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ひとり、ふたり、たくさん
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ひとりは、寂しいもの。
ぼくは気が付いたらひとりで、何をするにもひとりで、大概のことは何でもひとりで出来た。ひとりに慣れた。
あるときぼくはふたりになった。
ふたり目のぼくはぼくを見てほほえんだり、おしゃべりをしたりした。何をするにもふたりで、ずっとふたりで一緒にいようと言い合った。ふたりになれた。
けれど、ぼくはまたひとりに戻った。
何をするにもひとり、何でもひとりでしなくちゃならなくなった。ひとりになってしまった。今度はひとりに慣れなかった。
ぼくはふたり目のぼくを恋しく思った。ああ、これがそうか、と妙に納得した。
ひとりって、寂しかったんだ。
もう少し手をのばせば捕まえられた。
もう少し早く走れれば追いつけた。
ぼくは早く大きくなりたいと思った。
いつかまたもうひとりのぼくが現れたときに胸を張ってまたふたりになろうと言えるように。
ひとりは、寂しいから。
日が経ち、再び現れたひとりの子は、ふたり目のぼくじゃなかった。ぼくはふたりになれなかった。
けれどぼくはもう、ひとりじゃなかった。ひとりにならなかった。
ひとりは、寂しかったかな?
尋ねるとひとりだった子は、そうでもなかったよ、とあっちを向いた。
そういうものか、と思った。
たくさんに気が付いたぼくは、たくさんになれた。もう、ひとりにはならないだろう。
ひとりだった子は、またひとりに戻った。
けれど、ひとりぼっちにはならないだろう。
ぼくだって、ひとりだったけどひとりぼっちにはならなかったんだから。
ぼくは気が付いたらひとりで、何をするにもひとりで、大概のことは何でもひとりで出来た。ひとりに慣れた。
あるときぼくはふたりになった。
ふたり目のぼくはぼくを見てほほえんだり、おしゃべりをしたりした。何をするにもふたりで、ずっとふたりで一緒にいようと言い合った。ふたりになれた。
けれど、ぼくはまたひとりに戻った。
何をするにもひとり、何でもひとりでしなくちゃならなくなった。ひとりになってしまった。今度はひとりに慣れなかった。
ぼくはふたり目のぼくを恋しく思った。ああ、これがそうか、と妙に納得した。
ひとりって、寂しかったんだ。
もう少し手をのばせば捕まえられた。
もう少し早く走れれば追いつけた。
ぼくは早く大きくなりたいと思った。
いつかまたもうひとりのぼくが現れたときに胸を張ってまたふたりになろうと言えるように。
ひとりは、寂しいから。
日が経ち、再び現れたひとりの子は、ふたり目のぼくじゃなかった。ぼくはふたりになれなかった。
けれどぼくはもう、ひとりじゃなかった。ひとりにならなかった。
ひとりは、寂しかったかな?
尋ねるとひとりだった子は、そうでもなかったよ、とあっちを向いた。
そういうものか、と思った。
たくさんに気が付いたぼくは、たくさんになれた。もう、ひとりにはならないだろう。
ひとりだった子は、またひとりに戻った。
けれど、ひとりぼっちにはならないだろう。
ぼくだって、ひとりだったけどひとりぼっちにはならなかったんだから。
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