紹介を促す。
「えっと、久木田の妹だったか。俺は隊長だ。まぁみんなそう呼ぶから、お前も隊長って呼んでくれれば良いぞ。」
相変わらずというか、どしっと構えているあたりがみんなに慕われ、みんなが付いて行きたがる理由の1つなのだろう、などと思う。
「えっと、それでは隊長さん、よろしくお願いします。」
一通り自己紹介が終わったのを確認して、
「まあ、全員揃ったところだし、作戦会議始めよっか。」
僕のその言葉を合図に今までの緩い空気が一瞬で引き締まる。その辺はやっぱりみんな流石だと思う。ぼくの言葉の続きを引き取る形で、
「今回の戦いの目標は言うまでもなく愛知県代表のSランクを打倒し、愛知県を解放すること。そのためにはここにいる、椎名先輩、凛ちゃん、亜利沙さん、愛の力が絶対必要になるから、みんな私の話をよく聞いておいてね。」
久木田がこれでもかというくらいの笑顔でこれを言った時、正直僕はかなり安心した。さっきまで、心の中でわずかに引っかかっていた、自分が凛や亜利沙の足を引っ張らないだろうか、という疑問が、今の久木田の言葉を聞いて吹っ切れたからだ。なにせ、こいつがこういう顔をして何か言う時は大体間違っていないからだ。
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