孤高のミグラトリー 〜正体不明の謎スキル《リーディング》で高レベルスキルを手に入れた狩人の少年は、意思を持つ変形武器と共に世界を巡る〜

びゃくし

文字の大きさ
12 / 177

第十二話 出発の準備

しおりを挟む

 王都に出発する準備は着々と進んでいる。
 冒険者ギルドでの用事を済ませ、クラスチェンジも終わった。
 レトさんに冒険者御用達のお店を教わり、旅に必要な道具を買い揃えていく。

 そんな俺の腰には父さんから借りていた物とは違う目新しいマジックバックが備え付けられていた。

 父さんが無事病院から退院してきたその日の夜。


「王都に行くなら旅の荷物を準備するんだろ。お前に渡すものがある」

 父さんはそう言って1つの木箱を手渡す。
 持つと思ったより軽い。
 ホコリの積もったどこかしっかりした作りの蓋を開ける。

「これはまさかマジックバック?」

 箱から出てきたのはポーチ型のマジックバックだった。
 表面には魔石が取り付けられており、一見地味に見えるがよく見ると精緻な装飾が施されている。
 
「そうだ。お前の母さんからお前が一人前に成った時渡して欲しいと預かっていた物だ」

「すごい」

「普通のマジックバックでも希少な空間属性の魔物の素材と魔石を使って作られる物だが、これはその中でも滅多に討伐されない魔物の素材で出来ている。容量も普段使っている物と違って小さい部屋ほどの空間があるだろう」

 父さんから借りていた物でも狩った獲物を解体して入れ、場合によってはその場に置いて行かなければならなかった。
 容量で言えば大人の男性が背負う背負い袋二つ分くらいだろう。
 それが……部屋一つ。
 少なくとも十倍以上の物が入る。

「ニ人に会いに行くんだろ、持っていけ」

 
 新たなマジックバックに旅のため買い揃えた寝袋や保存食、鍋、火打ち石などを入れていく。

 次は装備を整えるべきだろう。
 砕けてしまった鉈の代わりが必要だ。
 できれば冒険者ギルドで使わせて貰った属性矢も欲しい
 ……そして盾も。
 マジックバックには容量に空きがある。
 これからは盾を使って戦うことも覚えなくては。

 そういえば、あの鉈はどこで手に入れだったんだったか……。
 ……そうだ。
 父さんが鍛冶屋で特別に頼んだと聞いたような気がする。
 普段は自分で手入れして使って来たが……どうするか。

「ミストレア、壊れてしまった鉈だけど、替わりを手に入れたほうが良いよな? どうする?」

「そうだな。冒険者ギルドで紹介された店もいいが。……エンマーズ防具店はどうだ。街を出る挨拶もしたほうがいいだろう」

「確かに、お世話になったし挨拶に行こうか」





 相変わらず周囲の建物から浮いたピンクの壁を横目に見つつ扉を開ける。

「いらっしゃい」
 
 野太い声の男性がカウンターに座りながら防具を磨いている。
 今日はハーミルトさんは店番をしていないようだな。
 日を改めて来たほうがいいかもしれない。

「すみません、今日はハーミルトさんはいますか? ナククとフリミルにも用事があったのですが」

「何のようだ? 今は俺一人だ。三人とも暫く帰ってこない」

 男性のギラッとした視線が向く。

「そうですか。なら日を改めます。その……盾を見させて貰ってもいいですか? できれば手に持って確かめてみたいんですけど」

「別に構わねえが、なんだ? お前さん盾を使うのは初めてか?」

 そんなに初心者だとわかりやすいだろうか?
 まあ弓をもっているのに盾まで買う人は少ないか。

「そうです。……これからは盾も使おうと思って」

「初心者なら軽いものにしておけ。この辺の魔物なら取り回し安い盾で十分だ。ほら其処の棚に飾ってある。手前にあるのが重い盾だ」

「ありがとうございます」

 男性に教えて貰った棚には色々な種類の盾が飾られている。
 それを一つ一つ手に取って確かめる。

 うん、形はこれがいいな。

 手に馴染むのはやはりラウンドシールド。
 直径は三十cmくらいだが、その分取り回しやすく視界も遮られない。
 マジックバックからも素早く取り出せるだろう。

(それで形はいいとして、素材はどうする? この鉄製の奴はどうだ?)

(それだとちょっと重いな。なるべく素早く取り出して構えられるものがいい)

「迷ってるならコイツはどうだ。トレントから取れる木材を鉄で補強した物だ。総金属製の盾より軽いから盾を持ったままでも動きが鈍らない」

 トレント、木に擬態する歩行する魔物で、その身体は普通の木材より硬く建築物や街を守る障壁にも使われるらしい。
 
 渡された盾は思ったより軽い。
 丸く成形された木材の真ん中にわずかに盛り上がるように金属部分が取り付けられている。
 縁はすべて金属で覆われていて、ここで殴ればそれなりに痛そうだ。

「気に入りました。これを買って行きます。……ちなみに鉈は扱ってますか? 以前使っていたものが壊れてしまって」

「鉈か……あったかな。使う奴も少ないからな。……戦闘に使うつもりか?」
 
「はい」

「……作ってやってもいい」

「本当ですか!」

「武器を頼みにくるヤツも珍しい、天成器があるから武器なんか買わないからな。ウチの武器はどれも趣味で作ってるようなもんだ。それで、素材はどうする。予算によってはいい物を使える。戦闘用なら鋼を使うとして……金貨三枚くらいはかかるぞ」

 金貨か、予算なら瘴気獣討伐の報酬がある。
 街の噂通り見たことのない金額だった。
 冒険者ギルドの銀行に大半は預けたけど、準備のために何枚かは持ってきている。

 街で売られているパン一斤が銅貨五枚ほど、ゴブリンの一体分の討伐証明を換金しても銀貨一枚。
 金貨一枚は銀貨十枚、銀貨一枚は銅貨十枚の価値だ。
 それなのに、報酬として貰ったのは金貨百四十枚。
 内訳は迎撃戦の参加報酬が金貨三十枚に討伐報酬が金貨五十枚。
 これに領主様からの特別報酬が加算されているらしい。

 途方もない金額だ。
 こんなに貰ったら金銭感覚がおかしくなりそう。

(どうせ買うならいい素材て作って貰ったほうがいいんじゃないか? せっかくたくさん報酬を貰ったんだし)

(……ミストレア……まあ確かに命を預けるならもっとお金をかけてもいいかもな)

「お金は心配ないんですが、それよりいい素材を使うとどうなんでしょう?」

「うちは防具屋だからな……そうだな、王都なら騎士団もあるし、武器の専門店もあるだろうが。……悪いがすぐには無理だな。取り寄せても時間がかかる」

「そうですか、なら鋼でお願いします」

 ガタンッと扉が開く音がする。

「どうしたの、この間来たばかりなのにまた用事?」

 背後から話し掛けてきたのはフリミルだった。
 しばらく帰ってこないと言っていたけど……。
 面白いものでも見たように顔を覗き込まれた。

「あんた、噂になってるわよ」

「そうかな」

「そうよっ! 冒険者の間でも凄腕の弓使いの少年がいる、だなんて言われて、街でもカッコいい~なんて言ってるヤツまでいるんだから! も~すっごい噂になってるんだからっ! あ、あたしが先に見つけたのにっ!」

 凄い興奮してるな。
 
「フ、フリミル! そんなに親しく接して、コ、コイツとそんなに仲がいいのか!」

 こっちも凄い興奮している。

「やあ、久しぶり。また来てくれるなんてウチのパーティーに入ってくれる気になったのかい!」

 ナククは冷静に見えて冷静じゃないな。

「いや悪いけどパーティーに入る訳じゃないんだ」

「そうか……残念だけど、今街で一番話題の少年だからね。仕方ない」

「その……噂ってそんなに広まってるのか?」

「そりゃあ凄いもんだよ、なんたって高ランクの冒険者でも苦戦するような瘴気獣を倒したんだ。それが冒険者でもない志願者の一人となれば噂が広がらないわけがない」

「この辺りの奥様界隈でも話題なんだからっ」

 ハーミルトさんまで興奮している。
 
「それで、今日どうしたんだい? 父さんとなにか話してたみたいだけど」

 やけにフリミルのことを気に掛けているのはフリミルとナククの父親だったからなのか。
 興味深そうな顔のナククに答える。

「王都に行くことに決めたから、その挨拶に来たんだ」

「えっ!?」

 ギョッとした顔でフリミルが振り返る。
 対象的にナククは頷いた。

「そうか、残念だな。君と一緒に冒険できる機会もあると思っていたんだけど。ジーザーには僕から話して置くよ。彼も君のことは注目していたから」

「何言ってるの、王都へ行く!? ウ、ウソでしょ!? だって知り合ったばかりじゃない。……まだ何も……あんたのこと……」

「行かなきゃ行けないんだ。行って確かめなきゃ行けないことがある」

「そんな……」

 それきりフリミルは喋らなくなってしまった。
 その後、注文する鉈について細かく詳細を伝える。
 少し気まずい空気の中、ナククとハーミルトさん、店主で父親のマルクさんに別れの挨拶をして店を出た。
 頼んだ鉈は後でマルクさんが届けてくれるらしい。
 怖い顔で後で話があると言っていた。
 
 最後に元気なフリミルの姿も見たかったんだけどな。





 出発を明日に控えた夜。
 カインさんに誘われ夕食をご馳走になっていた。
 閉店後の貸し切りの店でカインさんがぶどうのジュースをコップに注いでくれる。

「寂しくなるな。でも旅に出るのは凄いことだ。俺はここから離れられないけど影ながら応援してる。王都へ行っても元気でやれよっ!」

 すでに酔っ払っているのかお酒を片手にカインさんが叫ぶ。

「王都までは長い旅になるわ。辛くなったらいつでも帰って来ていいのよ」

 コーラルさんがいつもより優しい笑顔で料理を取り分けてくれる。
 今日の料理も豪華なものばかりだ。
 きっと気合を入れてカインさんが作ってくれたんだろう。
 
「はい」

「あの小さかった男の子が、もう巣立っていくのか……なんだか感慨深いな」

 ルークがどこか寂しそうに呟く。
 思えばルークとも色んな話をした。
 獲物を狩る度に何度も褒めてくれたのもどこか懐かしい。

「そうだな。だが、クライなら心配いらない」

「うん」

 父さんがしんみりとした顔でグラスを傾ける。
 部屋の中が湿っぽくなる雰囲気の中、自信満々な声でミストレアが答える。

「クライのことは任せてくれ。私がついてる」

 ……ミストレア。
 迷ったとき、苦しいとき、躊躇したとき、後押しして導いてくれる存在。
 それでいてどんなときも俺の意思を尊重してくれる。
 ……頼りにしてる。

「本当に行っちゃうんだね」

 アニスは食事が始まってもずっと黙っていた。
 こちらを伺う瞳はうっすらと潤んでいる。
 
「ああ」

「……応援してる。ここからは届かないかもしれないけど。精一杯応援する」

「うん」

「忘れないで、この街のこと……私のこと……」

「うん、忘れないよ」

 瞳から泪を流すアニスの顔を、忘れられそうになかった。





 朝日が上り始め、小鳥が鳴き出す頃。
 ついに出発の朝が訪れた。
 家の前にはたくさんの人が見送りに集まっている。
 父さん、アニス、カインさん、コーラルさん、ハーミルトさん、ナクク、ジーザー、そして顔を伏せたままのフリミル。
 意外なところでは、シスタークローネといつも獲物を売りに行くダグラスさんまで来てくれていた。

 みんな、出発を祝ってくれる。
 ほとんどの人と別れの挨拶をするなか、顔を伏せたままのフリミルが近づいてきた。
 勢いよく顔を上げるとこちらを指差し高らかに叫ぶ。

「わたしも王都に行くわ! 絶対に、絶対に追いついてやるから! 待ってなさいよ!!」

 びっくりした。
 でもフリミルらしい所が見れて良かったかもしれない。
 ナククとハーミルトさんも笑顔でフリミルを見ている。

 負けられないな。

 フリミルの決意の宣言を聞いて改めて強くなる覚悟を決めていると、昨日の夜とは変わって笑顔のアニスが話し掛けてきた。
 距離を詰めそっと手を取られる。

「気をつけて……怪我しないでね。 無事を祈ってる」

「うん……ありがとう」

 手にアニスの気持ちが伝わってくるようだった。
 ……心配されないくらい頑張らないと。

 全員と別れの挨拶も終わり、いよいよ出発の時間になる。

 別れって辛いんだな。
 心には寂しい気持ちが溢れている。
 こんなにも俺とミストレアを応援、心配してくれる人がいる。

 この優しい人たちに応えないとな。

 見送りに集まってくれた人々にミストレアと共に答えた。

「「みんな、行ってきます」」

 思えばここから始まったのかもしれない。
 新たな世界を巡る旅が。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

処理中です...