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第110話 やっぱり転移先はあの場所。誰が本物で誰が偽物?
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「ユウタさん、ユウタさん!」
私は叫んだ。
だが返事は無く、仄暗い土壁の通路に虚しく私の声だけが反響する。
通信が届かない。
仕方なくもう一度、声を張り上げる。
残響だけが耳朶を打つ。
それにしても、転移玉による移動でダンジョンの中に放り込まれるとは思ってもみなかった。
ダンジョン探索の経験はあるが、このダンジョンに関しては見覚えが無い。
兎に角、早くユウタとフィナと合流しここを脱出しなければならない。
◇
薄暗くて狭い通路をタイマツ片手に進む。
光球などの光源系の魔法は付与術師しか使えないので、タイマツの明りが頼りだ。
チュウ、チュウ……
ネズミの鳴く声が聞こえる。
獣を使役するモンスターでもいるのか?
警戒しながら前を行くと、地面に人の足の様なものが見えた。
大量のネズミが蠢いていた。
その間から、もぬけの殻になった鋼鉄の鎧が見えた。
「テトラ!」
私は思わず叫んでいた。
竜の装飾が施された鎧は、我がギルドのメンバーにして主力戦士のものだった。
鎧の中身がほぼ空っぽだ。
厳密には彼の体毛だけが残されていた。
何らかの理由で死んだ彼は、ネズミの餌になり果てていたのだ。
「おお……」
何ということだ。
死ぬなんて……あんなにも、一緒に戦った彼が……
彼の側で私は膝まづく。
驚いたネズミたちは四方八方に逃げて行った。
彼に手を合わせた。
蘇生の魔法を使ってやりたい。
だがそれ以前に、蘇生させることは出来ない。
何故なら、肉体が消失した以上、魂が戻る場所は無いからだ。
「テトラよ。きっと……きっと……魔王を倒し、必ずや地球へと転生させて見せます」
ん?
何で、彼がここにいる。
彼はラストダンジョンを探索していたはず?
「なるほど」
ここがラストダンジョンなのだ。
ということは、ここは双子の段。
テトラは探索中に何らかの理由で殺された。
まさかラストダンジョンに転移するとは。
ユウタもフィナもここにいるのだろうか?
攻略法がはっきりと判明していない双子の段のボスモンスター。
ユウタが心配だ。
間違えてボス部屋に入ろうものなら……
「良かった! 無事だった!」
背後から、肩をポンと叩かれる。
ユウタの聞き慣れた声に安堵し、振り返る。
「ユウタさん!」
「心配しましたよ。さぁ、一緒に行きましょう!」
明るい笑顔のユウタ。
こんな状況なのに、能天気だ。
そこに違和感を感じた。
ま、暗く落ち込んでいるよりはマシだが。
私はからの目を見て、訊ねた。
「あの……フィナさんは?」
「え?」
「エルフの」
「あっ……ああ。まだどこにいるか分かりません。一緒に探しましょう」
声を上ずらせている。
私は首を傾げた。
「変なユウタさん」
<ガイア様>
通信が入った。
ロドリゴからだ。
どうやらダンジョン外からの通信は受け付けることが出来るらしい。
<今、どこですか?>
「それが……」
私は転移玉を使ったことで、ラストダンジョンに転移したことを話した。
そして、テトラが死んだことも話した。
<彼らから通信があり、把握しています>
「そうですか……」
ロドリゴは黙り込んだ。
「どうしましたか?」
<はい……大祖先様が……亡くなられました>
つづく
私は叫んだ。
だが返事は無く、仄暗い土壁の通路に虚しく私の声だけが反響する。
通信が届かない。
仕方なくもう一度、声を張り上げる。
残響だけが耳朶を打つ。
それにしても、転移玉による移動でダンジョンの中に放り込まれるとは思ってもみなかった。
ダンジョン探索の経験はあるが、このダンジョンに関しては見覚えが無い。
兎に角、早くユウタとフィナと合流しここを脱出しなければならない。
◇
薄暗くて狭い通路をタイマツ片手に進む。
光球などの光源系の魔法は付与術師しか使えないので、タイマツの明りが頼りだ。
チュウ、チュウ……
ネズミの鳴く声が聞こえる。
獣を使役するモンスターでもいるのか?
警戒しながら前を行くと、地面に人の足の様なものが見えた。
大量のネズミが蠢いていた。
その間から、もぬけの殻になった鋼鉄の鎧が見えた。
「テトラ!」
私は思わず叫んでいた。
竜の装飾が施された鎧は、我がギルドのメンバーにして主力戦士のものだった。
鎧の中身がほぼ空っぽだ。
厳密には彼の体毛だけが残されていた。
何らかの理由で死んだ彼は、ネズミの餌になり果てていたのだ。
「おお……」
何ということだ。
死ぬなんて……あんなにも、一緒に戦った彼が……
彼の側で私は膝まづく。
驚いたネズミたちは四方八方に逃げて行った。
彼に手を合わせた。
蘇生の魔法を使ってやりたい。
だがそれ以前に、蘇生させることは出来ない。
何故なら、肉体が消失した以上、魂が戻る場所は無いからだ。
「テトラよ。きっと……きっと……魔王を倒し、必ずや地球へと転生させて見せます」
ん?
何で、彼がここにいる。
彼はラストダンジョンを探索していたはず?
「なるほど」
ここがラストダンジョンなのだ。
ということは、ここは双子の段。
テトラは探索中に何らかの理由で殺された。
まさかラストダンジョンに転移するとは。
ユウタもフィナもここにいるのだろうか?
攻略法がはっきりと判明していない双子の段のボスモンスター。
ユウタが心配だ。
間違えてボス部屋に入ろうものなら……
「良かった! 無事だった!」
背後から、肩をポンと叩かれる。
ユウタの聞き慣れた声に安堵し、振り返る。
「ユウタさん!」
「心配しましたよ。さぁ、一緒に行きましょう!」
明るい笑顔のユウタ。
こんな状況なのに、能天気だ。
そこに違和感を感じた。
ま、暗く落ち込んでいるよりはマシだが。
私はからの目を見て、訊ねた。
「あの……フィナさんは?」
「え?」
「エルフの」
「あっ……ああ。まだどこにいるか分かりません。一緒に探しましょう」
声を上ずらせている。
私は首を傾げた。
「変なユウタさん」
<ガイア様>
通信が入った。
ロドリゴからだ。
どうやらダンジョン外からの通信は受け付けることが出来るらしい。
<今、どこですか?>
「それが……」
私は転移玉を使ったことで、ラストダンジョンに転移したことを話した。
そして、テトラが死んだことも話した。
<彼らから通信があり、把握しています>
「そうですか……」
ロドリゴは黙り込んだ。
「どうしましたか?」
<はい……大祖先様が……亡くなられました>
つづく
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