だいすきなひと

まろん

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余韻

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 また遊ぼうね!私は一言告げて、起きたばかりで車の運転席に座るふみふみの頭をわしゃわしゃして別れを告げた。

 その日一日はふみふみのこと以外は考えられなくなっていた。テストはなんとなくで解いて、ダメでも来年受ければいいやと思っていた。
 ふみふみとキスをしたなんて誰にも言えない。言いたくない。二人の秘密だ。

 それから私たちの間には何もなかったかのように時間は過ぎていった。

 またあおちゃんたちと飲みに行くことになった時、また私が運転しようか?と聞くと、ふみふみからはまた先輩に襲われちゃうと呟かれた。またなんて言われたら過去に何かあったのか?とあおちゃんに疑われてしまう。私はとっさにいつふみふみのこと襲ったんだよ。と強気で答えた。
全くふみふみが何を考えて言葉を発してるのかわからない。ヒヤヒヤしてしまう。

気づいたら夏休みになっていた。夏休みはサークル活動が何度かあった。その時にしか会えない。2.3週間ぶりに会えたので久しぶりだね!と声をかけると、は?別に久しぶりじゃないしと言われた。いつも通りだ。しかし他のマネには優しく接しているのを見ると心が痛い。
塩対応されるほど仲良くなったってことでもあるがやっぱり私も優しく接してほしい。内心かなり傷ついていた。表向きは笑って、なんでそんなこと言うの~とか言ったが心の中では泣いていた。
 
久しぶりに会えたのに、明日からしばらく実家に帰るから会えないと言われた。私にとってダブルパンチだった。
辛かった。なぜなら私は翌月に実習の予定が入っていた。そのため1ヶ月半ふみふみと会えないことになってしまうのだ。
でも今はLINEという便利な連絡手段がある。いつでも連絡を取ることができると前向きに考えることにした。

実習目前に一度電話をかけた。その時もあおちゃんと一緒にいた。本当に仲良しのようだ。テレビ電話を2時間半くらいした。だいぶ元気をもらうことができた。

実習を終えて学校に戻ってくるとすぐ秋の大会が待っていた。
春の大会から絶好調の私たちのチームは秋も負けなしの結果を出した。歴代最強と言えるレベルだ。りょうくんもふみふみも大活躍で幸せで溢れる秋大会だった。
遠征期間中はみんなとご飯を食べるのが習慣だ。私は女子マネの子たちと一緒に座りご飯を食べていたのだが、飲み物を取りに行くときにふみふみに呼び止められた。先輩ここ空いてますよ!と言われたので座ろうとしたら、別に座れなんて言ってないしと言われた。相変わらず意地悪だ。いや、ふみふみもツンデレなのだ。あおちゃん達とくだらない話をしては盛り上がった。写真も撮った。楽しい話をしていたのだが、ふと左肩に重みを感じた。見てみると隣に座っていたふみふみが私にもたれかかってきたのだ。
こんな公の場でなんてことを。みんなが見てなければそのままでいたかった。しかしみんながいたためトントンと体を叩いて起こした。やっぱり寝ぼけたふみふみの顔は愛しい。
ひさびさにふみふみの温もりを感じた。何も考えてないとは思うが胸が高鳴った瞬間だった。

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