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第一章
第九十話 ピアチェルト氏、襲来。
「何故貴方は、いつもそう勝手なんですか!?」
「エイルに言われたくないな、僕」
「なにが、僕ですか!?齢1000歳超えの爺の癖に!」
ひょえ~!?1000歳!身体から滲み出る雰囲気が、外見と合わないのはそういうことだったのね!
(因みに、ミオに対する初見の皆の総評も、大まかそれにあたるぞ)
(……自分で経験した後では、否定はしいよ。中身32歳の気分のまま喋ってるし、普通の4歳児がこんなんだったら、皆長命種を疑うのは、当たり前だよ)
ふぅ~…と大きな溜め息を吐きながら、師匠の説教にも全く堪えていない師匠の叔父様を見る。
(奴は、エイルより厄介だな)
(厄介って、どのへんが?)
(長命種故の弊害というべきか…つまらぬ日々に、飽き飽きしておるな!あれは)
心当たりがあるのか、若干開き直り気味で言うジョウ。まぁ、彼は齢万年は超えている。叔父様とは比較にもならないが、気持ちは分かるのだろう。彼を見つめるジョウの目が複雑そうである。
「それよりさ!ミオちゃんが、なにか作るみたいだよ?僕は、それを見学したいな!」
「…作る?」
叔父様の『作る』という言葉に反応した師匠の身体が、ピクッと揺れる。
あわわっ!?
「調薬釜は使わないから、師匠の同行はいらないよね?変わりに、魔法を使うかもしれないから、この訓練場でララに見届けを頼んだの!」
バッと腕を広げ、慌てて捲し立てれば、師匠は私をじっと見て眉間を揉みほぐした。
「私は貴方を責めるつもりはありませんよ。落ち着いてください。それよりも、またアイディア登録が増えるのか…と一瞬考えが停止しただけです」
「うぇ!?アイディア登録だなんて大げさな!ただの【商品券】を入れる入れ物を作るだけですよ!」
「商品券?」
と首を傾げる叔父様(しつこいけど、お名前知らないしね)にちらっと視線を走らせた師匠は、ミオの肩に手を置き、ずいっと顔を近づける。
「ミオ、あれはまだ世間に出ていないものです。部外者の前では、口を慎むように」
小声で話してるけど、叔父様の耳は地獄耳だ。きっと聞こえているのも、師匠には分かってるんだろうな。それで、敢えてこんな事を言うんだもの。焦らし以外、何ものでもない。要するに、ただの意地悪である。
「なんだよぉ…前日までは、僕は商業ギルドのグランドマスターもしてたんだぞぉ!アイディア登録には詳しいから、色々教えて上げられるよ?」
「ミオには、優秀な担当官がついていますので心配は入りません。第一、アイディア登録には、何十年年も動きがないでしょう…それより、突然こちらに来て宿の確保はしてあるんでしょうね?まさか『え?エイルの屋敷に泊まるつもりだったけど…駄目だった?』…残念ながら『駄目なわけないよねぇ?ポーションの時、散々大陸中のギルドの根回しに尽力したんだもん。感謝を感じてるなら、そんな事言わないよねぇ?』……短期間ですよ」
「やったぁ~!」
睨め付けるような視線から一転…諦めの表情と溜め息を吐いた師匠に勝利した叔父様は、手を上に上げ、ぴょんぴょんと喜んでいる。
ほんと…見た目だけを見れば、美少年ショタなのに…と感慨深げに見ていた私(盛大なブーメランreturn)は、ん?と気付く。
薬師ギルドや冒険者ギルドばかりで、商業ギルドは師匠に任せっきりだった。
商業ギルドは、薬師ギルドが品質保持見分をする場なら、いわば流通の指揮を執る場だ。
師匠が頼んだダークエルフたちが作成したポーションは、薬師ギルドアターキル支部に運ばれ、そこから各地へ運ばれていく。その運送を担ってくれたリーダーが彼である。
これはお礼を言わなければ!
「あにょ!」
「ん?」
切り身すぎて噛んでしまったが、そんな事は後で恥ずかしがればいい。私の力み過ぎた声掛けに、叔父様は私に顔を向ける。
「ポーションの運送の時は、お世話になりました!」
ガバッと頭を下げてお礼を言う。
「ミオ!?」
師匠の焦った声に、私は頭を上げる。なんですか?師匠。
「ポーションの必要数や各地への運搬は、彼らの仕事です。寧ろ…ポーションの水増しで、ほぼ在庫が無くなった商業ギルド全体が助かったのですよ!それに、緊急時ということで、対価も十分お支払いしています!貴方が、頭を下げる必要はありません。貴方が「お礼を」と言うならば、叔父上も貴方にお礼を言わなければなりません」
私に近寄った師匠は、私を後ろからキュッと抱きしめた。気のせいかな?なにか不穏な気配を感じる。師匠を振り向けない。
「…いやぁ、参ったなぁ。まさか、先にお礼を言われるとはね?僕は、ピアチェルト・シー・エモ・マグワイア。エイルの大叔父だよ。エルフ族の長なんてやっているけど、気楽に付き合ってくれたら嬉しいよ。それと、あの馬鹿猊下のせいで大混乱…いや、動乱とも言える事件の解決に尽力してくれたミオには、感謝してもしきれないよ。本当にありがとうね」
膝を付き、視線を合わせたピアチェルト氏は、私の手をぎゅっと握り、感謝の言葉を告げた。
「はいっ!」
子供の自然に合わせ膝を付く人は、体外いい人である。私は自分の確信を信じ、満面の笑みで答えた。
「エイルに言われたくないな、僕」
「なにが、僕ですか!?齢1000歳超えの爺の癖に!」
ひょえ~!?1000歳!身体から滲み出る雰囲気が、外見と合わないのはそういうことだったのね!
(因みに、ミオに対する初見の皆の総評も、大まかそれにあたるぞ)
(……自分で経験した後では、否定はしいよ。中身32歳の気分のまま喋ってるし、普通の4歳児がこんなんだったら、皆長命種を疑うのは、当たり前だよ)
ふぅ~…と大きな溜め息を吐きながら、師匠の説教にも全く堪えていない師匠の叔父様を見る。
(奴は、エイルより厄介だな)
(厄介って、どのへんが?)
(長命種故の弊害というべきか…つまらぬ日々に、飽き飽きしておるな!あれは)
心当たりがあるのか、若干開き直り気味で言うジョウ。まぁ、彼は齢万年は超えている。叔父様とは比較にもならないが、気持ちは分かるのだろう。彼を見つめるジョウの目が複雑そうである。
「それよりさ!ミオちゃんが、なにか作るみたいだよ?僕は、それを見学したいな!」
「…作る?」
叔父様の『作る』という言葉に反応した師匠の身体が、ピクッと揺れる。
あわわっ!?
「調薬釜は使わないから、師匠の同行はいらないよね?変わりに、魔法を使うかもしれないから、この訓練場でララに見届けを頼んだの!」
バッと腕を広げ、慌てて捲し立てれば、師匠は私をじっと見て眉間を揉みほぐした。
「私は貴方を責めるつもりはありませんよ。落ち着いてください。それよりも、またアイディア登録が増えるのか…と一瞬考えが停止しただけです」
「うぇ!?アイディア登録だなんて大げさな!ただの【商品券】を入れる入れ物を作るだけですよ!」
「商品券?」
と首を傾げる叔父様(しつこいけど、お名前知らないしね)にちらっと視線を走らせた師匠は、ミオの肩に手を置き、ずいっと顔を近づける。
「ミオ、あれはまだ世間に出ていないものです。部外者の前では、口を慎むように」
小声で話してるけど、叔父様の耳は地獄耳だ。きっと聞こえているのも、師匠には分かってるんだろうな。それで、敢えてこんな事を言うんだもの。焦らし以外、何ものでもない。要するに、ただの意地悪である。
「なんだよぉ…前日までは、僕は商業ギルドのグランドマスターもしてたんだぞぉ!アイディア登録には詳しいから、色々教えて上げられるよ?」
「ミオには、優秀な担当官がついていますので心配は入りません。第一、アイディア登録には、何十年年も動きがないでしょう…それより、突然こちらに来て宿の確保はしてあるんでしょうね?まさか『え?エイルの屋敷に泊まるつもりだったけど…駄目だった?』…残念ながら『駄目なわけないよねぇ?ポーションの時、散々大陸中のギルドの根回しに尽力したんだもん。感謝を感じてるなら、そんな事言わないよねぇ?』……短期間ですよ」
「やったぁ~!」
睨め付けるような視線から一転…諦めの表情と溜め息を吐いた師匠に勝利した叔父様は、手を上に上げ、ぴょんぴょんと喜んでいる。
ほんと…見た目だけを見れば、美少年ショタなのに…と感慨深げに見ていた私(盛大なブーメランreturn)は、ん?と気付く。
薬師ギルドや冒険者ギルドばかりで、商業ギルドは師匠に任せっきりだった。
商業ギルドは、薬師ギルドが品質保持見分をする場なら、いわば流通の指揮を執る場だ。
師匠が頼んだダークエルフたちが作成したポーションは、薬師ギルドアターキル支部に運ばれ、そこから各地へ運ばれていく。その運送を担ってくれたリーダーが彼である。
これはお礼を言わなければ!
「あにょ!」
「ん?」
切り身すぎて噛んでしまったが、そんな事は後で恥ずかしがればいい。私の力み過ぎた声掛けに、叔父様は私に顔を向ける。
「ポーションの運送の時は、お世話になりました!」
ガバッと頭を下げてお礼を言う。
「ミオ!?」
師匠の焦った声に、私は頭を上げる。なんですか?師匠。
「ポーションの必要数や各地への運搬は、彼らの仕事です。寧ろ…ポーションの水増しで、ほぼ在庫が無くなった商業ギルド全体が助かったのですよ!それに、緊急時ということで、対価も十分お支払いしています!貴方が、頭を下げる必要はありません。貴方が「お礼を」と言うならば、叔父上も貴方にお礼を言わなければなりません」
私に近寄った師匠は、私を後ろからキュッと抱きしめた。気のせいかな?なにか不穏な気配を感じる。師匠を振り向けない。
「…いやぁ、参ったなぁ。まさか、先にお礼を言われるとはね?僕は、ピアチェルト・シー・エモ・マグワイア。エイルの大叔父だよ。エルフ族の長なんてやっているけど、気楽に付き合ってくれたら嬉しいよ。それと、あの馬鹿猊下のせいで大混乱…いや、動乱とも言える事件の解決に尽力してくれたミオには、感謝してもしきれないよ。本当にありがとうね」
膝を付き、視線を合わせたピアチェルト氏は、私の手をぎゅっと握り、感謝の言葉を告げた。
「はいっ!」
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