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エピローグ
最終話 ハッピーエンド
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ベッドに横たわるジェニ姫。
眠ったままの彼女は、10年経ってもあの時のままだ。
僕は彼女の口元に瓶の口を押し当てた。
黒い万能薬が彼女の体内に入って行く。
沢山旅したこと、沢山戦ったこと。
忘れられない沢山の場面が思い起こされる。
瓶の中は空になった。
あれ?
だけど、何も起きないんですけど......
僕は頭を抱えてしまった。
この薬って消費期限あったりする?
それとも、あの神はペテン師だったのだろうか。
「......キスしたら、目、覚めるかもよ」
え?
微かにジェニ姫の声が聞こえた。
白い面《おもて》に、桜色の唇。
その唇がうす笑いの形をしている。
起きてるじゃん。
なるほど、そういうことか......
僕はジェニ姫の唇に自分の唇を重ねた。
長いまつ毛が上を向く。
サファイヤブルーの瞳に僕が映り込んでいる。
「おはよ」
「おはようございます」
沈黙。
ジェニ姫は僕の目をじっと見たままだ。
「あの......姫......」
だけど、彼女は黙ったままだ。
何かをねだるような目だ。
そっか。
ジェニ姫は、あの時のままなんだ。
僕の、あの時の言葉の続きを待っている。
「ジェニ姫」
「はい」
「僕と結婚して下さい」
「はいっ!」
おわり
眠ったままの彼女は、10年経ってもあの時のままだ。
僕は彼女の口元に瓶の口を押し当てた。
黒い万能薬が彼女の体内に入って行く。
沢山旅したこと、沢山戦ったこと。
忘れられない沢山の場面が思い起こされる。
瓶の中は空になった。
あれ?
だけど、何も起きないんですけど......
僕は頭を抱えてしまった。
この薬って消費期限あったりする?
それとも、あの神はペテン師だったのだろうか。
「......キスしたら、目、覚めるかもよ」
え?
微かにジェニ姫の声が聞こえた。
白い面《おもて》に、桜色の唇。
その唇がうす笑いの形をしている。
起きてるじゃん。
なるほど、そういうことか......
僕はジェニ姫の唇に自分の唇を重ねた。
長いまつ毛が上を向く。
サファイヤブルーの瞳に僕が映り込んでいる。
「おはよ」
「おはようございます」
沈黙。
ジェニ姫は僕の目をじっと見たままだ。
「あの......姫......」
だけど、彼女は黙ったままだ。
何かをねだるような目だ。
そっか。
ジェニ姫は、あの時のままなんだ。
僕の、あの時の言葉の続きを待っている。
「ジェニ姫」
「はい」
「僕と結婚して下さい」
「はいっ!」
おわり
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20話と21話が重複してますよ
屑と裏切り女は放置一択のようで。Σ(-∀-;)