20 / 40
追放聖女のもふもふスローライフ
第19話 不思議な夢と魔法の終わり
しおりを挟む
森の中、木々が絡み合い、天蓋のように覆われた場所。
そこに私は恭しく跪いていた。
目の前には白銀の毛並みを持つ巨大な狼。
その瞳が私を射抜き、低く厳かな声が森に響く。
「……よ、汝を新たな我が騎士に任命する」
「おめでとうございます!」
「おめでとさん」
横に立つ二人の少女が声を揃える。
一人は耳の長い金髪の美しい少女。もう一人は小麦色の肌をした小柄な筋肉質の少女。
どちらも白銀のビキニアーマーをまとい、どこか神秘的な存在感を放っていた。気づけば私の格好も同じような、ビキニアーマーだった。
「それでは、儀式をはじめよう。こちらへ……」
……
……
チュンチュン。
小鳥のさえずりと朝の光で目を覚ます。
――夢、だったようだ。
「あれ……聖獣様、かな?」
けれど夢の余韻は妙に生々しい。
……どうしよう。
唐突に昨日のヤラカシを思い出す。
しかたがなかったとはいえ、男爵家令嬢の名前で勝手に森への侵入許可を出してしまった……まあ、村の人達が黙っていれば実家へ知られることもないだろう。……問題は聖獣様だ。
夢に出てきたってことは怒ってる? 菓子折り持って謝りに行った方が良い?
……でも、あれは私じゃなかった気がする。
“聖女”じゃなく“騎士”と呼ばれていたし、傍にいたのは――エルフとドワーフ?
この世界には妖精族はいない。伝承の存在だ。本当に存在していたのか、それともただの夢か。
「……まあ、考えても仕方ないか」
私は勢いよく起き上がり、朝の支度を始めた。
「おはようリリアナ」
いつものようにロゼが起きてきて空き瓶の回収して戻って来る。
そしてミミィが……あれ? 起きてこないな……
「もふぞー、ちょっとミミィの様子見てきてー」
「キュッ!」
やがてもふぞーに連れられて、寝ぼけ眼のミミィが現れた。
「おはようございまふ……」
ちょうど朝食の準備も整い、ロゼが小鳥たちに餌をやって戻ってくると、私たちは食卓についた。
――その時。
コーン、と木のフォークが落ちる音。
「あわわっ、ごめんなさい」
ミミィが慌てて拾おうとするが、手がうまく動かないらしい。
「大丈夫?」
「だ、だいじょうぶれす……でも、なんか……手がうまく……」
呂律もどこかおかしい。
嫌な汗が背中を伝った。
額に手を当てる。……少し熱がある。
表情は元気ないけどそれ以外の違和感は感じない。手の症状も両手。片側だけじゃない。
……脳とかじゃない……よね? たぶん……熱のせい……?
無理やりそう思おうとしたが、不安はどうしても拭えなかった。
ミミィのことが心配で、不思議な夢のことは既に頭から抜け落ちていた。
「食欲はある?」
「……あい」
私は洗ったフォークで、一口ずつ食べ物をミミィの口へと運ぶ。ぽつり、ぽつりと掠れた声で「ありがとうございまふ」と囁かれ、胸がきゅっとなる。
「それじゃあ、ベッドで休もうか」
食事を終えたミミィを抱えあげ、ゆっくりとベッドへと運ぶ。非力な私には大変だったが、どうしても自分がやりたかった。
「リリアナ、雑貨屋へは私が行くからミミィについててあげて」
「ありがとうね、ロゼ」
私は笑顔を作りロゼに感謝する。ロゼの心遣いが胸にしみた。
「すぐに良くなるからね」
そう言って掌に魔力を集め、回復の呪文をかける。淡い光がミミィを包むが、良くなった気配はない。
「……たうん……むらです」
小さく聞こえた言葉に眉をひそめる。
……“多分、無駄です”って言ったのかな?
「……何か、心当たりはあるの?」
「まほうの、じかんは……おわったんれす」
「どういうこと?」
「おんがえしは、おわったから……」
途切れ途切れの声。
その言葉の意味が胸に重くのしかかり、私は言葉を失った。
……そうだ、ミミィは私に恩を返すために人間になって現れたんだ。だから、私に恩を返したらそれで終わり。普通のミミズクに戻ってしまうんだ。
「まだ……だよ」
声が震える。涙が止まらない。
「まだ……恩を返してもらってないよ……服だってあげたし、ミミィのために料理だって考えたし……畑だってミミィのためなんだから!」
「……そ、うれしたね……ごめんなさい……でも、もうだめなんれす……」
「嫌だよ……もっと、一緒にいたいよ」
「もとのすがたにもろっても……いっしょにいまふよ」
ミミィはぎこちない笑顔を浮かべる。その声に滲むのは、諦めと、優しさだった。
「……ミミィ……」
「わらしは……りりあなにあえて……たのしかったれす」
その瞬間、ミミィの姿がふっと薄れていった。私の腕の中の暖かさが、するりと消える。数秒の余韻のあと、着ていた服だけが、ぱさりとベッドの上に落ちた。
「リリアナ……」
いつの間に戻ったのか、ロゼが背後から身を寄せた。もふぞーも私を慰めるように体を寄せる。
私は誰もいなくなったベッドの上を呆然と見つめていた。悲しみの波が押し寄せてくる。
——そのとき、布の下でもぞもぞと小さな影が動いた。
もぞり、と羽ばたくような音。布の隙間から小さなミミズクが顔を出した。元の姿のミミィだった。
「……ミミィ」
思わず私は飛びつくように、その小さな体を抱きしめた。
「……リリアナ、痛いです」
「へ?」
突然の声に、思わず間抜けな声が出た。
ミミィから体を離す。ミミィはしばらく身体を動かしたと思ったらポンッと言う音とともに人間の姿になっていた。
「……ミミィ……大丈夫、なの?」
「……よくわかりません。もう、『終わり』なんだって思った瞬間、なんだかあったかい力が流れ込んできて……」
「……よかった……」
そう呟くと私は再度ミミィに抱きつく。ロゼももふぞーも一緒だ。
「ちょっ、ちょっと待ってください! 服くらい着させてくださいー!」
寝室に、私たちの嬉し泣きの声と、ミミィの叫び声が響きわたった。
* * *
いつものように泉での水浴び。
結局、なんだったんだろう? 精霊王さまが助けてくれた? なら、怒ってないのかな?
もふぞー達はいつものように泉の水で遊んでいる。
パシャ! 顔に水が飛んでくる。
あーもう、こうなるよね。私もそれに参加して水を飛ばす。
水が当たる瞬間、ミミィがミミズクの姿になって水しぶきを避けていた。
「あれ?」
「どうやら元の姿にも戻れるみたいです」
ミミィはまた人の姿になると嬉しそうに笑った。
……なんか、アップデートされてる。
――でも、大事なくて本当に良かった……
私は小さくつぶやき、もふぞーの背をそっと撫でた。
そこに私は恭しく跪いていた。
目の前には白銀の毛並みを持つ巨大な狼。
その瞳が私を射抜き、低く厳かな声が森に響く。
「……よ、汝を新たな我が騎士に任命する」
「おめでとうございます!」
「おめでとさん」
横に立つ二人の少女が声を揃える。
一人は耳の長い金髪の美しい少女。もう一人は小麦色の肌をした小柄な筋肉質の少女。
どちらも白銀のビキニアーマーをまとい、どこか神秘的な存在感を放っていた。気づけば私の格好も同じような、ビキニアーマーだった。
「それでは、儀式をはじめよう。こちらへ……」
……
……
チュンチュン。
小鳥のさえずりと朝の光で目を覚ます。
――夢、だったようだ。
「あれ……聖獣様、かな?」
けれど夢の余韻は妙に生々しい。
……どうしよう。
唐突に昨日のヤラカシを思い出す。
しかたがなかったとはいえ、男爵家令嬢の名前で勝手に森への侵入許可を出してしまった……まあ、村の人達が黙っていれば実家へ知られることもないだろう。……問題は聖獣様だ。
夢に出てきたってことは怒ってる? 菓子折り持って謝りに行った方が良い?
……でも、あれは私じゃなかった気がする。
“聖女”じゃなく“騎士”と呼ばれていたし、傍にいたのは――エルフとドワーフ?
この世界には妖精族はいない。伝承の存在だ。本当に存在していたのか、それともただの夢か。
「……まあ、考えても仕方ないか」
私は勢いよく起き上がり、朝の支度を始めた。
「おはようリリアナ」
いつものようにロゼが起きてきて空き瓶の回収して戻って来る。
そしてミミィが……あれ? 起きてこないな……
「もふぞー、ちょっとミミィの様子見てきてー」
「キュッ!」
やがてもふぞーに連れられて、寝ぼけ眼のミミィが現れた。
「おはようございまふ……」
ちょうど朝食の準備も整い、ロゼが小鳥たちに餌をやって戻ってくると、私たちは食卓についた。
――その時。
コーン、と木のフォークが落ちる音。
「あわわっ、ごめんなさい」
ミミィが慌てて拾おうとするが、手がうまく動かないらしい。
「大丈夫?」
「だ、だいじょうぶれす……でも、なんか……手がうまく……」
呂律もどこかおかしい。
嫌な汗が背中を伝った。
額に手を当てる。……少し熱がある。
表情は元気ないけどそれ以外の違和感は感じない。手の症状も両手。片側だけじゃない。
……脳とかじゃない……よね? たぶん……熱のせい……?
無理やりそう思おうとしたが、不安はどうしても拭えなかった。
ミミィのことが心配で、不思議な夢のことは既に頭から抜け落ちていた。
「食欲はある?」
「……あい」
私は洗ったフォークで、一口ずつ食べ物をミミィの口へと運ぶ。ぽつり、ぽつりと掠れた声で「ありがとうございまふ」と囁かれ、胸がきゅっとなる。
「それじゃあ、ベッドで休もうか」
食事を終えたミミィを抱えあげ、ゆっくりとベッドへと運ぶ。非力な私には大変だったが、どうしても自分がやりたかった。
「リリアナ、雑貨屋へは私が行くからミミィについててあげて」
「ありがとうね、ロゼ」
私は笑顔を作りロゼに感謝する。ロゼの心遣いが胸にしみた。
「すぐに良くなるからね」
そう言って掌に魔力を集め、回復の呪文をかける。淡い光がミミィを包むが、良くなった気配はない。
「……たうん……むらです」
小さく聞こえた言葉に眉をひそめる。
……“多分、無駄です”って言ったのかな?
「……何か、心当たりはあるの?」
「まほうの、じかんは……おわったんれす」
「どういうこと?」
「おんがえしは、おわったから……」
途切れ途切れの声。
その言葉の意味が胸に重くのしかかり、私は言葉を失った。
……そうだ、ミミィは私に恩を返すために人間になって現れたんだ。だから、私に恩を返したらそれで終わり。普通のミミズクに戻ってしまうんだ。
「まだ……だよ」
声が震える。涙が止まらない。
「まだ……恩を返してもらってないよ……服だってあげたし、ミミィのために料理だって考えたし……畑だってミミィのためなんだから!」
「……そ、うれしたね……ごめんなさい……でも、もうだめなんれす……」
「嫌だよ……もっと、一緒にいたいよ」
「もとのすがたにもろっても……いっしょにいまふよ」
ミミィはぎこちない笑顔を浮かべる。その声に滲むのは、諦めと、優しさだった。
「……ミミィ……」
「わらしは……りりあなにあえて……たのしかったれす」
その瞬間、ミミィの姿がふっと薄れていった。私の腕の中の暖かさが、するりと消える。数秒の余韻のあと、着ていた服だけが、ぱさりとベッドの上に落ちた。
「リリアナ……」
いつの間に戻ったのか、ロゼが背後から身を寄せた。もふぞーも私を慰めるように体を寄せる。
私は誰もいなくなったベッドの上を呆然と見つめていた。悲しみの波が押し寄せてくる。
——そのとき、布の下でもぞもぞと小さな影が動いた。
もぞり、と羽ばたくような音。布の隙間から小さなミミズクが顔を出した。元の姿のミミィだった。
「……ミミィ」
思わず私は飛びつくように、その小さな体を抱きしめた。
「……リリアナ、痛いです」
「へ?」
突然の声に、思わず間抜けな声が出た。
ミミィから体を離す。ミミィはしばらく身体を動かしたと思ったらポンッと言う音とともに人間の姿になっていた。
「……ミミィ……大丈夫、なの?」
「……よくわかりません。もう、『終わり』なんだって思った瞬間、なんだかあったかい力が流れ込んできて……」
「……よかった……」
そう呟くと私は再度ミミィに抱きつく。ロゼももふぞーも一緒だ。
「ちょっ、ちょっと待ってください! 服くらい着させてくださいー!」
寝室に、私たちの嬉し泣きの声と、ミミィの叫び声が響きわたった。
* * *
いつものように泉での水浴び。
結局、なんだったんだろう? 精霊王さまが助けてくれた? なら、怒ってないのかな?
もふぞー達はいつものように泉の水で遊んでいる。
パシャ! 顔に水が飛んでくる。
あーもう、こうなるよね。私もそれに参加して水を飛ばす。
水が当たる瞬間、ミミィがミミズクの姿になって水しぶきを避けていた。
「あれ?」
「どうやら元の姿にも戻れるみたいです」
ミミィはまた人の姿になると嬉しそうに笑った。
……なんか、アップデートされてる。
――でも、大事なくて本当に良かった……
私は小さくつぶやき、もふぞーの背をそっと撫でた。
33
あなたにおすすめの小説
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
「女のくせに強すぎて可愛げがない」と言われ婚約破棄された追放聖女は薬師にジョブチェンジします
紅城えりす☆VTuber
恋愛
*毎日投稿・完結保証・ハッピーエンド
どこにでも居る普通の令嬢レージュ。
冷気を放つ魔法を使えば、部屋一帯がや雪山に。
風魔法を使えば、山が吹っ飛び。
水魔法を使えば大洪水。
レージュの正体は無尽蔵の魔力を持つ、チート令嬢であり、力の強さゆえに聖女となったのだ。
聖女として国のために魔力を捧げてきたレージュ。しかし、義妹イゼルマの策略により、国からは追放され、婚約者からは「お前みたいな可愛げがないやつと結婚するつもりはない」と婚約者破棄されてしまう。
一人で泥道を歩くレージュの前に一人の男が現れた。
「その命。要らないなら俺にくれないか?」
彼はダーレン。理不尽な理由で魔界から追放された皇子であった。
もうこれ以上、どんな苦難が訪れようとも私はめげない!
ダーレンの助けもあって、自信を取り戻したレージュは、聖女としての最強魔力を駆使しながら薬師としてのセカンドライフを始める。
レージュの噂は隣国までも伝わり、評判はうなぎ登り。
一方、レージュを追放した帝国は……。
【完結】聖女レイチェルは国外追放されて植物たちと仲良く辺境地でサバイバル生活します〜あれ、いつのまにかみんな集まってきた。あの国は大丈夫かな
よどら文鳥
恋愛
「元聖女レイチェルは国外追放と処す」
国王陛下は私のことを天気を操る聖女だと誤解していた。
私レイチェルは植物と対話したり、植物を元気にさせたりする力を持っている。
誤解を解こうとしたが、陛下は話すら聞こうとしてくれない。
聖女としての報酬も微々たる額だし、王都にいてもつまらない。
この際、国外追放されたほうが楽しそうだ。
私はなにもない辺境地に来て、のんびりと暮らしはじめた。
生きていくのに精一杯かと思っていたが、どういうわけか王都で仲良しだった植物たちが来てくれて、徐々に辺境地が賑やかになって豊かになっていく。
楽しい毎日を送れていて、私は幸せになっていく。
ところで、王都から植物たちがみんなこっちに来ちゃったけど、あの国は大丈夫かな……。
【注意】
※この世界では植物が動きまわります
※植物のキャラが多すぎるので、会話の前『』に名前が書かれる場合があります
※文章がご都合主義の作品です
※今回は1話ごと、普段投稿しているよりも短めにしてあります。
転生幼子は生きのびたい
えぞぎんぎつね
ファンタジー
大貴族の次男として生まれたノエルは、生後八か月で誘拐されて、凶悪な魔物が跋扈する死の山に捨てられてしまった。
だが、ノエルには前世の記憶がある。それに優れた魔法の才能も。
神獣の猫シルヴァに拾われたノエルは、親を亡くした赤ちゃんの聖獣犬と一緒に、神獣のお乳を飲んで大きくなる。
たくましく育ったノエルはでかい赤ちゃん犬と一緒に、元気に楽しく暮らしていくのだった。
一方、ノエルの生存を信じている両親はノエルを救出するために様々な手段を講じていくのだった。
※ネオページ、カクヨムにも掲載しています
義妹に苛められているらしいのですが・・・
天海月
恋愛
穏やかだった男爵令嬢エレーヌの日常は、崩れ去ってしまった。
その原因は、最近屋敷にやってきた義妹のカノンだった。
彼女は遠縁の娘で、両親を亡くした後、親類中をたらい回しにされていたという。
それを不憫に思ったエレーヌの父が、彼女を引き取ると申し出たらしい。
儚げな美しさを持ち、常に柔和な笑みを湛えているカノンに、いつしか皆エレーヌのことなど忘れ、夢中になってしまい、気が付くと、婚約者までも彼女の虜だった。
そして、エレーヌが持っていた高価なドレスや宝飾品の殆どもカノンのものになってしまい、彼女の侍女だけはあんな義妹は許せないと憤慨するが・・・。
スキル『農業』はゴミだと追放されたが、実は植物の遺伝子を書き換える神スキル【神農】でした。荒野を楽園に変えて異世界万博を開催します!
黒崎隼人
ファンタジー
「そのスキル『農業』?剣も魔法も使えないクズはいらん、失せろ!」
勇者召喚に巻き込まれて異世界へ転生した植物オタクの青年カイルは、地味なスキルを理由に王都を追放され、死の荒野へと捨てられた。
しかし、誰も知らなかったのだ。
彼のスキルが、ただの農業ではなく、植物の遺伝子さえ書き換え、不毛の大地を瞬く間に聖域に変える神の力【神農】であることを。
荒野を一瞬で緑豊かな楽園に変えたカイルは、伝説の魔獣フェンリルを餌付けして相棒にし、傷ついた亡国の美姫ソフィアを助け出し、自由気ままなスローライフを開始する。
やがて彼が育てた作物は「エリクサーより効く」と評判になり、その噂を聞きつけた商人によって、彼の領地で世界規模の祭典――『異世界万博』が開催されることに!?
一方、カイルを追放した王国は深刻な食糧難に陥り、没落の一途をたどっていた。
「今さら戻れと言われても、この野菜は全部、俺とソフィアのとフェンのものですから」
最強の農民が送る、世界を揺るがす大逆転・万博ファンタジー、ここに開幕!
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる