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第125話 ゲームの説明書に書いてある設定の話
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僕はフィナを見つめた。
あの子供っぽい彼女が2000歳だというのは驚きだった。
それが冗談とは思えなかった。
彼女からはいつもの無邪気さが吹き飛んでいたからだ。
「ユウタ」
リンネが話し掛けて来た。
「エルフは長命だと聞いたことがある」
「そうなのか……」
リンネの言葉で僕の頭の中で、遠い記憶が弾けた。
◇
「ね、エルフって知ってる?」
同じく奴隷だった少女が僕に一冊の本を手渡した。
硬い皮の表紙には、金と銀の糸でこう書かれていた。
『亜人間の歴史』
彼女が小さな指で、羊皮紙をめくる。
緑色の髪に尖った耳。
白い肌に華奢な体、弓を携えた美しいエルフの姿がそこにあった。
「エルフってさ、この世界が出来た時からずっといるんだって」
「へぇ」
僕と少女はそれぞれ別の雇い主に仕えていた。
ボロきれを着た僕と彼女は、図書館では浮いていた。
だけど、気にしていられない。
何故なら、彼女と一日30分だけ、街の図書館で過ごすのが僕の唯一の憩いだったからだ。
彼女も同じ想いだったはずだ。
そこで僕は彼女から文字の書き方や、読み方を学び、知識を得ていた。
同じ奴隷なのに、彼女には『学』があった。
「すごい長生きなんだね。エルフって!」
僕は驚いた。
最大で5000年も生きた者もいるらしい。
繁栄を極めたエルフ族は他の亜人間と共に、平和に暮らしていた。
「でも、後から現れた人間達に……」
この世界が出来たのは1億年前。
エルフ族と他の亜人間が現れたのもその時期。
魔王襲来と共に、人間が現れたのは、亜人間の長い歴史から振り返るとほんの最近だ。
『人間にとって危害を加える亜人間は、辺境に追いやられた』
本にはそう書いてある。
僕はそうじゃないと思った。
この本は人間に都合良く事実を捻じ曲げて書かれている。
僕は奴隷で、大人の人間に虐げられているから分かった。
「何で、人間は亜人間達を迫害したんだろう?」
「それは……私、こう思うの」
博学な彼女は自分なりに調べ、ある結論を持っていた。
「可哀そうに……」
彼女は震えていた。
自らの運命と亜人間の運命を重ねて、悲しくなっているのだろう。
◇
彼女の名はエリス。
彼女のお陰で、僕は閃いた。
この難局の打開策を。
だが、フィナが可哀そうなことになる。
<ユウタ>
突然、ネスコからの通信。
「ネスコ、ずっと通信を送ってたのに、何で出てくれなかったの?」
<すまない、色々調査していて手が離せなかった。姫から聞いたぞ。試練続きだな>
「まったく、救世主になってから大変だよ」
<それが救世主という者の宿命だ。受け入れろ>
そう言われてしまっては、何も言えない。
「ねぇ、ネスコ。ひとつ訊いていいかい?」
<何だ?>
「エルフ族の血について」
つづく
あの子供っぽい彼女が2000歳だというのは驚きだった。
それが冗談とは思えなかった。
彼女からはいつもの無邪気さが吹き飛んでいたからだ。
「ユウタ」
リンネが話し掛けて来た。
「エルフは長命だと聞いたことがある」
「そうなのか……」
リンネの言葉で僕の頭の中で、遠い記憶が弾けた。
◇
「ね、エルフって知ってる?」
同じく奴隷だった少女が僕に一冊の本を手渡した。
硬い皮の表紙には、金と銀の糸でこう書かれていた。
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彼女が小さな指で、羊皮紙をめくる。
緑色の髪に尖った耳。
白い肌に華奢な体、弓を携えた美しいエルフの姿がそこにあった。
「エルフってさ、この世界が出来た時からずっといるんだって」
「へぇ」
僕と少女はそれぞれ別の雇い主に仕えていた。
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だけど、気にしていられない。
何故なら、彼女と一日30分だけ、街の図書館で過ごすのが僕の唯一の憩いだったからだ。
彼女も同じ想いだったはずだ。
そこで僕は彼女から文字の書き方や、読み方を学び、知識を得ていた。
同じ奴隷なのに、彼女には『学』があった。
「すごい長生きなんだね。エルフって!」
僕は驚いた。
最大で5000年も生きた者もいるらしい。
繁栄を極めたエルフ族は他の亜人間と共に、平和に暮らしていた。
「でも、後から現れた人間達に……」
この世界が出来たのは1億年前。
エルフ族と他の亜人間が現れたのもその時期。
魔王襲来と共に、人間が現れたのは、亜人間の長い歴史から振り返るとほんの最近だ。
『人間にとって危害を加える亜人間は、辺境に追いやられた』
本にはそう書いてある。
僕はそうじゃないと思った。
この本は人間に都合良く事実を捻じ曲げて書かれている。
僕は奴隷で、大人の人間に虐げられているから分かった。
「何で、人間は亜人間達を迫害したんだろう?」
「それは……私、こう思うの」
博学な彼女は自分なりに調べ、ある結論を持っていた。
「可哀そうに……」
彼女は震えていた。
自らの運命と亜人間の運命を重ねて、悲しくなっているのだろう。
◇
彼女の名はエリス。
彼女のお陰で、僕は閃いた。
この難局の打開策を。
だが、フィナが可哀そうなことになる。
<ユウタ>
突然、ネスコからの通信。
「ネスコ、ずっと通信を送ってたのに、何で出てくれなかったの?」
<すまない、色々調査していて手が離せなかった。姫から聞いたぞ。試練続きだな>
「まったく、救世主になってから大変だよ」
<それが救世主という者の宿命だ。受け入れろ>
そう言われてしまっては、何も言えない。
「ねぇ、ネスコ。ひとつ訊いていいかい?」
<何だ?>
「エルフ族の血について」
つづく
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