だいすきなひと

まろん

文字の大きさ
13 / 20

偽りの自分

しおりを挟む
 私は最低な人間だ。彼氏がいるのに彼氏以上に気になってしまう人ができてしまったのだ。
ふみふみに彼氏ができたと今伝えたらどうなっちゃうんだろう。
きっと気を使って遊びに誘ってくれなくなるかもしれない。
それが怖い。本当の本当に私はクズ人間だ。
自分のやっていることが人を傷つけている。わかっている。高校生の時と同じだ。どうしたらいいのかわからない。
悩みになんで苦しんでいる私にさらにふみふみは惑わせてくる。

サークルの忘年会の時の話だ。
もちろん彼氏のりょうくんもいる。
彼氏とは自然な距離で座った。ふみふみも最初は離れた席に座った。
私はマネジャーの女の子たちと一緒に座ってみんなとの食事を楽しんでいた。
ちょいちょいふみふみたちが私をいじってきた。やっぱり私がいないと物足りないようだ。

宴会が始まって半ばくらいの時だ、あおちゃんがトイレに行くために私の後ろを通った。その時にあおちゃんは私の頭をポンと叩いた。驚いた。かまちょすぎて可愛い後輩だな~なんてほっこりした。
そのあと続いてふみふみもトイレに行くといい私の後ろを通った。
あおちゃんと同じく私の頭をポンポンと叩いた。
異性に頭をポンポンされるのが弱い…
ときめかないわけがなかった。

トイレから帰ってきたふみふみは私の隣に座ってきた。ほろ酔い状態だ。
酔ってるふみふみは私にこう言った。
この前電話した時あるじゃん?ご飯行った時。あれ、誘ったの俺だからね?めぐじゃなくて俺が誘ったの。

驚いたのと同時に嬉しかった。
わざわざそんなこと言ってくるとは思わなかった。
可愛くて仕方なくて
かわいいな~と髪をわしゃわしゃしようとした。いつも通り触るなと怒られたが内心喜んでいるはず。
自分が先輩を誘った。それを強調してきた。それがどういう意味だったのかはわからない。
勘違いしてしまう。もっともっとふみふみの沼にはまっていってしまう。
彼氏ができたということをより一層言いづらくなっていた。完全にタイミングを失った。

彼氏のりょうくんと喧嘩にならないのにはわけがあった。
りょうくんは私より友達を優先している。そのため私もふみふみたちと遊ぶのを許してもらっている。たとえ男の子でも昔から仲が良かったためそこは多めに見てもらっているのだった。
それに甘えているのかもしれない。許されているから遊びたくなってしまうのかもしれない。
私はりょうくんに振られてもいいと思い始めていた。
いつのまにかふみふみに気持ちが揺れていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

処理中です...