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王女からの誘い
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泣きじゃくる彼女からいろいろと聞いた。
光の帝国の皇帝であるシルファ—ル殿下から書状をもらったこと。
そこには、
「このSNSを使うことをおすすめします……賢明なる王女殿下なら理由は明察していただけると信じています」
とだけ書かれていたという。同時に、僕が手にしたのと同じ婚活SNSが贈られてきたという。
彼女は憤っていた。なにも、そんなに回りくどい恫喝の仕方をしなくても、いいではないか、というのが彼女の言い分だ。そして、王宮の中には誰一人として、このぶしつけな要求を拒絶するように進言した者はいなかったという……。
「……しかもです。密偵によると……私の婚活SNSと対応するSNSが帝国国内でオークションにかけられている……というのです。ひどいです……。なにも……私の結婚をまるで商売道具にされているようで……。……シルファール殿下……最低です! どうせ帝国に降るのであれば、まだ皇帝の妾にする……とかのほうが私の尊厳が保たれると思いませんか?」
「で……なにかヤツには言ったのか?」
「はい……私のほうから殿下に結婚を申し出ました……すると……ホント最低!」
「……何を言われたの?」
「……私は誠に申し訳ないのですが王女殿下を女性として愛でることはできません。率直に言います。無理です……。という返答が来ました!」
「……そいつは……」
「信じられない! 公式の書状で、ですよ!」
……ひとしきり、彼女は皇帝について、怒りをぶつけたあと……。
「……アルさん……ってそのぉ……。アルさんは私のこと、どうなんです?」
「なんだよ?」
「……私をめしあがってくださらない……アルさんは嫌いです!」
「……ちがうって、リファイア王女さま。オレだって食べたいのはやまやまなんだけどさ……」
「王女ってつけないで! 呼び捨てで!」
「リファイア……男には……こういう時もあるんだ……」
……すまない……。ちょっと緊張してきた……。
「……ふーん。ねぇ? エリルさんとは……そのぉ……」
「いや、まあ、それなりに……まぁ……」
「こういうときはあった?」
「なかった……けど?」
彼女の顔が真っ赤になる……。怒っている……。
「ち、ちがう勘違いしないで! そういうことじゃなくて、そういう行為自体がなかったって言いたいんだ!」
「へー……。なんだ? アルさんも最低……な男じゃないですか?」
エリル相手にはいつもスタンバイで、君には初回からこういう男として無能状態で……ってそういことを言いたいわけじゃないんだ。
「ごめん……ごめんなさい。この埋め合わせは絶対にするから。いやしたいです……お願い赦して!」
「……ふふふ、はは……なにそれ? おかしーの。あーおかしい」
「ちょ、ちょっと……笑うなって……真剣なんだから!」
「良いですけど……お外だからやっぱり緊張しちゃいました?」
「……そ、それもあるかも……」
「男の人って……繊細……なんですね! じゃお家に帰ったら……大丈夫になるのかな?」
「……お願いします……」
オレとリファイアは、手を組んで……丘をくだり……婚活SNSが土間に仕掛けられているオレの家に向かった……。オレは期待で……正直……全身が熱くなっていた。
「ふふ……アルさん……。したいんだ……?」
僕の体の変化をみて、リファイア王女はとても上機嫌だった。婚約前にそういうことをしても……別にいいよな? この際。
そこで……おれたちはものすごく驚くことになる……。なぜなら……そこにはリファイアを侮辱した光の帝国の皇帝であるシルファール殿下が居たからだ。
シルファール殿下は救国の英雄といわれ、エリルが取材をして、詩の材料にした生きたレジェンドだ。
エリルがよく歌っていた……
蒼い長髪に黄金の瞳 その身はまるで少年のように小柄だが
巨人のように怪力で 繰り出す刀身は鞭のようにしなり
戦う姿はまるで剣の舞のように優雅……
少女たちの歓心を得るも 彼を射止めた乙女は一人もなし
ああ救国の英雄シルファール……
魔人に壊滅されし帝国の最後の皇位継承者の男子……
魔を払う光の帝国の公子……
……リファイアによれば、相当の極悪人のようだが……
……この詩を読んで気づく者は気づくはずだった……
帝国を襲った魔人の首領はサッキュバスと呼ばれる男の精を吸い死に至らしめる力を持っていたという情報と合わせれば……よくよく考えれば一つの結論に落ち着くはずだ……そう……シルファール殿下は……少なくとも普通の男子ではない……と。
……そう、皇帝はすでにおらず……光の帝国を治めるのは……きっと女帝だ。
光の帝国の皇帝であるシルファ—ル殿下から書状をもらったこと。
そこには、
「このSNSを使うことをおすすめします……賢明なる王女殿下なら理由は明察していただけると信じています」
とだけ書かれていたという。同時に、僕が手にしたのと同じ婚活SNSが贈られてきたという。
彼女は憤っていた。なにも、そんなに回りくどい恫喝の仕方をしなくても、いいではないか、というのが彼女の言い分だ。そして、王宮の中には誰一人として、このぶしつけな要求を拒絶するように進言した者はいなかったという……。
「……しかもです。密偵によると……私の婚活SNSと対応するSNSが帝国国内でオークションにかけられている……というのです。ひどいです……。なにも……私の結婚をまるで商売道具にされているようで……。……シルファール殿下……最低です! どうせ帝国に降るのであれば、まだ皇帝の妾にする……とかのほうが私の尊厳が保たれると思いませんか?」
「で……なにかヤツには言ったのか?」
「はい……私のほうから殿下に結婚を申し出ました……すると……ホント最低!」
「……何を言われたの?」
「……私は誠に申し訳ないのですが王女殿下を女性として愛でることはできません。率直に言います。無理です……。という返答が来ました!」
「……そいつは……」
「信じられない! 公式の書状で、ですよ!」
……ひとしきり、彼女は皇帝について、怒りをぶつけたあと……。
「……アルさん……ってそのぉ……。アルさんは私のこと、どうなんです?」
「なんだよ?」
「……私をめしあがってくださらない……アルさんは嫌いです!」
「……ちがうって、リファイア王女さま。オレだって食べたいのはやまやまなんだけどさ……」
「王女ってつけないで! 呼び捨てで!」
「リファイア……男には……こういう時もあるんだ……」
……すまない……。ちょっと緊張してきた……。
「……ふーん。ねぇ? エリルさんとは……そのぉ……」
「いや、まあ、それなりに……まぁ……」
「こういうときはあった?」
「なかった……けど?」
彼女の顔が真っ赤になる……。怒っている……。
「ち、ちがう勘違いしないで! そういうことじゃなくて、そういう行為自体がなかったって言いたいんだ!」
「へー……。なんだ? アルさんも最低……な男じゃないですか?」
エリル相手にはいつもスタンバイで、君には初回からこういう男として無能状態で……ってそういことを言いたいわけじゃないんだ。
「ごめん……ごめんなさい。この埋め合わせは絶対にするから。いやしたいです……お願い赦して!」
「……ふふふ、はは……なにそれ? おかしーの。あーおかしい」
「ちょ、ちょっと……笑うなって……真剣なんだから!」
「良いですけど……お外だからやっぱり緊張しちゃいました?」
「……そ、それもあるかも……」
「男の人って……繊細……なんですね! じゃお家に帰ったら……大丈夫になるのかな?」
「……お願いします……」
オレとリファイアは、手を組んで……丘をくだり……婚活SNSが土間に仕掛けられているオレの家に向かった……。オレは期待で……正直……全身が熱くなっていた。
「ふふ……アルさん……。したいんだ……?」
僕の体の変化をみて、リファイア王女はとても上機嫌だった。婚約前にそういうことをしても……別にいいよな? この際。
そこで……おれたちはものすごく驚くことになる……。なぜなら……そこにはリファイアを侮辱した光の帝国の皇帝であるシルファール殿下が居たからだ。
シルファール殿下は救国の英雄といわれ、エリルが取材をして、詩の材料にした生きたレジェンドだ。
エリルがよく歌っていた……
蒼い長髪に黄金の瞳 その身はまるで少年のように小柄だが
巨人のように怪力で 繰り出す刀身は鞭のようにしなり
戦う姿はまるで剣の舞のように優雅……
少女たちの歓心を得るも 彼を射止めた乙女は一人もなし
ああ救国の英雄シルファール……
魔人に壊滅されし帝国の最後の皇位継承者の男子……
魔を払う光の帝国の公子……
……リファイアによれば、相当の極悪人のようだが……
……この詩を読んで気づく者は気づくはずだった……
帝国を襲った魔人の首領はサッキュバスと呼ばれる男の精を吸い死に至らしめる力を持っていたという情報と合わせれば……よくよく考えれば一つの結論に落ち着くはずだ……そう……シルファール殿下は……少なくとも普通の男子ではない……と。
……そう、皇帝はすでにおらず……光の帝国を治めるのは……きっと女帝だ。
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