ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。

yonechanish

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第125話 ゲームの説明書に書いてある設定の話

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 僕はフィナを見つめた。
 あの子供っぽい彼女が2000歳だというのは驚きだった。
 それが冗談とは思えなかった。
 彼女からはいつもの無邪気さが吹き飛んでいたからだ。

「ユウタ」

 リンネが話し掛けて来た。

「エルフは長命だと聞いたことがある」
「そうなのか……」

 リンネの言葉で僕の頭の中で、遠い記憶が弾けた。



「ね、エルフって知ってる?」

 同じく奴隷だった少女が僕に一冊の本を手渡した。
 硬い皮の表紙には、金と銀の糸でこう書かれていた。

『亜人間の歴史』

 彼女が小さな指で、羊皮紙をめくる。
 緑色の髪に尖った耳。
 白い肌に華奢な体、弓を携えた美しいエルフの姿がそこにあった。

「エルフってさ、この世界が出来た時からずっといるんだって」
「へぇ」

 僕と少女はそれぞれ別の雇い主に仕えていた。
 ボロきれを着た僕と彼女は、図書館では浮いていた。
 だけど、気にしていられない。
 何故なら、彼女と一日30分だけ、街の図書館で過ごすのが僕の唯一の憩いだったからだ。
 彼女も同じ想いだったはずだ。
 そこで僕は彼女から文字の書き方や、読み方を学び、知識を得ていた。
 同じ奴隷なのに、彼女には『学』があった。

「すごい長生きなんだね。エルフって!」

 僕は驚いた。
 最大で5000年も生きた者もいるらしい。
 繁栄を極めたエルフ族は他の亜人間と共に、平和に暮らしていた。

「でも、後から現れた人間達に……」

 この世界が出来たのは1億年前。
 エルフ族と他の亜人間が現れたのもその時期。
 魔王襲来と共に、人間が現れたのは、亜人間の長い歴史から振り返るとほんの最近だ。

『人間にとって危害を加える亜人間は、辺境に追いやられた』

 本にはそう書いてある。
 僕はそうじゃないと思った。
 この本は人間に都合良く事実を捻じ曲げて書かれている。
 僕は奴隷で、大人の人間に虐げられているから分かった。

「何で、人間は亜人間達を迫害したんだろう?」
「それは……私、こう思うの」

 博学な彼女は自分なりに調べ、ある結論を持っていた。

「可哀そうに……」

 彼女は震えていた。
 自らの運命と亜人間の運命を重ねて、悲しくなっているのだろう。



 彼女の名はエリス。
 彼女のお陰で、僕は閃いた。
 この難局の打開策を。
 だが、フィナが可哀そうなことになる。

<ユウタ>

 突然、ネスコからの通信。

「ネスコ、ずっと通信を送ってたのに、何で出てくれなかったの?」
<すまない、色々調査していて手が離せなかった。姫から聞いたぞ。試練続きだな>
「まったく、救世主になってから大変だよ」
<それが救世主という者の宿命だ。受け入れろ>

 そう言われてしまっては、何も言えない。

「ねぇ、ネスコ。ひとつ訊いていいかい?」
<何だ?>
「エルフ族の血について」

つづく
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