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魔法使いの国編
第47話 召喚してはいけない者を
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「降臨《サモン》」
生徒が一人ずつ魔法陣に向かって、召喚魔法を唱える。
この世界には魔法には大きく分けて3種類ある。
攻撃魔法、治癒魔法、そして召喚魔法。
シヲリが言っていた通り、魔法使いはその3つを使うことが出来る。
だが、その3つを同等レベルに使いこなすのは難しい。
だから、多くの魔法使いは、自分の専門とする魔法を選択し、その技術を磨くことになる。
ただし、賢者を除いて。
「ワンワン!」
一人目の生徒の手によって召喚されたのは、柴犬だった。
次の生徒は、湯呑に入った緑茶だった。
次の生徒は、レトルトパウチの味噌汁だった。
そして、その日の夜に時間は戻る。
「あ」
僕は閃いた。
「何?」
「ジェニ姫、あなたはどうですか?」
「私に召喚魔法をやれって?」
「はい」
そして、僕らは深夜の校庭に立った。
目の前には魔法陣がある。
「私、召喚魔法やったことないんだよね。何が出て来るか分からないわよ」
「大丈夫です! 水属性最強の攻撃魔法使いジェニ姫なら召喚魔法なんてちょろいですよ!」
僕が褒めたことで気を良くしたのか、ジェニ姫は唱えた。
「降臨《サモン》」
魔法陣の中央から光の柱が立ち昇る。
光の中から現れたのは……
「誰?」
魔法陣の中央に倒れているのは、細身の女の子だった。
年は十代といったところか。
美しく長い栗色の髪。
服装は、僕の少ない語彙じゃ形容し難いな。
上着は紺色で胸に白いリボンが付いている。
肩から胸元にかけて前掛けをしている。
その前掛けには白いストライプが入ってる。
スカートは膝丈までで、これまた紺色。
「あれ? ここはどこ?」
目を覚ました。
不思議そうにあたりを見渡している。
「ここは、グラン王国です」
「え?」
少女の顔に不安の色が差す。
見る物全てが初めてなのだろう。
熱を持った赤い空。
小高い丘の上に建つ真っ赤に染まったルビーの城。
「私、渋谷で慶太君とデートしてたのに……。ねえ? 慶太君はどこ?」
少女が取り乱している。
僕は安心させるために、こう言った。
「大丈夫です。ここは安全ですから。きっと戻してあげます」
「いやああ! 今スグ日本に戻して!」
どうしていいか分からない僕はジェニ姫の方を向いた。
ジェニ姫は肩をすくめた。
「デーモンでも呼ぼうと思ったら、こんなガキが出て来るなんて」
デーモンとは……
身長50メートル。
筋肉質の真っ黒な体。
太い首に牛の顔が乗っかっていて、額の両サイドから渦巻き状の羊みたいな角が飛び出ている。
異常な魔力と攻撃力を誇る。
そんなラスボスみたいな生物をジェニ姫は召喚するつもりだったらしい。
「だって、デーモンと契約すれば、グラン何て簡単に倒せそうじゃない」
ジェニ姫は事も無げにそう言った。
僕は、そんな恐ろしい奴と一緒に戦いたくない。
「あの……」
少女が僕とジェニ姫のやり取りに割って入る。
「私、早川沙織って言います。南都可高校の一年です。マジ早く帰りたいので、警察呼んでもらえませんか?」
つづく
生徒が一人ずつ魔法陣に向かって、召喚魔法を唱える。
この世界には魔法には大きく分けて3種類ある。
攻撃魔法、治癒魔法、そして召喚魔法。
シヲリが言っていた通り、魔法使いはその3つを使うことが出来る。
だが、その3つを同等レベルに使いこなすのは難しい。
だから、多くの魔法使いは、自分の専門とする魔法を選択し、その技術を磨くことになる。
ただし、賢者を除いて。
「ワンワン!」
一人目の生徒の手によって召喚されたのは、柴犬だった。
次の生徒は、湯呑に入った緑茶だった。
次の生徒は、レトルトパウチの味噌汁だった。
そして、その日の夜に時間は戻る。
「あ」
僕は閃いた。
「何?」
「ジェニ姫、あなたはどうですか?」
「私に召喚魔法をやれって?」
「はい」
そして、僕らは深夜の校庭に立った。
目の前には魔法陣がある。
「私、召喚魔法やったことないんだよね。何が出て来るか分からないわよ」
「大丈夫です! 水属性最強の攻撃魔法使いジェニ姫なら召喚魔法なんてちょろいですよ!」
僕が褒めたことで気を良くしたのか、ジェニ姫は唱えた。
「降臨《サモン》」
魔法陣の中央から光の柱が立ち昇る。
光の中から現れたのは……
「誰?」
魔法陣の中央に倒れているのは、細身の女の子だった。
年は十代といったところか。
美しく長い栗色の髪。
服装は、僕の少ない語彙じゃ形容し難いな。
上着は紺色で胸に白いリボンが付いている。
肩から胸元にかけて前掛けをしている。
その前掛けには白いストライプが入ってる。
スカートは膝丈までで、これまた紺色。
「あれ? ここはどこ?」
目を覚ました。
不思議そうにあたりを見渡している。
「ここは、グラン王国です」
「え?」
少女の顔に不安の色が差す。
見る物全てが初めてなのだろう。
熱を持った赤い空。
小高い丘の上に建つ真っ赤に染まったルビーの城。
「私、渋谷で慶太君とデートしてたのに……。ねえ? 慶太君はどこ?」
少女が取り乱している。
僕は安心させるために、こう言った。
「大丈夫です。ここは安全ですから。きっと戻してあげます」
「いやああ! 今スグ日本に戻して!」
どうしていいか分からない僕はジェニ姫の方を向いた。
ジェニ姫は肩をすくめた。
「デーモンでも呼ぼうと思ったら、こんなガキが出て来るなんて」
デーモンとは……
身長50メートル。
筋肉質の真っ黒な体。
太い首に牛の顔が乗っかっていて、額の両サイドから渦巻き状の羊みたいな角が飛び出ている。
異常な魔力と攻撃力を誇る。
そんなラスボスみたいな生物をジェニ姫は召喚するつもりだったらしい。
「だって、デーモンと契約すれば、グラン何て簡単に倒せそうじゃない」
ジェニ姫は事も無げにそう言った。
僕は、そんな恐ろしい奴と一緒に戦いたくない。
「あの……」
少女が僕とジェニ姫のやり取りに割って入る。
「私、早川沙織って言います。南都可高校の一年です。マジ早く帰りたいので、警察呼んでもらえませんか?」
つづく
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