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中編
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〇都内ラブホテル・室内(夜)
迫塚、ベットの上で無言を貫く。
迫塚(オレは……とんでもない人と共演をしてしまったかも、しれない)
横田「……迫塚。やはり、難しいか?」
迫塚、伏せていた目を一気に開眼して覚悟を決める。
迫塚「――いや。大丈夫っス」
迫塚(オレだってこの人と同じ職業、俳優)
迫塚(まだまだ売れる気配なんて全然ねぇし、横田柊夜と肩を並べるなんて釣り合ってるとは思えないけど……)
迫塚「ヤらせてくださいっス! オレ、覚悟決めたんで」
横田「……迫塚」
横田、驚きながら瞳が微かに揺れる。
迫塚(きっと、これも修行の一環っス!)
迫塚(男に抱かれるのも、女を抱いたこともないっスけど!)
迫塚(ハジメテの相手がしゅーやさんなら、オレ……)
横田、ベットへ静かに移動して迫塚を押し倒す。
迫塚「!」
横田『「……ずっと、セツとこうしたかった」』
迫塚「えっ」
横田「『セツのこと大事にしなくてはいけない、と思う同時に、俺の中でセツをめちゃくちゃにしたいっていう感情が溢れて』」
迫塚(こ、これ……トオルの台詞!?)
迫塚(台本はまだ数日前に渡されたばかりなのに!? も、もう頭に入って……?)
迫塚「え、ええっと……っ!」
迫塚(や、ヤバい。オレ、まだ……)
横田「……焦るな。乱すな。空気に飲み込まれるな」
横田「役者なら台本を忠実に守るより、周囲が圧倒するくらいの芝居で勝負しろ」
迫塚「……!」
迫塚、呼吸をひとつ済ませてゆっくりと瞳を開眼させる。
迫塚「『……嬉しい』」
迫塚「『ずっと不安だった。トオルが自分とえっち……触れてこないのは、興味がないからじゃないのかって』」
横田「『っ、そんなこと――』」
迫塚、横田の台詞と被せるように唇にキスを落とす。
迫塚「『好きだよ、トオル』」
迫塚「『だから自分を……めちゃくちゃに』――って、ええ?」
横田、ベットから立ち上がり迫塚に背を向ける。迫塚、覗き込むように慌てる。
迫塚「しゅ、しゅーやさん、どうしたんスか!? 手で口元を抑えて……血!? 血が!」
横田「……問題ない、歯が当たって軽く切れただけだ」
迫塚「ええっ、問題大アリじゃないっスか! それって絶対、オレのせいっスよね!?」
迫塚「ど、どうしよ……ラブホに救急セットなんてあるんスか!? あー、それより唇の止血方法を検索した方が……!?」
横田「……少し濯いでくる。ついでにシャワーも入ってくるからお前も順番で入れ」
迫塚「え、でもぉ……」
横田「情けない声を出すな。……それから唇が切れた件は気にしなくていい」
横田「俺が、お前のアドリブに対する動きを想定出来なかっただけだ」
横田(まさか、あそこで躊躇なく接吻を仕掛けてくるとは)
迫塚「す、すんません……!」
迫塚「オ、オレ! あの時、セツならどうするかって必死に考えて……ハッ! つか、勢いでしゅーやさんにチューしちゃった!?」
横田「……これからセックスをする相手にそこは気遣うのか」
迫塚「セッ……って、ええ!?」
迫塚、耳まで真っ赤になる。
横田「とにかく気にするな。……落ち着かないならテレビでも付けとけ」
横田、脱衣場の方へと去る。
迫塚「ええ……テレビって……」
迫塚、恐る恐るテレビを付けると濃厚なAVのサムネイルとタイトル複数、料理の注文画面が表示される。
迫塚「!」
迫塚(え、えええっちなビデオと注文画面しか映ってないじゃねぇースかぁ!)
迫塚「……いや、でも。料理は風呂からあがったしゅーやさんのために。えっちなビデオは復習のためだと思えば……」
迫塚「……」
迫塚、再び顔が赤くなり両手で覆い隠す。
迫塚(オ、オレ……しゅーやさんに、このあと掘られるのか……)
迫塚、ベットの上で無言を貫く。
迫塚(オレは……とんでもない人と共演をしてしまったかも、しれない)
横田「……迫塚。やはり、難しいか?」
迫塚、伏せていた目を一気に開眼して覚悟を決める。
迫塚「――いや。大丈夫っス」
迫塚(オレだってこの人と同じ職業、俳優)
迫塚(まだまだ売れる気配なんて全然ねぇし、横田柊夜と肩を並べるなんて釣り合ってるとは思えないけど……)
迫塚「ヤらせてくださいっス! オレ、覚悟決めたんで」
横田「……迫塚」
横田、驚きながら瞳が微かに揺れる。
迫塚(きっと、これも修行の一環っス!)
迫塚(男に抱かれるのも、女を抱いたこともないっスけど!)
迫塚(ハジメテの相手がしゅーやさんなら、オレ……)
横田、ベットへ静かに移動して迫塚を押し倒す。
迫塚「!」
横田『「……ずっと、セツとこうしたかった」』
迫塚「えっ」
横田「『セツのこと大事にしなくてはいけない、と思う同時に、俺の中でセツをめちゃくちゃにしたいっていう感情が溢れて』」
迫塚(こ、これ……トオルの台詞!?)
迫塚(台本はまだ数日前に渡されたばかりなのに!? も、もう頭に入って……?)
迫塚「え、ええっと……っ!」
迫塚(や、ヤバい。オレ、まだ……)
横田「……焦るな。乱すな。空気に飲み込まれるな」
横田「役者なら台本を忠実に守るより、周囲が圧倒するくらいの芝居で勝負しろ」
迫塚「……!」
迫塚、呼吸をひとつ済ませてゆっくりと瞳を開眼させる。
迫塚「『……嬉しい』」
迫塚「『ずっと不安だった。トオルが自分とえっち……触れてこないのは、興味がないからじゃないのかって』」
横田「『っ、そんなこと――』」
迫塚、横田の台詞と被せるように唇にキスを落とす。
迫塚「『好きだよ、トオル』」
迫塚「『だから自分を……めちゃくちゃに』――って、ええ?」
横田、ベットから立ち上がり迫塚に背を向ける。迫塚、覗き込むように慌てる。
迫塚「しゅ、しゅーやさん、どうしたんスか!? 手で口元を抑えて……血!? 血が!」
横田「……問題ない、歯が当たって軽く切れただけだ」
迫塚「ええっ、問題大アリじゃないっスか! それって絶対、オレのせいっスよね!?」
迫塚「ど、どうしよ……ラブホに救急セットなんてあるんスか!? あー、それより唇の止血方法を検索した方が……!?」
横田「……少し濯いでくる。ついでにシャワーも入ってくるからお前も順番で入れ」
迫塚「え、でもぉ……」
横田「情けない声を出すな。……それから唇が切れた件は気にしなくていい」
横田「俺が、お前のアドリブに対する動きを想定出来なかっただけだ」
横田(まさか、あそこで躊躇なく接吻を仕掛けてくるとは)
迫塚「す、すんません……!」
迫塚「オ、オレ! あの時、セツならどうするかって必死に考えて……ハッ! つか、勢いでしゅーやさんにチューしちゃった!?」
横田「……これからセックスをする相手にそこは気遣うのか」
迫塚「セッ……って、ええ!?」
迫塚、耳まで真っ赤になる。
横田「とにかく気にするな。……落ち着かないならテレビでも付けとけ」
横田、脱衣場の方へと去る。
迫塚「ええ……テレビって……」
迫塚、恐る恐るテレビを付けると濃厚なAVのサムネイルとタイトル複数、料理の注文画面が表示される。
迫塚「!」
迫塚(え、えええっちなビデオと注文画面しか映ってないじゃねぇースかぁ!)
迫塚「……いや、でも。料理は風呂からあがったしゅーやさんのために。えっちなビデオは復習のためだと思えば……」
迫塚「……」
迫塚、再び顔が赤くなり両手で覆い隠す。
迫塚(オ、オレ……しゅーやさんに、このあと掘られるのか……)
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