だいすきなひと

約束

 クリスマスデートをした時に、車の中で年末の過ごし方の話をした。

突然、先輩年末どうやって過ごすの？
と聞いてきた。
これは空いてたら一緒に過ごさない？と誘っているのか…？

私はてっきりふみふみは2年生だし年末年始は成人式のために地元に帰るもんだと思っていたため他の友人と過ごす約束をしてしまっていた。

私としたことが…
彼氏の方はというと彼も地元に帰るということでクリスマス以降冬休みが終わるまで会えないのだ。

先に友達と約束してたため先約を断るなど私はできないので
ごめん、友達と過ごす約束しちゃってるんだよね～と伝えると
そっか～。と返事が返ってきた。

ん？ちょっと残念がってる？それは期待しすぎか。
私の心の中はふみふみがどういう感情で言葉を発しているのか気になって仕方がなかった。

1月1日ね、私は初日の出見に行こうと思ってるんだ～！本土最東端の場所で誰よりも早く初日の出見るって素敵だと思わない？一緒に行く？
と聞くと、でも友達と過ごすんでしょ？楽しそうだけど。と言われた。

大晦日は一緒に過ごす約束はしたけど1日の約束はしていなかった、できればふみふみと過ごしたいという自分の欲はあった。

クリスマスの日にすでに大晦日とお正月の過ごし方の話をしていたのだ。
気が早すぎる。今日はロマンチックなクリスマスだ。
特別な日でもなんらいつもと変わらない時間の流れだった。

一つ特別なことといえば、
イルミネーションを見た帰りの車の中で2人で話をしていた時のことだ、空にはっきりと大きな光が流れていった。間違いなく流れ星。
私だけでなくふみふみもしっかり見ていた。何あれ⁉︎と2人で驚き車を止めて明かりを消してしばらく空を眺めた。
2人で同じ流れ星を見れたこと。なんとなく奇跡な気がして鼓動が激しくなった。
結局、私たちが見たたったひとつの光しか見れなかったが、
あの光すごかったね～！隕石かな？久しぶりに流れ星見て感動した～！と私が興奮気味に話してると、
あれ、俺が準備した。と呟いた。
⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎
私の頭の中はびっくりとハテナで溢れた。
ふみふみはいつもくだらないことは言うけどロマンチックな言葉は一つも言わない。
いきなりの彼氏らしい発言をされて顔をガン見してしまった。
冗談でも鼓動が跳ねた。

ふみふみは彼女に尽くすタイプだ。
私はその瞬間に思ったのだ。