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第三章
第40話
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「団長、お待たせしました。」
と言ってルーチェが戻ってきた。
何日か経ち、ルーチェは、家に着くと南部の経営に関する書類をかき集めだした。
「…これでは情報が少なすぎる…。」
ルーチェは少し考えると、レスに
「この手紙をレイデーナ侯爵にお願い。」
と言って、一通の手紙を差し出した。
レイデーナ侯爵は、帝国の宰相だ。
ルーチェはレイデーナ侯爵に南部の経営資料を見せて貰えるように頼んだのだ。
返事はその日のうちに帰ってきた。
(良かった。閣下が理解のある方で…。)
明日見せてもらえることになったのだ。
読み終わると同時に一通の手紙を届けに来た。
「リニーナ…?!」
「またお会いしましたね!今日は陛下からの手紙をお届けに参りました。」
「陛下から…?」
その手紙を読むとこう書いてあった。
(南部の制圧でのそなたの功績を称え、ラズリート勲章を授けようと思う。)
ラズリート勲章は、勲章の中でも名実ともに帝国最高と言っても過言では無い、と言われる騎士の憧れでもある勲章だ。
この勲章が授与された人数は帝国ができてから2人。
ルーチェは3人目の人物となるのだ。
帝国法では、その勲章が授けられた人は、皇帝とほぼ同等の権力が与えられる、と書いてある。
(ラズリート勲章を私に…?そんなにすごいことはしてないのに。)
手紙にはこう続きがあった。
(理由としては、戦場において、誰1人死者が出ないようにしたこと、制圧の目的を理解し、素早く正しい判断が行えたことなどをあげておこう。)
(どうしたものかしら…。貴族派が反対することは間違いない。それに、皇帝とほぼ同等の権力が与えられるから、皇太子殿下よりも権力を持つことになるから、殿下からもあまりよく思われないかもしれない…。一族そして個人の名誉でもあるから、家門のことを考えるなら受け取った方がいい…。)
「返書も貰ってくるようにと言われていまして…。」
「今…?」
「そうしていただけるとありがたいです。」
と言ってリニーナは返書用に便箋をくれた。
「書いてくるから少し待ってて。」
と言ってルーチェは、机に向かった。
そしてしばらく経ち、リニーナの所へ戻り
「これでお願い。」
「ありがとうございます。今度は個人の交流としてきますね。」
と言って、リニーナは馬にまたがって皇宮に戻って行った。
「殿下からのイメージを悪くしたくないから仕方ない…。」
と、ルーチェは、小さな声で呟いた。
ルーチェは、勲章の授賞を遠回しに断ったのだ。
その次の日、ルーチェがレイデーナ侯爵からの資料を見ていると、またリニーナが陛下からの手紙を持ってきた。
「また来たのね。」
「はい。また手紙配達で申し訳ないです。」
「仕方ないわ。仕事なのだから。」
と、ルーチェは笑顔で言った。
(今度は皇宮に呼び出しか…。)
「チュトラリー卿を呼んでました。」
「少し支度をするから応接間で待っていてくれる?」
「この場で大丈夫です。」
「待たせてしまって悪いわね。」
と言ってルーチェは、馬車に乗って皇宮に向かった。
「こちらです。」
「ありがとう。」
騎士の2人がドアを開けると、陛下が椅子に座っていた。
「お待たせしてしまい申し訳ありません。」
「急に呼び出したのは余だ。気にするな。座リなさい。」
「陛下の前でそのような…」
と言うルーチェの言葉を遮って
「私が良いと言っているのだ。」
「わかりました。失礼します。」
と言ってルーチェは用意されていた椅子に座った。
「勲章授与を断った理由はだいたい分かる。貴族派と皇太子の反感をかうと思ったのだろう?」
「お察しの通りです…。」
と、少し申し訳なさそうに言った。
「この勲章授与の件はな、皇太子が提案したのだよ。」
ルーチェは、目を丸くした。
(殿下が…?!)
と言ってルーチェが戻ってきた。
何日か経ち、ルーチェは、家に着くと南部の経営に関する書類をかき集めだした。
「…これでは情報が少なすぎる…。」
ルーチェは少し考えると、レスに
「この手紙をレイデーナ侯爵にお願い。」
と言って、一通の手紙を差し出した。
レイデーナ侯爵は、帝国の宰相だ。
ルーチェはレイデーナ侯爵に南部の経営資料を見せて貰えるように頼んだのだ。
返事はその日のうちに帰ってきた。
(良かった。閣下が理解のある方で…。)
明日見せてもらえることになったのだ。
読み終わると同時に一通の手紙を届けに来た。
「リニーナ…?!」
「またお会いしましたね!今日は陛下からの手紙をお届けに参りました。」
「陛下から…?」
その手紙を読むとこう書いてあった。
(南部の制圧でのそなたの功績を称え、ラズリート勲章を授けようと思う。)
ラズリート勲章は、勲章の中でも名実ともに帝国最高と言っても過言では無い、と言われる騎士の憧れでもある勲章だ。
この勲章が授与された人数は帝国ができてから2人。
ルーチェは3人目の人物となるのだ。
帝国法では、その勲章が授けられた人は、皇帝とほぼ同等の権力が与えられる、と書いてある。
(ラズリート勲章を私に…?そんなにすごいことはしてないのに。)
手紙にはこう続きがあった。
(理由としては、戦場において、誰1人死者が出ないようにしたこと、制圧の目的を理解し、素早く正しい判断が行えたことなどをあげておこう。)
(どうしたものかしら…。貴族派が反対することは間違いない。それに、皇帝とほぼ同等の権力が与えられるから、皇太子殿下よりも権力を持つことになるから、殿下からもあまりよく思われないかもしれない…。一族そして個人の名誉でもあるから、家門のことを考えるなら受け取った方がいい…。)
「返書も貰ってくるようにと言われていまして…。」
「今…?」
「そうしていただけるとありがたいです。」
と言ってリニーナは返書用に便箋をくれた。
「書いてくるから少し待ってて。」
と言ってルーチェは、机に向かった。
そしてしばらく経ち、リニーナの所へ戻り
「これでお願い。」
「ありがとうございます。今度は個人の交流としてきますね。」
と言って、リニーナは馬にまたがって皇宮に戻って行った。
「殿下からのイメージを悪くしたくないから仕方ない…。」
と、ルーチェは、小さな声で呟いた。
ルーチェは、勲章の授賞を遠回しに断ったのだ。
その次の日、ルーチェがレイデーナ侯爵からの資料を見ていると、またリニーナが陛下からの手紙を持ってきた。
「また来たのね。」
「はい。また手紙配達で申し訳ないです。」
「仕方ないわ。仕事なのだから。」
と、ルーチェは笑顔で言った。
(今度は皇宮に呼び出しか…。)
「チュトラリー卿を呼んでました。」
「少し支度をするから応接間で待っていてくれる?」
「この場で大丈夫です。」
「待たせてしまって悪いわね。」
と言ってルーチェは、馬車に乗って皇宮に向かった。
「こちらです。」
「ありがとう。」
騎士の2人がドアを開けると、陛下が椅子に座っていた。
「お待たせしてしまい申し訳ありません。」
「急に呼び出したのは余だ。気にするな。座リなさい。」
「陛下の前でそのような…」
と言うルーチェの言葉を遮って
「私が良いと言っているのだ。」
「わかりました。失礼します。」
と言ってルーチェは用意されていた椅子に座った。
「勲章授与を断った理由はだいたい分かる。貴族派と皇太子の反感をかうと思ったのだろう?」
「お察しの通りです…。」
と、少し申し訳なさそうに言った。
「この勲章授与の件はな、皇太子が提案したのだよ。」
ルーチェは、目を丸くした。
(殿下が…?!)
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