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第1話 そんな話は、聞いてない
しおりを挟む朝、目を覚まして全てを思い出した。
俺は、平 優太 23歳。
介護施設で働いていた。
俺がいつも使っている駅に行く途中、開かずの踏み切りと言われる、なかなか通過できない踏み切りがある。
その踏み切り内でお婆さんが立ち往生していた。
遮断機は、もう、降りている。
俺は、迫り来る電車に構わず、お婆さんを抱えて電車の来ない線路に下ろす。すると、電車は、俺の背後を警笛を鳴らし通過していった。
でも、俺は、安心してしまったんだ。お婆さんが遮断機を潜り抜けるのをも届けたのだが、俺は、まだ、線路内だった。反対から来た電車に跳ねられてしまった。
情けない……
そして、あの女性に会った。
そこは、何もない白い世界だった。
そこにいた女性は、自分は女神だと言う。
そして、こう言ったんだ。
「貴方は善行をしてその命を無くしました。貴方の魂は、その褒美として別の世界に転生させます」
「転生ですか? 」
「そうです。でも、今、ちょうど良い赤ちゃんがいませんね~~」
「赤ちゃん!? 」
「う~~む。困ったわ。あっ、そうだ。貴方の魂は、今、その灯火が消えかかっている魂と交換します」
「俺は、死んだんですね。わかりました。どうにでもして下さい……」
「悲観される事はありませんよ。新しい世界で、生きられるのですから」
「そうなのですか? 」
「そうです。それと、そう、能力を貴方に与えます」
「能力ですか? 」
「新しい世界で困らないで生きていける神サービスです」
「はあ!? 」
「えっと、何が良いかな~~あ、これで良いわ。貴方、影薄いし、決まりね。貴方の魂は、今、消えゆく魂と入れ替わります。でも、ここで約束があります。それは、魂の入れ替わりがバレてしまう事の無いようにする事、貴方の能力を知られてはなりません。それから、貴方が転生者だと気づかれてもいけません。これ、約束だから、守れなければ、即、死、だからね。では、御機嫌よ~~う」
「あの~~ちょっと! 」
そして、俺は、目覚めた。
胸にナイフが刺さっている状態で……
でも、それは、昨夜のこと。
今は、傷も無いし、痛みも無い。
さてと、そろそろ、起きなくては……
えっと、俺は、アルマ=ブリガンテ、36歳……
えっ、俺、36歳なの~~なんで!?
そう言えば、魂と交換とか言ってた……
マジかよ~~いきなり、10歳以上も年上かよ~~
それに、何、この顔
俺は、鏡を見て驚愕した。
そこには、目が鋭く、細面な如何にも悪人と誰もが思う顔があったからだ。
俺の第2の人生は、この男に成り代わって生きてかなければならない。
「こんな話し、聞いてないよ~~」
終わった……転生一晩で俺の人生終了だ……
「俺、無理だよ~~」
アルマ=ブリガンテこと平 優太の人生は、始まったばかりだ。
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