クローバー

clover

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12話

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朝起きると、陽花の前髪の左側が、白くなっていた。
「陽花...それ...、どうした?」
「わかんない...なんか朝起きたら視界に白い髪が入ってきて...。」
「どうなってんだこりゃ...」
「体調は大丈夫なのか?」
「え?あ、全然元気なんだけど...。」
「学校行けるか?」
「うん。行く。」



そう言っていつも通り、花に水をやって2人で家を出た。
(この花、そろそろ潮時かなぁ。最近少し萎れ始めたような気がする...。もう7月に入ったからなぁ。)


学校では陽花は周りから視線を感じながらもなんとか1日を過ごせたようだ。


そしてまたテーブルを挟んで話す。
「陽花...?」
「うん?」
「髪...大丈夫なのか?それ。」
「うん、学校では見られてたけど体調は良いし、何も変わったことはないよ。」
「そうか。それなら良いんだが。」
そして陽花は突然、神妙な面持ちで一言。
「もう......7月かぁ...。」
「...、どうしたんだよ...!心配になるじゃん!何かあるなら言ってよな?」
「ううん!なんでもないよ!陽花は美樹と一緒ならそれでいいの!」
「そうか。じゃあ、陽花が元気そうなので、今日はもう風呂入って寝よう!」
「うん!!」



翌朝、
「陽花、、、でもやっぱ、その髪で外出ると目立たないか?」
「そうかなぁ...。」
「染める?いっそのこと切っちゃう?」
「うーーん、、、染めるのはなぁ...もういいや!切っちゃえ!!!」
「そうか。じゃあ明日、美容院行くか。」
「うん!」
ノリで髪を切ることになってしまったが、大丈夫なのだろうか?



そして次の日、僕と陽花は病院のそばにある美容院へ行った。
「じゃあ、僕は買い物行ってくるから、終わったら先に帰ってて。」
「うん!わかった!いってらっしゃい!!」


僕は晩ご飯の買い出しに行き、1時間ほど経って家に帰ると...
「陽花、随分とバッサリいったんだなぁ...」
「うん...。」
陽花は視線を反らしてあからさまにモジモジしている。僕に何を求めているかはすぐにわかった。
「陽花。似合ってるよ。」
「ほぉんとぉー?!」
「ほんとだよ。」
美容師さんも、白い部分が目立たないように切ってくれたようだ。
肩甲骨辺りまで下ろしていた髪が、バッサリ落ちてボブになっていた。前髪の左側を三つ編みしてこめかみが見えている。そのおかけで白い部分は目立たなかった。



僕はその晩、布団で思うことがあった。
(もう陽花がうちへ来て2ヶ月かぁ。色々あったなぁ。なんだか最近、陽花が妹みたいに思えてきた。陽花が来る前は両親は家にいないし、ずっと1人だったけど、家族がいるってこんな感じなのかなぁ。)












取り敢えず寝よう。













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