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第三章
「ライグリッサ」のコーデリア
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崩壊したライグリッサ辺境伯の屋敷を背に、荒涼とした風が吹き抜ける。
砕けた石壁の残骸が無惨に転がり、歩く度に乾いた砂が靴音とともに舞い上がった。
「大物ですね」
コーデリアは遠方から迫りくる影のような黒々とした塊に目を細め、低く呟く。
まだ今しばし、距離はあるが眼前には異様な魔獣の群れ。その中でも、一際巨大な個体が獰猛な目を光らせ、顔を左右に振りながら唸り声を上げている。
接敵まであともう幾ばくも無い。
「魔素だまりに引き寄せられたにしては、規格外だな」
カイルの手はすでに剣の柄に掛かっている。警戒しつつも、どこか楽しむような響きを帯びた声だった。
「ひい、ふう、み。数えるのが面倒くさい程、結構な量ですねー」
のんびりとナイフを手の中で回転させながら、フェンネルが立ち上がり、腰の砂を落とす。
「最近体を動かしていなかったし、ちょうどいい運動ね」
コーデリアは風を背に受けながら、一つに束ねた髪を払う。視線はまっすぐ魔獣を睨み据え、迷いなく短刀を抜いた。片手を短刀の刃に添えれば、魔力の迸りから青い閃光が煌びやかにまろび出る。
「奥様、露払いはお任せください」
イェニーが手に細身の鎌を携え、ミレッタとそっぽを向くキャリーンを伴って、返事を待たずに背中を向けた。
少しずつ小さくなっていく影を見送りながら、コーデリアは隣に視線を向ける。
「どれくらいの魔石が取れるでしょうか」
冗談めかした調子で言う彼女に、カイルがくっと笑い、剣を抜く音が響く。
「そうだな。屋敷一つを新しくこしらえるには足るほどだろう」
「でしたら、殲滅必須、ですね」
二人は同時に凶悪な笑みを浮かべ、一瞬の躊躇もなく魔獣の群れへと飛び込んだ。
*****
ヴァドラドの町の近く、新しい邸宅の建設が着々と進んでいた。
陽光を浴びた木材の香りが心地よい風に乗り、槌音が規則的に響いている。作業に励む職人たちの真剣な表情と、組み上がっていく建物の姿が、新しい始まりを感じさせた。
コーデリアは足を止め、その光景をじっと見つめ、思わず笑みを浮かべる。
その隣で、同じように組み上がっていく建物の様子を見上げながら、ツォンフェンが金色の瞳を細めた。
「試作品の装置は悪くない。ただ、魔石の力が強すぎて、頻繁に交換が必要そうだな」
彼の鋭い視線の先には、青い輝きを放ちながら浮遊する光の玉のような魔道具があった。空に半球状の淡い水色の幕が張られ、簡易的ではあるが魔獣除けの結界が張られていることがわかる。
「売れ行きは好調なんでしょ?」
「けれどもま、既存の商品にはまだ適わないけどね」
市場では依然としてルーヴェニック産の魔石が大きな影響力を持っているが、ライグリッサ産の魔石も着実に存在感を増していた。
エルウィザードからの書簡によれば、魔石や魔道具の不具合が表沙汰になるのも時間の問題だろうとのことだった。鉱山の採掘量が先細りになったため、領内の経済上程の不安定さを案じ、ルーヴェニックが強引に普及をさせた人工魔石、および魔道具。
人工魔石の錬成過程で、魔力の不安定さなどの不具合を知りながら、お金欲しさに隠蔽してきたルーヴェニックの内情を国王も知るところとなったらしい。王都の防衛結界にも関わっているということで、大きな処分は免れないということだった。
また、そのルーヴェニックを調べるうちに、カレットが個人的に彼の領主から多額の金銭を借り受けていたことがわかった。一連の事件に関わっているのではないかという嫌疑がかけられ、娘ともども大法廷にかけられることになっているのだという。
コーデリアの父親であるルゼンティア伯爵は病症の身の上であり、その状態から本件には無関係であるということが立証され、カレットが捕縛される数週間前に離縁が成立していたことが幸いして、世間からは同情的な目を向けられたという。
コーデリアも元ルゼンティア伯爵令嬢として事情を聞かれることとなったのだが、元騎士団長のヴェルグーザ、森の賢者と呼ばれる大魔法使いであるラドフェレーグが国王に送った書簡によって、むしろ一連の騒動の被害者という立ち位置と目されることとなった。
新規事業であるルゼンティア産の魔石を巡って、一部の貴族から疑念を向けられていたこともあったが、それすらも一掃されてしまった。
現在コーデリアは「虐げられた元伯爵令嬢」から、新規事業で呪われた領地に豊穣と幸運をもたらした「辺境伯夫人」として知られている。
領内の、しかも辺境伯邸を襲った魔物についての調査は依然として続いているが、ルーヴェニック産の魔石、及び魔道具であるという事実がわかるや否や、国土全体の混乱を防ぐため、表立っての公表は見送られ、秘匿された。一方で国王の命により、多額の賠償金がルーヴェニック家からライグリッサへ支払われることとなる。
領主は息子に爵位を譲ることを余儀なくされ、自身は癒着していた神殿の神官ともども大法廷に引きずり出されることとなった。所領と爵位の返上を息子は願い出たが、これ以上国内の情勢を混乱させる必要はないと退けられたという。
また、「貴族の娘」達の行儀見習い先として、価値のない「聖女候補見習い」という肩書を得る為、多額の賄賂を送っていた貴族及び神官たちも、これを機会に炙り出され、それぞれの罪の重さに応じて断罪されることとなる。
腐敗していた神殿の内情についての報告は上がっていたが、手を拱いて機会を窺っていた国王としては願ったり叶ったりのタイミングだったという。
(本当に、見えないところで色々なことが起きていたのよね)
少し離れた場所では、ヒューとフィリルの父が熱い議論を繰り広げていた。ぎゃいぎゃいと大声を張り上げながら両者が一歩も譲らない姿勢である。その傍らで、二人を宥めようと奮闘するアゼラとフィリル。その賑やかな様子にコーデリアは小さく肩を揺らしながら微笑んだ。
経済の安定にはもう少し時間がかかるかもしれないが、それでも確かな手ごたえが感じられる。
「ツォンフェン。ちょっと来てくれ」
フィリルが困ったというように手を上げ救難信号を出すように呼び掛けた。
「わかった」
ツォンフェンは「それじゃ、また」と悪戯っぽくはにかんで足早に立ち去る。人影がその中に混ざるのを見届け、コーデリアは手に持つ屋敷の図面に目を落とした。
土台がようやく組み上がったばかりで、これからまだまだ工事は進行していく。
その図面の上に、すっと大きな影が落ちた。
「カイル」
「順調か?」
いつも通り落ち着いた、やや憮然とした声音だが、明るい響きに聞こえるのは自分だけだろうか。コーデリアは振り返ることなく大きく頷いた。
「はい、順調そのものです」
「この場所で本当に良かったのか?」
真剣な声で続けられた問いに、コーデリアは穏やかに微笑みながら応えた。
「もちろん。ここなら魔素だまりの様子を定期的に身に行けるし、集まって来た魔獣を狩りやすいでしょう? ツォンフェン達の新しい魔道具やヒュー達の貴族向けの宝飾品はまだ試作の段階だし。領地事業を一緒に形作るには、この場所が一番。それに何より――家族の顔が見える場所ですから」
コーデリアは明るい笑顔でカイルに振り返った。
頭上には澄み渡る空が広がり、力強い日差しが二人を優しく照らしている。眩い煌めきに、コーデリアは一瞬目を眇める。
カイルは何も言わず、ただ少しだけ困ったように微笑みを返し、コーデリアの背後に視線を向けた。その様子を見るともなしに見つめながら、コーデリアは少しだけ目を瞑る。
(不安がないわけではないわ。先のことはわからないし、未来のすべてが順風満帆とは限らないから)
けれど、見えないからと恐れて立ち止まるつもりはなかった。
大切なのは、今を生きること。
コーデリアは、ライグリッサでそれを学んだ。
——自分で決めて、自分で生きる。
その力を与えてくれたのは、カイルであり、ライグリッサの人々だった。
コーデリアはそっと建設中の家を見上げた。
まだ未完成のその姿に、どこか自分自身を重ねるように。
「素敵な場所になるといいですね」
「――渡したいものがある」
一息で押し出されたその言葉に、コーデリアは水色の瞳を見開いた。
砕けた石壁の残骸が無惨に転がり、歩く度に乾いた砂が靴音とともに舞い上がった。
「大物ですね」
コーデリアは遠方から迫りくる影のような黒々とした塊に目を細め、低く呟く。
まだ今しばし、距離はあるが眼前には異様な魔獣の群れ。その中でも、一際巨大な個体が獰猛な目を光らせ、顔を左右に振りながら唸り声を上げている。
接敵まであともう幾ばくも無い。
「魔素だまりに引き寄せられたにしては、規格外だな」
カイルの手はすでに剣の柄に掛かっている。警戒しつつも、どこか楽しむような響きを帯びた声だった。
「ひい、ふう、み。数えるのが面倒くさい程、結構な量ですねー」
のんびりとナイフを手の中で回転させながら、フェンネルが立ち上がり、腰の砂を落とす。
「最近体を動かしていなかったし、ちょうどいい運動ね」
コーデリアは風を背に受けながら、一つに束ねた髪を払う。視線はまっすぐ魔獣を睨み据え、迷いなく短刀を抜いた。片手を短刀の刃に添えれば、魔力の迸りから青い閃光が煌びやかにまろび出る。
「奥様、露払いはお任せください」
イェニーが手に細身の鎌を携え、ミレッタとそっぽを向くキャリーンを伴って、返事を待たずに背中を向けた。
少しずつ小さくなっていく影を見送りながら、コーデリアは隣に視線を向ける。
「どれくらいの魔石が取れるでしょうか」
冗談めかした調子で言う彼女に、カイルがくっと笑い、剣を抜く音が響く。
「そうだな。屋敷一つを新しくこしらえるには足るほどだろう」
「でしたら、殲滅必須、ですね」
二人は同時に凶悪な笑みを浮かべ、一瞬の躊躇もなく魔獣の群れへと飛び込んだ。
*****
ヴァドラドの町の近く、新しい邸宅の建設が着々と進んでいた。
陽光を浴びた木材の香りが心地よい風に乗り、槌音が規則的に響いている。作業に励む職人たちの真剣な表情と、組み上がっていく建物の姿が、新しい始まりを感じさせた。
コーデリアは足を止め、その光景をじっと見つめ、思わず笑みを浮かべる。
その隣で、同じように組み上がっていく建物の様子を見上げながら、ツォンフェンが金色の瞳を細めた。
「試作品の装置は悪くない。ただ、魔石の力が強すぎて、頻繁に交換が必要そうだな」
彼の鋭い視線の先には、青い輝きを放ちながら浮遊する光の玉のような魔道具があった。空に半球状の淡い水色の幕が張られ、簡易的ではあるが魔獣除けの結界が張られていることがわかる。
「売れ行きは好調なんでしょ?」
「けれどもま、既存の商品にはまだ適わないけどね」
市場では依然としてルーヴェニック産の魔石が大きな影響力を持っているが、ライグリッサ産の魔石も着実に存在感を増していた。
エルウィザードからの書簡によれば、魔石や魔道具の不具合が表沙汰になるのも時間の問題だろうとのことだった。鉱山の採掘量が先細りになったため、領内の経済上程の不安定さを案じ、ルーヴェニックが強引に普及をさせた人工魔石、および魔道具。
人工魔石の錬成過程で、魔力の不安定さなどの不具合を知りながら、お金欲しさに隠蔽してきたルーヴェニックの内情を国王も知るところとなったらしい。王都の防衛結界にも関わっているということで、大きな処分は免れないということだった。
また、そのルーヴェニックを調べるうちに、カレットが個人的に彼の領主から多額の金銭を借り受けていたことがわかった。一連の事件に関わっているのではないかという嫌疑がかけられ、娘ともども大法廷にかけられることになっているのだという。
コーデリアの父親であるルゼンティア伯爵は病症の身の上であり、その状態から本件には無関係であるということが立証され、カレットが捕縛される数週間前に離縁が成立していたことが幸いして、世間からは同情的な目を向けられたという。
コーデリアも元ルゼンティア伯爵令嬢として事情を聞かれることとなったのだが、元騎士団長のヴェルグーザ、森の賢者と呼ばれる大魔法使いであるラドフェレーグが国王に送った書簡によって、むしろ一連の騒動の被害者という立ち位置と目されることとなった。
新規事業であるルゼンティア産の魔石を巡って、一部の貴族から疑念を向けられていたこともあったが、それすらも一掃されてしまった。
現在コーデリアは「虐げられた元伯爵令嬢」から、新規事業で呪われた領地に豊穣と幸運をもたらした「辺境伯夫人」として知られている。
領内の、しかも辺境伯邸を襲った魔物についての調査は依然として続いているが、ルーヴェニック産の魔石、及び魔道具であるという事実がわかるや否や、国土全体の混乱を防ぐため、表立っての公表は見送られ、秘匿された。一方で国王の命により、多額の賠償金がルーヴェニック家からライグリッサへ支払われることとなる。
領主は息子に爵位を譲ることを余儀なくされ、自身は癒着していた神殿の神官ともども大法廷に引きずり出されることとなった。所領と爵位の返上を息子は願い出たが、これ以上国内の情勢を混乱させる必要はないと退けられたという。
また、「貴族の娘」達の行儀見習い先として、価値のない「聖女候補見習い」という肩書を得る為、多額の賄賂を送っていた貴族及び神官たちも、これを機会に炙り出され、それぞれの罪の重さに応じて断罪されることとなる。
腐敗していた神殿の内情についての報告は上がっていたが、手を拱いて機会を窺っていた国王としては願ったり叶ったりのタイミングだったという。
(本当に、見えないところで色々なことが起きていたのよね)
少し離れた場所では、ヒューとフィリルの父が熱い議論を繰り広げていた。ぎゃいぎゃいと大声を張り上げながら両者が一歩も譲らない姿勢である。その傍らで、二人を宥めようと奮闘するアゼラとフィリル。その賑やかな様子にコーデリアは小さく肩を揺らしながら微笑んだ。
経済の安定にはもう少し時間がかかるかもしれないが、それでも確かな手ごたえが感じられる。
「ツォンフェン。ちょっと来てくれ」
フィリルが困ったというように手を上げ救難信号を出すように呼び掛けた。
「わかった」
ツォンフェンは「それじゃ、また」と悪戯っぽくはにかんで足早に立ち去る。人影がその中に混ざるのを見届け、コーデリアは手に持つ屋敷の図面に目を落とした。
土台がようやく組み上がったばかりで、これからまだまだ工事は進行していく。
その図面の上に、すっと大きな影が落ちた。
「カイル」
「順調か?」
いつも通り落ち着いた、やや憮然とした声音だが、明るい響きに聞こえるのは自分だけだろうか。コーデリアは振り返ることなく大きく頷いた。
「はい、順調そのものです」
「この場所で本当に良かったのか?」
真剣な声で続けられた問いに、コーデリアは穏やかに微笑みながら応えた。
「もちろん。ここなら魔素だまりの様子を定期的に身に行けるし、集まって来た魔獣を狩りやすいでしょう? ツォンフェン達の新しい魔道具やヒュー達の貴族向けの宝飾品はまだ試作の段階だし。領地事業を一緒に形作るには、この場所が一番。それに何より――家族の顔が見える場所ですから」
コーデリアは明るい笑顔でカイルに振り返った。
頭上には澄み渡る空が広がり、力強い日差しが二人を優しく照らしている。眩い煌めきに、コーデリアは一瞬目を眇める。
カイルは何も言わず、ただ少しだけ困ったように微笑みを返し、コーデリアの背後に視線を向けた。その様子を見るともなしに見つめながら、コーデリアは少しだけ目を瞑る。
(不安がないわけではないわ。先のことはわからないし、未来のすべてが順風満帆とは限らないから)
けれど、見えないからと恐れて立ち止まるつもりはなかった。
大切なのは、今を生きること。
コーデリアは、ライグリッサでそれを学んだ。
——自分で決めて、自分で生きる。
その力を与えてくれたのは、カイルであり、ライグリッサの人々だった。
コーデリアはそっと建設中の家を見上げた。
まだ未完成のその姿に、どこか自分自身を重ねるように。
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