54 / 55
第三章
第44話
しおりを挟む
「それが問題なの…?」
皇后は不思議そうにルーチェの顔を覗く。
「私が考えている原因が2つありまして、1つ目が、太陽の日を浴びられていないから、2つ目が、運動をされないから。と、みております。カーテンも開けられず、部屋に居られるとやはり日光を浴びれませんし…。」
皇后は少し考えると
「1度それが原因としてみて、対策していきましょうか。」
と言った。
「治療法としては、まず体を動かすために一時的に症状を軽くします。それを繰り返しすと体力がつくはずですから。そうすれば自然に良くなると思いますよ。」
「簡単そうに言うけれど、一時的に症状を軽くするって、令嬢は大丈夫なの?」
と、皇后は少し心配そうに言った。
「私はアルセントの血も引いています。その程度の魔法、なんてことありません。」
と、明るい声で答えた。
「原因もわかったことですし、早速始めてもよろしいでしょうか?」
「もちろんよ。」
ルーチェが手を出すと、ルーチェの手は暗い紫色の光におおわれた。
「体が軽い…!令嬢は本当に様々な分野の才能があるわね。」
「光栄です。行きましょうか。私は治療師兼護衛として着いていきますね。」
皇后と庭園に出ると皇后は感動したように
「皇宮はこんなにも素晴らしいところだったのね。ずっと外に出ず、上から見ていたからこんなにも美しい植物があるなんて知らなかったわ。」
と言った。
「ここら辺は、陛下のお部屋から見える範囲ですので、皇帝陛下が長い時間悩んで毎回選んでおられるそうですよ。実際私も選びましたから。」
と、笑って言った。すると皇后は
「陛下が…?」
と言って、辺りを見渡した。
「後でちゃんとお礼を言わないとね。」
と言った。その時、少し風が吹き、皇后の長い髪がなびいた。
(お美しい…。帝国一の美貌の持ち主と言われるのも納得だわ。)
しばらく庭園を歩いた後、ルーチェは、
「そろそろ戻りましょうか?」
と、言った。
「そんなにも時間が経ったのね。こんなにも時間が短く感じたのは初めてよ。」
「そう思って貰えて良かったです。」
と、ルーチェは笑顔で言った。
「いつかは、令嬢の力を借りなくてもこんなにも体が軽く、動けるようになるのね…。」
皇后は、まるで夢を見るように言った。
「えぇ、必ず。」
と、まっすぐな瞳でルーチェが答えた。
ルーチェは、ノックをすると
「陛下、ルーチェ・ド・チュトラリーにございます。本日の報告をさせて頂きたく参りました。」
「入りなさい。」
と、扉の向こうから皇帝の声が聞こえた。
「これが終わってからでも良いか?」
「もちろんです。」
「すまないね。そこに座っていてくれ。」
しばらくすると皇帝がペンを置き、ルーチェの机を挟んだ前の椅子に座った。
「皇后の様子は?」
「運動不足を原因とみて、魔法で一時的に症状のみ私に移して、庭園を歩きました。とても楽しんでおられましたよ。今後もこの方法を続けたいと考えております。」
「そうか。庭園を楽しんで見ていたのか…。良かった。あの症状、大丈夫だったのか…?」
「一応大丈夫でしたが想像よりも重かったです。後、症状を移していることは内密にお願い出来ないでしょうか…?」
「なぜ?」
と、皇帝は不思議そうにルーチェをみた。
「皇后陛下は、とてもお優しい方です。それゆえ、重い症状を私が代わりに背負っていると知ってしまえば、その治療を中断するように言うことでしょう。皇后陛下には、一時的に症状を軽くする、とだけ言いましたが、私に移していることは言っていないので…。」
「…なるほどな。卿が耐えきれるのであればよかろう。だが、皇后が回復したらこのことはきちんと伝えて欲しい。心配もするだろうが、それよりも感謝して貰えるはずだからな。」
「承知致しました。ご配慮感謝申し上げます。それと、明日のハーリドアール王国への挨拶の件もあって、少し間が空いてしまうと思うのですが、その間、朝日が登ったら皇后陛下の部屋のカーテンは開けてください。薄暗いところに長くいると、明るい場所に慣れるまで行けなくなってしまうので…。」
「分かった。そうしよう。」
皇后は不思議そうにルーチェの顔を覗く。
「私が考えている原因が2つありまして、1つ目が、太陽の日を浴びられていないから、2つ目が、運動をされないから。と、みております。カーテンも開けられず、部屋に居られるとやはり日光を浴びれませんし…。」
皇后は少し考えると
「1度それが原因としてみて、対策していきましょうか。」
と言った。
「治療法としては、まず体を動かすために一時的に症状を軽くします。それを繰り返しすと体力がつくはずですから。そうすれば自然に良くなると思いますよ。」
「簡単そうに言うけれど、一時的に症状を軽くするって、令嬢は大丈夫なの?」
と、皇后は少し心配そうに言った。
「私はアルセントの血も引いています。その程度の魔法、なんてことありません。」
と、明るい声で答えた。
「原因もわかったことですし、早速始めてもよろしいでしょうか?」
「もちろんよ。」
ルーチェが手を出すと、ルーチェの手は暗い紫色の光におおわれた。
「体が軽い…!令嬢は本当に様々な分野の才能があるわね。」
「光栄です。行きましょうか。私は治療師兼護衛として着いていきますね。」
皇后と庭園に出ると皇后は感動したように
「皇宮はこんなにも素晴らしいところだったのね。ずっと外に出ず、上から見ていたからこんなにも美しい植物があるなんて知らなかったわ。」
と言った。
「ここら辺は、陛下のお部屋から見える範囲ですので、皇帝陛下が長い時間悩んで毎回選んでおられるそうですよ。実際私も選びましたから。」
と、笑って言った。すると皇后は
「陛下が…?」
と言って、辺りを見渡した。
「後でちゃんとお礼を言わないとね。」
と言った。その時、少し風が吹き、皇后の長い髪がなびいた。
(お美しい…。帝国一の美貌の持ち主と言われるのも納得だわ。)
しばらく庭園を歩いた後、ルーチェは、
「そろそろ戻りましょうか?」
と、言った。
「そんなにも時間が経ったのね。こんなにも時間が短く感じたのは初めてよ。」
「そう思って貰えて良かったです。」
と、ルーチェは笑顔で言った。
「いつかは、令嬢の力を借りなくてもこんなにも体が軽く、動けるようになるのね…。」
皇后は、まるで夢を見るように言った。
「えぇ、必ず。」
と、まっすぐな瞳でルーチェが答えた。
ルーチェは、ノックをすると
「陛下、ルーチェ・ド・チュトラリーにございます。本日の報告をさせて頂きたく参りました。」
「入りなさい。」
と、扉の向こうから皇帝の声が聞こえた。
「これが終わってからでも良いか?」
「もちろんです。」
「すまないね。そこに座っていてくれ。」
しばらくすると皇帝がペンを置き、ルーチェの机を挟んだ前の椅子に座った。
「皇后の様子は?」
「運動不足を原因とみて、魔法で一時的に症状のみ私に移して、庭園を歩きました。とても楽しんでおられましたよ。今後もこの方法を続けたいと考えております。」
「そうか。庭園を楽しんで見ていたのか…。良かった。あの症状、大丈夫だったのか…?」
「一応大丈夫でしたが想像よりも重かったです。後、症状を移していることは内密にお願い出来ないでしょうか…?」
「なぜ?」
と、皇帝は不思議そうにルーチェをみた。
「皇后陛下は、とてもお優しい方です。それゆえ、重い症状を私が代わりに背負っていると知ってしまえば、その治療を中断するように言うことでしょう。皇后陛下には、一時的に症状を軽くする、とだけ言いましたが、私に移していることは言っていないので…。」
「…なるほどな。卿が耐えきれるのであればよかろう。だが、皇后が回復したらこのことはきちんと伝えて欲しい。心配もするだろうが、それよりも感謝して貰えるはずだからな。」
「承知致しました。ご配慮感謝申し上げます。それと、明日のハーリドアール王国への挨拶の件もあって、少し間が空いてしまうと思うのですが、その間、朝日が登ったら皇后陛下の部屋のカーテンは開けてください。薄暗いところに長くいると、明るい場所に慣れるまで行けなくなってしまうので…。」
「分かった。そうしよう。」
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
弁えすぎた令嬢
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。
彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。
彼女は思った。
(今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。
今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる