悪徳男爵はままならない〜転生した気弱な青年はチートで悪を貫く〜

涼月 風

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第4話 俺は、人殺しらしい

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俺は、その麻袋を開けて言葉も出ない。

(マジ……この人、死んでるんだよね……)

後頭部に傷があり、乾いた血で髪の毛が固まっている。

「こんなところに隠してるって事は、まさか、こいつが殺したの? 」

(と、とにかく、ここを早く出ないと……)

この男の記憶は、頭にあるはずだが、ところどころ思い出せないところがある。この死体の件もその1つだ。

すると、また、ドアをノックする音がする。

(あ~~また、あの怖いせむし男が来たの~~もう、勘弁してよ~~)

俺は、隠し扉を閉めて、返事をする。

「何かようか? 」

「あの~~旦那様、商人のガルバが来ておりやすが、お約束とかで、下の応接室でお待ちになっておりやす」

「わかった。すぐ行く」

(誰? その商人のガルバって~~名前は記憶にあるけど~~)

一旦、逃げるのは、やめておこう、今、逃げたら死罪とかになるかも知れないし……

俺は、書斎を出て、階段を降り、応接室に行く。

(お~~場所とか覚えてるよ~~妙なところで感動できるもんだ)

俺が、部屋に入ると、

「これは、アルマ男爵様、ご機嫌麗しく、ご尊顔を拝見できて光栄です」

商人のガルバは、小太りの如何にもたぬき親父らしい風貌だった。

「お待たせしましたか~~」

「はい!? アルマ男爵様、どうかしましたか? 」

(痛っ、胸が~~そうだった、俺は、アルマだった……)

うっかり素の自分で話しかけてしまった。

「何でもない、用は何だったかな? 」

「実は、例の件でして……」

例の件って何だ!? 

「それがどうかしたか? 」

「えぇ、とっておきのが入りましたものですから」

何だろう? とっておきって……

「例のエルフですよ。希少種ですぜ、男爵様」

エルフ!?  人の名前か?

「わかった。そうしてくれ」

「では、今晩、お持ちします、で、報酬の件なのですが、300枚でどうですか?」

(報酬? 何のこと?)

意味が、わからず、考えていると眉間にシワがよってたらしい。

「ひっ!に、200でも、か、構いません」

(いきなり、100も下がったぞ……)

「だ、男爵様、150です。これ以上は、勘弁してくだせい」

「あぁ、わかった」

意味は、良くわからんが半値まで下がった。

「では、夕刻にでも、お届けに参ります。代金は、その時にでも、し、失礼します」

商人のガルバは、逃げるように帰って行った。

さて、あの死体どうしよう~~

腐ったら、凄い匂いするよね~~

今夜にも埋めてから、逃げたほうがいいか……

俺は、速攻で、書斎に帰り、引きこもりる。

そして、ここから、逃げ出す手段を考えていた。



 ☆


書斎で、よく考えてみると、こいつの記憶があるが、ところどころ抜けている。

例えば、さっきの商人ガルバ。

名前は、知っているが、見るのは、初めてだ。

それっと、どういう事だ?
 
それに執事のせむし男もそうだった。

こいつの前の人格は、完全の無くなっている。

という事は、知識はあっても、こいつが抱いた感情や印象などは、抜けていることになる。

だから、名前は、知ってても、その人物がどう言った人物か、こいつが抱く感情や、印象が介在する物事は、すっぽり抜けてしまったのかも知れない。

「でも、これって、マズイよね~~以前、どう接していたかわからないって事だもの……」

(とにかく、隠し扉の中の死体をどうにかしなければ……)

遺体の人物の名前は、記憶にない。

すると、初対面に近い関係で、こいつ、あの痛いの人物を殺したの~~?

(マジ、有り得ないんだけど……)

とにかく、死体は、埋めないと、腐敗したら臭うし……

今夜にも埋めに行こう。

見つかったら、追われる生活をする事になる。

逃亡生活は、きっと悲惨だ。

(逃げるのは、証拠を隠蔽してからでないと……)

俺は、昼間は、無難に過ごし、夜、死体を処理する事にした。


 
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