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第1章
旅立ちの日
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翌日、俺は村の入り口の前で両親に見送られていた。
「路銀は持った? 必要なものは持った? 何か忘れものはない?」
「ティナ、あんまり心配するな。レオは俺達の息子なんだからきっと大丈夫だ」
母さんは心配そうに聞くが、父さんは少しも心配するそぶりを見せず、逆に母さんをなだめる。
「そうね。けどレオは朝に弱いからそれが一番心配なのよ」
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。寝坊しないように努力するから。」
それでも心配する母さんを落ち着かせようと俺もなだめる。
この大陸には五つの王国があり
北に人の王が治めるローディス王国
東に獣人の王が治めるカラマン王国
西にエルフの王が治めるサーヴィル王国
南に魔族の王が治めるギリア王国
中央に竜人の王が治めるダガス王国がある。
俺が今から向かうのはローディス王国の国内の町だ。
ちなみにこの村はローディス王国の北にあるので向かうのは近かったのが理由だったりする。
「レオは髪の色が珍しく容姿も良くて目立つから悪目立ちするなよ」
父さんがそう言うように俺の髪は灰色、瞳の色は暗い青で珍しいといえば珍しい。
容姿については分からないが父さんがそう言うならきっとそうなのだろう。
そうこうしている間にいつのまにか馬車が来ており俺を待っていた。
この村に馬車は一月に一回しか来なくこれを逃すとしばらく先になってしまう。
「さて、そろそろ時間も無くなってきたから旅に出る記念に餞別を渡そうか」
そう言いながら父さんは側に持ってきてあった少し大きめの箱を俺に渡してきた。
「俺からレオに贈るのはこれだ、開けてみろ」
そう言われて箱を開けてみると中には肘くらいまで覆えそうな革手袋と一通の手紙が入っていた。
「それは“竜腕の手袋”といってそれをつけた腕で竜鱗を使うと革手袋ごと竜鱗が覆い竜鱗の性能が上がって腕力も増す父さんが昔使っていた魔道具だ」
父さんの説明を聞きながら俺は両腕につけ竜鱗を発動してみる。
「おぉ!」
すると革手袋ごと腕が竜鱗で覆われた。
竜鱗は本来自分の体の表面を鱗が覆うため服の上からは出来なかったからこれは嬉しい。
「それからその手紙は冒険者になる時にそこの職員かできればギルドマスターに渡せ。きっと役に立つ」
「わかった」
そう言われて俺は手紙をインベントリにしまう。
このインベントリは俺の魔法で作ったもので空間の中は時が止まっておりいくらでも物が入る。
「私の番ね。私からはこれを贈るわ」
そう言って母さんは帯刀していた刀を俺に渡してきた。
「えっ!?」
これには流石に驚き面食らう。
なぜならこの刀は母さんが外に出る時いつも肌身離さず持っていたほど大切なものだからだ。
「何でそんなに驚いているの?レオが鍛錬を始めた時にいつか渡そうと思っていたのよ?」
当然俺はそんなこと聞かされていなかったので受け取るのを躊躇する。
「こんなに大切なものを俺に渡して大丈夫なの?」
「大丈夫よ。予備の刀があるから心配しなくていいわ。それにレオなら心配いらないから渡すのよ?」
そう言われて俺は渋々受け取り刀を鑑定してみる。
天羽々斬(あめのはばきり)
レア度 S
切れ味 A
強度 A
特性
自動修復、魔力充填、敏捷大上昇
とんでもない代物だった。
「どう?凄いでしょ?」
「いや凄すぎるよ」
そう言って呆れながらも俺は前から使っていた刀をインベントリに入れ渡された刀を帯刀する。
「ありがとう。父さん、母さん。いってきます」
「おう、頑張ってこい」
「たまには帰ってきてね」
父さんと母さんに感謝の言葉を述べ俺は馬車に乗る。
この馬車は幌が付いており風雨を防げるようになっている。
馬車に乗り御者に確認を取ると馬車が動き出した。
この村には時々帰ってくるつもりだが故郷を離れると思うと少し寂しい。
だがそれを上回る未知なるこの世界への好奇心が俺の胸を満たしている。
それらを感じながら俺は馬車に身を揺られて一人村を旅立った。
「路銀は持った? 必要なものは持った? 何か忘れものはない?」
「ティナ、あんまり心配するな。レオは俺達の息子なんだからきっと大丈夫だ」
母さんは心配そうに聞くが、父さんは少しも心配するそぶりを見せず、逆に母さんをなだめる。
「そうね。けどレオは朝に弱いからそれが一番心配なのよ」
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。寝坊しないように努力するから。」
それでも心配する母さんを落ち着かせようと俺もなだめる。
この大陸には五つの王国があり
北に人の王が治めるローディス王国
東に獣人の王が治めるカラマン王国
西にエルフの王が治めるサーヴィル王国
南に魔族の王が治めるギリア王国
中央に竜人の王が治めるダガス王国がある。
俺が今から向かうのはローディス王国の国内の町だ。
ちなみにこの村はローディス王国の北にあるので向かうのは近かったのが理由だったりする。
「レオは髪の色が珍しく容姿も良くて目立つから悪目立ちするなよ」
父さんがそう言うように俺の髪は灰色、瞳の色は暗い青で珍しいといえば珍しい。
容姿については分からないが父さんがそう言うならきっとそうなのだろう。
そうこうしている間にいつのまにか馬車が来ており俺を待っていた。
この村に馬車は一月に一回しか来なくこれを逃すとしばらく先になってしまう。
「さて、そろそろ時間も無くなってきたから旅に出る記念に餞別を渡そうか」
そう言いながら父さんは側に持ってきてあった少し大きめの箱を俺に渡してきた。
「俺からレオに贈るのはこれだ、開けてみろ」
そう言われて箱を開けてみると中には肘くらいまで覆えそうな革手袋と一通の手紙が入っていた。
「それは“竜腕の手袋”といってそれをつけた腕で竜鱗を使うと革手袋ごと竜鱗が覆い竜鱗の性能が上がって腕力も増す父さんが昔使っていた魔道具だ」
父さんの説明を聞きながら俺は両腕につけ竜鱗を発動してみる。
「おぉ!」
すると革手袋ごと腕が竜鱗で覆われた。
竜鱗は本来自分の体の表面を鱗が覆うため服の上からは出来なかったからこれは嬉しい。
「それからその手紙は冒険者になる時にそこの職員かできればギルドマスターに渡せ。きっと役に立つ」
「わかった」
そう言われて俺は手紙をインベントリにしまう。
このインベントリは俺の魔法で作ったもので空間の中は時が止まっておりいくらでも物が入る。
「私の番ね。私からはこれを贈るわ」
そう言って母さんは帯刀していた刀を俺に渡してきた。
「えっ!?」
これには流石に驚き面食らう。
なぜならこの刀は母さんが外に出る時いつも肌身離さず持っていたほど大切なものだからだ。
「何でそんなに驚いているの?レオが鍛錬を始めた時にいつか渡そうと思っていたのよ?」
当然俺はそんなこと聞かされていなかったので受け取るのを躊躇する。
「こんなに大切なものを俺に渡して大丈夫なの?」
「大丈夫よ。予備の刀があるから心配しなくていいわ。それにレオなら心配いらないから渡すのよ?」
そう言われて俺は渋々受け取り刀を鑑定してみる。
天羽々斬(あめのはばきり)
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特性
自動修復、魔力充填、敏捷大上昇
とんでもない代物だった。
「どう?凄いでしょ?」
「いや凄すぎるよ」
そう言って呆れながらも俺は前から使っていた刀をインベントリに入れ渡された刀を帯刀する。
「ありがとう。父さん、母さん。いってきます」
「おう、頑張ってこい」
「たまには帰ってきてね」
父さんと母さんに感謝の言葉を述べ俺は馬車に乗る。
この馬車は幌が付いており風雨を防げるようになっている。
馬車に乗り御者に確認を取ると馬車が動き出した。
この村には時々帰ってくるつもりだが故郷を離れると思うと少し寂しい。
だがそれを上回る未知なるこの世界への好奇心が俺の胸を満たしている。
それらを感じながら俺は馬車に身を揺られて一人村を旅立った。
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