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第49話 NPC殺しはペナルティ。それでも狩り場を目指す者達
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私はトラ猫協同組合の部屋に一歩、足を踏み入れた。
「おっと」
血まみれになって倒れているドワーフの男に躓きそうになった。
「おい、大丈夫か?」
返事が無い。
ステータスを見させてもらう。
HPが0だ。
死んでいる。
そして、何者かに部屋が荒らされ、物が盗まれた様だ。
「ユウタ!」
私は思わず叫んだ。
部屋中に声が響く。
彼が巻き込まれていないか心配だ。
私は死んだドワーフに手を合わせた。
何もしてやれず、心が痛んだ。
◇
森を抜け、辿り着いた武器工房。
同じくドワーフの男が殺されていた。
そこも荒らされていた。
私は手を合わせた。
子供の頃から、親やジジイから亜人間は殺すなと言われてきた。
それは、彼らがNPCだかららしい。
NPCを殺した者はペナルティを負うからだ。
NPCが何なのか分からない。
私は彼らと関わることがなかったので、ユウタのことが無ければ思い出すことも無かった。
ペナルティを冒してまでNPCを殺したのは何者か?
地下室へ向かう。
髭面の男が言った通り、転移扉があった。
私は迷わず入った。
◇
扉を開けると、そこは暗闇だった。
洞窟か何かに通じていたのだろうか。
懐中から蛍を取り出し、灯り代わりにする。
出口を求め、進む。
それにしても、そろそろガイアからお叱りの通信が来るかと思ったが、未だに来ない。
あの門番が黙ってくれているのか、ガイアが私を見逃してくれているのか、それとも、わざと泳がせているのか……
思いを巡らせながら歩いていると、光が見えて来た。
◇
洞窟を出た。
赤土の荒野が一面に広がっていた。
人の気配が無い。
転移扉を抜けたらすぐに辺境かと思っていたが、その考えは甘かったと言わざるを得ない。
亜人間側からすれば、辺境から離れた場所に転移扉を作るのは当然のことだ。
転移扉の存在がバレても、自分達の住処から離れていれば多少の安全は確保出来る。
それにしても……
地図ぐらい持ってくれば良かったと後悔しても後の祭りだ。
どの方角に進めば辺境に行けるかも分からない。
とりあえず歩き出す。
◇
一時間歩いたが、何も見えてこない。
そう思った時、翼がはためく音がした。
上を見上げた。
「グリフォン……」
雄大な翼で空を切っている。
私は目で追った。
グリフォンの背にはオーガと猫人間が乗っていた。
亜人間が乗っているということは、このグリフォンが飛んで来た方角に辺境があるということか。
私は歩を進めた。
つづく
「おっと」
血まみれになって倒れているドワーフの男に躓きそうになった。
「おい、大丈夫か?」
返事が無い。
ステータスを見させてもらう。
HPが0だ。
死んでいる。
そして、何者かに部屋が荒らされ、物が盗まれた様だ。
「ユウタ!」
私は思わず叫んだ。
部屋中に声が響く。
彼が巻き込まれていないか心配だ。
私は死んだドワーフに手を合わせた。
何もしてやれず、心が痛んだ。
◇
森を抜け、辿り着いた武器工房。
同じくドワーフの男が殺されていた。
そこも荒らされていた。
私は手を合わせた。
子供の頃から、親やジジイから亜人間は殺すなと言われてきた。
それは、彼らがNPCだかららしい。
NPCを殺した者はペナルティを負うからだ。
NPCが何なのか分からない。
私は彼らと関わることがなかったので、ユウタのことが無ければ思い出すことも無かった。
ペナルティを冒してまでNPCを殺したのは何者か?
地下室へ向かう。
髭面の男が言った通り、転移扉があった。
私は迷わず入った。
◇
扉を開けると、そこは暗闇だった。
洞窟か何かに通じていたのだろうか。
懐中から蛍を取り出し、灯り代わりにする。
出口を求め、進む。
それにしても、そろそろガイアからお叱りの通信が来るかと思ったが、未だに来ない。
あの門番が黙ってくれているのか、ガイアが私を見逃してくれているのか、それとも、わざと泳がせているのか……
思いを巡らせながら歩いていると、光が見えて来た。
◇
洞窟を出た。
赤土の荒野が一面に広がっていた。
人の気配が無い。
転移扉を抜けたらすぐに辺境かと思っていたが、その考えは甘かったと言わざるを得ない。
亜人間側からすれば、辺境から離れた場所に転移扉を作るのは当然のことだ。
転移扉の存在がバレても、自分達の住処から離れていれば多少の安全は確保出来る。
それにしても……
地図ぐらい持ってくれば良かったと後悔しても後の祭りだ。
どの方角に進めば辺境に行けるかも分からない。
とりあえず歩き出す。
◇
一時間歩いたが、何も見えてこない。
そう思った時、翼がはためく音がした。
上を見上げた。
「グリフォン……」
雄大な翼で空を切っている。
私は目で追った。
グリフォンの背にはオーガと猫人間が乗っていた。
亜人間が乗っているということは、このグリフォンが飛んで来た方角に辺境があるということか。
私は歩を進めた。
つづく
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