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第47話 決意
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イリアス山は、コヒード大陸から船で三時間ほど掛けて辿り着く。
ハダル島にそびえ立つ雪山のことだ。
ゲーム序盤で行くことは無い。
というか、ゲーム序盤では行くことが、”出来ない。”
港町マドニアからハダル島へ定期船が出ていないからだ。
行けるとしたらゲーム中盤、自家用船を手に入れて自由に航海出来るようになってからだ。
そして、イリアス山は別に行かなくてもゲーム攻略に影響はない。
だが、ゲームをプレイしていた山田久留洲だった頃のクルスは、良くイリアス山に登っていた。
そこには珍しいアイテムがあったり、倒すと経験値が高いモンスターがいる。
つまり、レベル上げやアイテム収集が目的で登っていた。
クルスは呟いた。
「アポロの花の蜜にそんな効果があったとは……」
ゲームの時、山頂で確かにその花はひっそりと咲いていた。
水色の花びらが美しい花だった。
その蜜は小麦と調理することで美味しいパンが作れた。
この異世界では、その蜜に母の病を治す効果があるという。
取りに行くべきかどうか、迷う余地は無かった。
「しかし、難しいぞ……」
BやCクラスのモンスターが普通に現れる。
そして、山頂には『グリーンドラゴン』というAクラスのモンスターがいる。
今のクルスのレベルは26だ。
BやCクラスなら何とかなっても、集団で来られたり、Aクラスが現れればたまったもんじゃない。
それに、行くとしたらソロだ。
パーティメンバーもいない。
これでは、命が幾つあっても足りない。
「母さん……」
クルスは目を閉じたまま微かに息をしているユナを見た。
クルスはどうすべきか迷った。
その時、
「俺が行こう!」
部屋中にナツヤの声が響いた。
「俺が行って何とかその花を取ってくる。クルス、家のことは任せたぞ!」
ナツヤの行動は愛する人のためにとって、当然のことだった。
だが、クルスはナツヤのステータスを見た。
名前:ナツヤ
レベル:12
性別:男
職業:農民
HP:510
MP:0
攻撃力:414
防御力:246
素早さ:105
スキル:居合切り
魔法:不明
(親父……。気持ちはありがたいが、あんたじゃ無理だ)
イリアス山にはナツヤの何倍も強いモンスターがいる。
そして、この異世界とゲームがどこまで同じか分からないが、Cクラス以上のモンスターは七英雄の末裔とイベントキャラしか倒せない。
これは、
城の兵士が集団でモンスターを責めれば有利なのでは?
というプレイヤーの疑問に対する運営側の回答というか理由付けでもあった。
Cクラス以上のモンスターは特別な力を持つ者しか倒せない。
つまり、NPC扱いのナツヤがいくら頑張っても勝てないし、殺される。
クルスは腹を決めた。
息を吸い込み、
「親父、僕が行くよ」
つづく
ハダル島にそびえ立つ雪山のことだ。
ゲーム序盤で行くことは無い。
というか、ゲーム序盤では行くことが、”出来ない。”
港町マドニアからハダル島へ定期船が出ていないからだ。
行けるとしたらゲーム中盤、自家用船を手に入れて自由に航海出来るようになってからだ。
そして、イリアス山は別に行かなくてもゲーム攻略に影響はない。
だが、ゲームをプレイしていた山田久留洲だった頃のクルスは、良くイリアス山に登っていた。
そこには珍しいアイテムがあったり、倒すと経験値が高いモンスターがいる。
つまり、レベル上げやアイテム収集が目的で登っていた。
クルスは呟いた。
「アポロの花の蜜にそんな効果があったとは……」
ゲームの時、山頂で確かにその花はひっそりと咲いていた。
水色の花びらが美しい花だった。
その蜜は小麦と調理することで美味しいパンが作れた。
この異世界では、その蜜に母の病を治す効果があるという。
取りに行くべきかどうか、迷う余地は無かった。
「しかし、難しいぞ……」
BやCクラスのモンスターが普通に現れる。
そして、山頂には『グリーンドラゴン』というAクラスのモンスターがいる。
今のクルスのレベルは26だ。
BやCクラスなら何とかなっても、集団で来られたり、Aクラスが現れればたまったもんじゃない。
それに、行くとしたらソロだ。
パーティメンバーもいない。
これでは、命が幾つあっても足りない。
「母さん……」
クルスは目を閉じたまま微かに息をしているユナを見た。
クルスはどうすべきか迷った。
その時、
「俺が行こう!」
部屋中にナツヤの声が響いた。
「俺が行って何とかその花を取ってくる。クルス、家のことは任せたぞ!」
ナツヤの行動は愛する人のためにとって、当然のことだった。
だが、クルスはナツヤのステータスを見た。
名前:ナツヤ
レベル:12
性別:男
職業:農民
HP:510
MP:0
攻撃力:414
防御力:246
素早さ:105
スキル:居合切り
魔法:不明
(親父……。気持ちはありがたいが、あんたじゃ無理だ)
イリアス山にはナツヤの何倍も強いモンスターがいる。
そして、この異世界とゲームがどこまで同じか分からないが、Cクラス以上のモンスターは七英雄の末裔とイベントキャラしか倒せない。
これは、
城の兵士が集団でモンスターを責めれば有利なのでは?
というプレイヤーの疑問に対する運営側の回答というか理由付けでもあった。
Cクラス以上のモンスターは特別な力を持つ者しか倒せない。
つまり、NPC扱いのナツヤがいくら頑張っても勝てないし、殺される。
クルスは腹を決めた。
息を吸い込み、
「親父、僕が行くよ」
つづく
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