異世界に転生した青年、「天災」の竜人となる

第1章

ランク試験

部屋を出たあと俺とラウディスさんは一階の酒場に向かう。

ギルドマスターと一緒に来たので当然視線を向けられる。

するとラウディスさんが大声でこう言った。

「お前らぁ‼︎こいつはジオ・フランベルグとティナ・アレクサンドル様の息子のレオ・フランベルグだぁ！」

すると冒険者が騒ぎ出すがそんなの御構い無しにラウディスさんはまだ喋る。

「レオはランク試験の推薦を父であるジオから貰っている！よってランク試験を行う！試験のランクはA！イディル！お前が相手だ！」

ラウディスさんは高々にそう宣言するとある人を呼んだ。

「ギルドマスター！本気ですか！？」

呼ばれた途端にそう喋った人は水色の髪に茶色の瞳をしている男性だった。
 
「ああ本気だ。なんせレオは最強の冒険者のお墨付きだからな。お前以外に適任がいない」

そう言われて納得したのかイディルと呼ばれた人は俺に近づき握手を求めてきた。

「今呼ばれたイディルだ。よろしく」

「レオ・フランベルグです。よろしくお願いします」

握手をすると同時におれは魔眼で鑑定した。

イディル        25歳   男性
種族     人
職業     槍士   lv43
ステータス
HP       870/870
MP      490/490
力         680
防御     660
魔力     440
敏捷     500
技術     670
スキル
槍術5、体術4、無魔法4、魔力探知2、
気配探知3
ギフト
腕力中上昇

(えっ！？弱くね？)

思わず俺はそう思ってしまう。

「挨拶は済んだな。ならギルドの裏にある訓練場に行くぞ」

ラウディスさんがそう言って訓練場に向かうので俺と冒険者たちも訓練場に向かう。

訓練場に着いた。

訓練場の作りはシンプルで平地が円型に壁で囲われた感じだ。

「各々武器の準備は良いか？」

そう言われてイディルさんは槍の穂先を俺に向けて構えるが俺はインベントリから木刀を取り出し中段で正面に構える。

「ん？時空魔法か？」

「いえ。時空間魔法です」

イディルさんにそう聞かれるが俺は否定する。

時空魔法と時空間魔法。この二つは同じようで全く違う。

時空魔法は転移やアイテムボックスなど空間を操るのが主だが時空間魔法は時間と空間の両方を操ることが出来る。

つまり上位互換だ。

「武器はそれでいいのか？」

「はい。この刀だと加減できないんで」

「そうか。わかった。」

ラウディスさんはそう言うが向かいにいるイディルさんは納得いかないのか不満そうだ。

「じゃあそろそろ良いか？ルールは攻撃魔法以外のスキルはあり、殺すのはなし、審判の中断か相手が降参もしくは戦闘不能になるまで行う。今回の審判はギルドマスターである俺が務める。ではAランク試験、始め‼︎」

始まった瞬間俺は一瞬で間合いを詰める。

「なっ！？」

イディルさんは驚きながらも反応するがもう遅い。

そのまま俺は木刀を真横にしてイディルさんの顔目掛けて振り抜く。

ゴッ！！

そう鈍い音がすると同時にイディルさんは空中で縦に一回転し後頭部から地面に落ちた。

「……」

辺りが静かになる。

するとそんな中ラウディスさんが倒れたイディルさんの方に歩いて行き意識の確認をする。

「イディルは気絶して戦闘不能だ。よって勝者はレオだ！！」

そう言った瞬間辺りが冒険者の歓声で包まれた。

その歓声の中でラウディスさんが俺に声をかけてくる。

「おめでとう。これでお前は晴れてAランク冒険者だ。」

「なんか実感が無いですね。」

「世間にこれが広まれば嫌でも実感するようになるぞ。」

そう言われて俺はため息をついた。