現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜

涼月 風

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第15話 定番の初心者スキル

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【ステータス・オープン】
______________________________

御門 賢一郎(15歳) 人間? 性別 男性
職業 高校生(1学年) 大賢者(仮)
Lv1
HP100
MP100

STR(力量)100
DEX(器用)100
VIT(防御)100
AGI(敏捷)100
INT(知力)100
MMD(精神) 10
LUK(運)  10
CHA(魅力) 68

オリジナルスキル
  ※大賢者(賢者の石 解放率0・8923%)
   【叡智システム】呼称 エイシス

所持スキル
 魔力操作 Lv1
 鑑定 Lv1(NEW)
 ストレージ (NEW)
 言語翻訳 (NEW)

________________________________

「本当だ。新しいスキルが増えている」

『あまりにも初歩の初歩なので、構築する術式を探すのに手間取りました』

軽くディスるよね。エイシスって……

「それより、試してみてもいい?」

『構いませんが、説明はしなくてよろしいのですか?』

「すみません。よろしくお願いします」

『まず、鑑定ですがレベル1ですと名称ですね。使う場合は使いたい対象に意識を向けるか【鑑定】と唱えるだけです』

お~~、この前買ったラノベに出てきたスキルと同じだ。

『次にストレージですが、レベル由来となります。レベルが上がればそれだけ収納できる物量が多くなります。現在、マスターのレベルは1なのでマスターが寝ている部屋8畳程の広さです。収納先は亜空間でこちらも意識するか【ストレージ・オープン】と唱えればその亜空間を呼び出せます。閉じる時は閉じたいと意識すればOKです。亜空間は時間の経過がありません。よってお湯はお湯のまま何日保存しても入れた時と同じ状態で取り出せます。ですが生命体は収納できません。もし、生命体を収納したければ、闇魔法を習得して影収納のスキルを得て下さい。影収納は時間停止ではありませんので、食べ物を入れっぱなしにすると腐ります。あ、それとストレージの中身の表示はどうしますか?ステータス表示のようにパネルに表示する方法と脳内に直接理解できるような方法と選択可能です。これは後で変更も可能ですので』

「最初はパネルに表示が良いな。その方がわかりやすそうだし」

『了解しました。調整しておきます。最後に言語翻訳ですが、これは他の世界に行った場合などの言語を理解するスキルです。召喚された異世界人などが保有しております』

「えっ、異世界召喚って本当にあるの?」

『ありますよ。ですがそれは神の管轄下にあり禁忌事項となっていますので詳細は教えできません』

「そうなんだ~~、へ~~。いつか行ってみたいかも」

『まあ、今のマスターでは魔獣に襲われて直ぐに死ぬと思いますので、お勧めは出来ませんけど、レベル上げをするにはこの世界より都合が良いのは事実です。せめて基本魔法を習得するまでは異世界行きは望み薄いでしょう。それに大賢者を保有するマスターなら命を狙われまくるでしょうし、神とか悪魔とかに毎日追い回されて生きることのなるでしょう』

「マジ、怖わっ。そんなの絶対に行きたくないよ。それに神様とか悪魔なんて絶対勝てないよね」

『ええ、今のマスターなら私もそう思います』

《煩いにゃー、静かにしろにゃー》

「えっ!?なんだ、今のは?エイシス?」

『違います。マスターの腹の上で寝ている猫ですね。早速、言語翻訳のスキルが試せましたね』

猫の言葉もわかるのか?
マジ、便利だな。

『マスターは勘違いしています。便利な機能は時には厄介ごとの火種になるという事を』

そうなのか?
まあ、巻き込まれなければOKだよね。

『説明は以上です。私はしばらく情報収集の作業に没頭しますので夕方トレーニングの時間になったらお呼びします』

そう言ってエイシスは、脳内会話を終了した。
情報収集してるんだ。
何の情報を得ているのやら……

とにかくこれらのスキルを練習して使いこなさないと。

僕は腹の上で寝ている猫のトラさんを起こして縁側に腰掛けた。
随分時間が経った感じがしたけど、まだ午後2時だ。
夕方まで時間はある。

「とにかく鑑定だな。【鑑定】」

猫のトラさんに向けて鑑定をかけた。
…………
トラさん
…………

えっ、これだけ!?
少し拍子抜けする。
でも、エイシスが言うにはレベルを上げれば詳細がわかるみたいだ。
使えばレベルが上がるのか?

それから僕は鑑定を使いまくった。
石とか板とか冷蔵庫とか、本当に名前しか表示されないが、面白くて何度も何度も使ってしまう。
途中で猫のトラさんが《よく寝たにゃー、ここのご飯はしけてるし違うとこ行ってご飯をもらうにゃー》とか言ってどこかに行ってしまった。

文句言う猫には餌をあげないぞ!

と、少し頭にきた。

気を取り直して鑑定を続ける。

木、土、テレビ、机、椅子、米、水………

家の物はほとんど鑑定し終わった頃、

《ポン、鑑定レベルが2になりました》

「おーー!やったぞーー!」

どれどれ、少しは詳しくなったかな?【鑑定】
…………
コップ
ガラスでできた器
…………

意味が表示されるようになった。
うん、辞書だな……

人物はどう表示されるんだ?
そう思った僕は鏡に映った自分を鑑定した。
…………

人の姿や物の形を写し見る道具
…………

ダメでした。
鏡の鑑定結果しか表示されない。
今度は自分の手に鑑定をかける。
…………

人体の左右の肩から出ている長い部分。
肩から指先までをいう
…………

ダメでした。
自分では、見た体の部位しか表示されない。

買い物ついでに外に出て鑑定してこようか。

そう思った時、エイシスから声がかかった。

『マスター、ランニングの時間です』

夢中になって気づかなかったけど時間になったらしい。
ランニング最中に試すか。

僕はさっさと着替えてランニングに出かけた。


◆◆◆


「ただいま~~。あ~~疲れた」
「お帰り、千穂。シャワー浴びちゃいなさい」
「うん、その前に喉乾いた。麦茶飲むね~~」

弓道場の改修工事が終わり、大会に向けて練習が始まった弓道部は、日曜日といえども休みはないし、明日からは、また朝練が始める。

「中学の時とは違って忙しそうね」
「また、1年生だしね。ママも弓道部だったからわかるでしょう。あの部って意外に気合入ってるし」
「うふふ、そうね。今となっては懐かしけどね」

夕食の準備をしている茜は、懐かしそうに娘の千穂を見ていた。

(私もこんな時期があったのね)

時が経てば、辛くて苦しかった部活も良い思い出となる。

「ママ~~カエルさんのテレビおわちゃっちゃ」

次女の香穂は夢中でテレビを見てたようだ。
お気に入りのテレビが終わるとぐずったりするのだが、今日は聞き分けが良い。

「香穂は今日はご機嫌ね。何か良いことあったの?」
「ケンちゃんが遊んでくれてたみたいよ。一緒に畑を耕したんだって」

「え~~、そうなんだ」

(ケン君と一緒に遊んだだと~~妹に負けた……)

「おにいたん、おじいさん」
「うむ!?何が言いたいの?」
「あたま、真っ白。おにいたん、おじいさん」
「あ……そうか」

千穂は香穂が何を言いたいかわかったようだ。
賢一郎の髪の毛が白髪の為、おじいさんみたいだと言いたいらしい。

「香穂、おじいちゃんじゃないよ。頭、白いけど」
「うん、おねえたんおなじ。だからおねえたんはおばあさん」
「えっ、私おばあさんなの?」
「うん、おにいたん、言ってた」

何を言ったの?ケン君は!!

怒った様子が顔に出てたのだろう。
ママがその事に気づいて説明してくれた。

「お姉ちゃんと同じ歳だからケンちゃんはおじいさんじゃないって言ったみたいよ。それを香穂がお姉ちゃんと同じ歳だからお姉ちゃんはおばあちゃんと勘違いしたみたい」

「あ、そういう事。香穂、わかったけどお姉ちゃんはおばあちゃんじゃないからね。わかった?」

「わかった」

素直な香穂は可愛い。
けど、きっと理解してないよね。
私は、おそらくもう何度かはお婆ちゃんじゃないと香穂に説明する事になるだろう。

お願いだから、家族以外の人の前では言わないでね。

「あ、世理愛ちゃんから連絡きてる。返信しなくっちゃ」

「あら、聞いた事ない子ね。新しいお友達?」
「うん、金曜日の日にお友達になったんだ。一緒にカラオケして楽しかったよ。それに世理愛ちゃん、歌とっても上手なんだよ。歌うのアニソンなんだけどプロ顔負けなんだよ。びっくりしちゃった」
「そうなの?もっと仲良くなれると良いわね」
「うん」

柚木家は、今日も賑やかに1日が過ぎていく。
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