だいすきなひと

幸せとは

 12月。恋人がいる人は大好きな時期だ。
私は数年ぶりに彼氏ができたため、今年は楽しいはずだと思っていた。しかし、クリスマスは一緒に過ごせないと言われてしまったのだ。私は悲しみに溢れた。そんな悲しいクリスマスありますか…
でも私の心はふみふみに浮気している。きっとバチが当たったのだ。その時はそう思っていた。

ダメ元で25日空いてる？とふみふみに聞いてみた。
返信は…まさかの今のところ空いてると言われた。私は迷わず行きたい場所を伝えた。私たちが住んでいる地域から車で4時間のところにあるイルミネーションを見たいとわがままを言った。
最初は、遠い。却下。と断られたが今の時期にしか行けないんだよ！わたしにはあと一年しかチャンスがないの！どうしても行きたいの！と説得した。
その甲斐もあってふみふみはOKしてくれたのだ。

神様は私にどうしろと言っているのですか？神様には今の彼氏ではなくすぐに受け入れてもらえなくてもふみふみを愛せ。そう言われているような気がした。
片思いは楽しいが辛い。何しろふみふみにはガールフレンドと呼ぶに近い女の子がすでに存在している。もうどうしようもできない事実だったが、友達として一緒に時間を過ごすことは許されている。
ふみふみに彼女ができても今まで通りの自分で入れるような精神力が最低でも私には必要なのだ。

25日。私は野球観戦以来のふみふみとのデートに行った。片道4時間のドライブにイルミネーションを見るなんて側から見たら恋人そのものだ。
2人で写真も撮った。ドライブしている間もたくさん話をした。家の話や、高校時代の話。知らなかったことをたくさん教えてくれた。

好きだ。片道4時間だったはずなのに私には1時間で帰ってきてしまったようにあっという間に感じていた。それだけ楽しかったのだ。
私は人生で1番幸せなクリスマスを過ごした。
と同時に、自分の欲のせいでまた人を傷つけることをしてしまった。

24日にいい感じの子と遊んでいようが、25日を過ごしてくれたのでもう満足だった。一年の中でも数少ない特別な日を共に過ごせたことに感動するばかりであった。