異世界犯罪対策課

河野守

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・アルミトス
 異世界の一つ。
 秘密主義の軍事世界。気候、地形が非常に厳しく、資源も乏しい。そのため他の世界に侵攻し、資源や領土の奪取を常に狙っている。現在もいくつかの世界と戦争状態だ。
 この世界は一つの国が全体を支配している、一国独裁の世界だ。住民や企業などは全て管理下に置かれている。
 この世界の住人はルーンという特殊な文字を物質に刻み、その物質に様々な特性を与えることが出来る。ルーンの効力はそれほど強いものではなく、単に耐久力を上げたり、重さをわずかながら軽減するものである。彼らの真骨頂は軍事技術。軍人達は強固な精鋭揃いであり、ルーンで強化された剣、銃、パワードスーツを身につけ、統一された動きで連携してくる。
 この世界では徹底的な情報統制が行われており、内情が他の世界に漏れないように気をつけている。だが、時折亡命者がおり、最近の動向は彼らから聞いている。
 アルミトスは世界間犯罪協力条約には批准していない。リベレーションの件で日本政府や日本警察、被害を受けている他の世界が問い合わせたが、返答なし。
 我妻和奏《あがつまわかな》という女子高生を唆し、連れて行こうという疑いがある。

・異世界人
 本作の主人公、明善達が住んでいる世界とは異なる世界、その世界の住人を指す。

・異世界通行許可証
 世界間の通行・渡航を許可したことを証明する書類。異なる世界にいく場合は、まず自分の世界の行政機関に申請を出す。申請者に何か問題がある場合は、この時点で申請拒否される。行政機関から異締連に申請が届き審査。審査が通った場合は行き先の世界に申請が届き、そこでも申請が通ることでようやく異世界への行き来が可能となる。
 異世界に滞在中はこの許可証を必ず持ち歩いている必要があり、その世界の行政機関、司法機関から提示を求められた場合は、速やかに提示しなければいけない。
 この許可証が無いと、日本では異世界不法渡航罪に問われる。


・異世界犯罪対策課
 十五年前の聖凛高校集団失踪事件をきっかけに、警察に新設された部署である。通称異犯対。その名の通り、異世界関連の犯罪、異世界の関与が疑われる過去の未解決事件を担当する。各警察署に存在しているが、署によって人数に大きな違いがある。異世界犯罪が多い東京都や大都市には多くの警察官が配属されているが、地方で十人以下というのは珍しくない。
 殺人事件や誘拐事件、窃盗などの捜査の途中で、異世界の関連が判明することがある。基本的には他の部署との連携する場面が多い。
 様々な分野の法律や、異世界の知識の勉強をする必要あり、かつ書類仕事に忙殺されがちである。それらのことから、この部署を志望する人間は少ない。

 ・異世界犯罪対策法
 異世界の存在を確認してから、施行された日本の法律。その名の通り異世界関連の犯罪を取り締まる法律である。
 異世界関連の法律を施行したのは日本が最初であり、諸外国はこの異世界犯罪対策法を参考に、各々法律を施行している。
 
 ・異世界不法渡航罪
  異世界犯罪対策法の罪状の一つ。異世界への渡航は例外を除き、官僚や警察官、政治家、異締連の職員など、特定の人物が許可を得た場合のみ可能。現状、許可無き一般人の渡航は基本的には違法である。異世界犯罪において、最も検挙率が高い。
 間の回廊への侵入は適応されない。また、何らかの緊急性を有する理由(人命や人権に関わる場合)があり、やむを得ず異世界に来た場合は適応されない、または後に不起訴処分となる。


・異世界裁判
 正式名称は異世界犯罪対策法に関する裁判。異世界で犯罪を行った場合は、基本的にその世界、国の法律で裁かれる。日本で異世界犯罪対策法に抵触した場合、異世界人は日本の裁判によって裁かれる。弁護士も日本における弁護士資格を有する者が担当するが、世界間の価値観に大きなギャップが存在する場合がある。被告人の要望により、被告人の世界の弁護人相当の人物、または異締連の所属弁護士に依頼することが可能。

 ・異世界犯罪取締連合
 通称:異締連
 異世界間での犯罪を取り締まるために組織された。日本、各国の官僚もよく出入りしている。
 各世界の警察組織、治安維持組織との連携を行い、情報共有、各世界に問い合わせを行ったりする。基本的には捜査には介入せず、あくまで間を取り持つ存在。ただし、人手不足や、その世界の治安維持組織では手に余ると判断した場合は、職員や部隊を派遣することがある。各々世界には職員が在中している。
 異締連には特殊な能力を持った人材が多数が在籍している。各世界からの要請を受け、証拠品の調査や情報提供を行う。
 

・異世界排斥主義
 異世界人、異世界人との関わりを排除しようとする考え方。明善達の世界において、異世界の存在が確認された直後に生まれた。異世界人に家族が危害を加えられた者、自分達の世界が侵略されると考えている者、なんとなく怖い者などがこの主義を掲げている。
 過激な人間の中には、テロ行為に近いことを行う者もいる。警察も異世界排斥主義の人間に対しては警戒心を抱いており、公安がマークしている団体も存在する。


・純世界(クリアワールド)
 異世界排斥主義を掲げる団体。デモを中心に活動しており、一応非暴力の温和な団体に見える。


・異世界対策機動隊
 略称は異対機動隊。異世界の存在が確認されて以降、警察の機動隊に新設された部門。その名の通り、異対機動隊は武装した異世界人に対応する部隊である。彼らはそれぞれの県警本部に所属し、それぞれの所轄からの要請に応じて出動する。
 基本的に異犯対と組むことが多い。普段は通常の機動隊として活動するが、要請があった場合、異対機動隊として任務に当たる。
 福島県警の異対機動隊の人数は六十人ほど。
異犯対と共同で訓練を行うことがあり、明善達は彼らと親交がある。



 ・イルマ
 異世界の一つ。十五年前の聖凛高校集団失踪事件を起こした異世界人は、この世界の人間である。調査した結果、とある国の貴族が首謀者であると判明。その貴族はカルト教団の教祖でもあり、こちらの世界の人間を拉致し、武器としての利用を企んでいた。その国の国王はすぐに被害者と日本政府に謝罪。被害者達には名産品であるガラス製品が謝罪の品として送られた。以降、明善達の世界、特に日本とは友好関係を築いている。

・ヴェスタ
 第二章で登場。
 異締連に所属。ヴェスタの世界の住人が使える異能は、『精霊との対話』。自然万物に宿る精霊と対話するだけの能力である。精霊を利用し何かしらの災害を起こす、などということはできない。あくまで精霊と会話するだけの能力。
 住人達は非常に温厚であり、争いごとは皆無。殺人事件はしばらくの間起きておらず、彼らの世界では傷害や窃盗が凶悪犯罪と捉えられている。のんびりとした性格の人間が多く、異締連に提出する書類が遅れることはいつものこと。
 蒸気機関などを有しており、科学力は決して低いとは言えない。ただ、自然を第一に考えており、自然破壊は御法度。科学技術を使っているのは長距離の輸送や医療などに限定している。
 ヴェスタには好意を持つ異性に対し、贈り物をする習慣がある。贈り物をその異性の家に送り続け、相手が好意を受け入れる場合は家の前に緑色の布を下げる。逆に拒絶する場合は、黄色い布を掲げる。
 とあるヴェスタの男性が明善達の世界の女性に対し、右記の習慣で贈り物をし続けたのだが、価値観の違いからトラブルに。ストーカー行為を受けていると、明善達異犯対に相談が寄せられる。
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