異世界に転生した青年、「天災」の竜人となる

マックス

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第1章

初めての依頼

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試験が終わった後、俺はギルドカードを受け取るため受付カウンターに向かう。

受付カウンターではさっきの受付嬢がいた。

こちらと目が合う。

「先程は失礼しましタァァァァ!」

そう言って頭を下げてくる。

「冒険者ギルドで働いておりながら個人の情報を流出してしまい申し訳ありません!!」

「ちょっ!やめてください!」

土下座しそうな勢いだったので俺が慌てて止めると受付嬢は顔を上げる。

あっ、眼鏡ずれてる。

「あの怒っていないんですか?」

「え?怒ってませんよ?」

受付嬢はずれた眼鏡を直し俺にそう訊くが俺は思ったことを言った。

「本当ですか?」

「本当ですよ」 

そう言って少しの間見つめ合う。

「はぁ~。よかったぁ~」

そう言いながら受付嬢は長い息を吐き、話を続ける。

「実はとっても不安だったんです。今回のミスは私の責任なので何を言われるか心配で正直ギルド職員を辞めるのを覚悟してました」

「そうだったんですか。まあ個人情報といっても名前だけなので大丈夫ですよ」

「そうですか……   では改めて冒険者ギルドへようこそ。私はギルド職員のミリアと申します。。本日はどういったご用件ですか?」

「ギルドカードの発行をお願いします」

「畏まりました。少々お待ちください」

ミリアさんは後ろの階段の下にある棚から何か取り出す。

「こちらがギルドカードになります。初回登録は無料ですがカードを紛失した場合、再発行には小銀貨一枚の料金がかかりますので注意して下さい。」

「わかりました。」

注意事項を確認し、俺はギルドカードの内容を見る。

レオ・フランベルグ
ランク      A
依頼達成数    0
貢献度            0

「では冒険者ギルドについて説明させて頂きますがよろしいでしょうか?」

「両親からある程度聞いているので大丈夫です。」

「畏まりました。それではレオ・フランベルグ様、冒険者ギルドは貴方を歓迎します。」

「はい、ありがとうございます」

そう言って俺はカードをインベントリに入れ左の方の奥にある依頼ボードに向かう。

「何かないかなぁ~」

俺はそんな事を言いながら依頼を探しているとある依頼を見つけた。

「お。いいのがあった」

オーク十体の討伐
推奨ランク     C
期限    無し
報酬    金貨二枚

オークは頭が豚なのが特徴で人より図体がでかく力が強いが動きが遅いため俺が負ける要素が無い。

俺はこの依頼を取り受付カウンターへ向かった。

「ミリアさん。この依頼を受けたいんですが」

「分かりました」

ミリアさんはそう言い手続きを行う。

「はい。これで手続きは完了です。何か確認したいことはありますか?」

「オークってどこにいますか?」

「ここから西にある森で生息が確認されてます」

「分かりました」

俺は知りたかった情報を教えてもらい魔眼を発動する。

今回使う魔眼は“鷹の魔眼”と言い視界を飛ばすことが出来る魔眼だ。

それを使い俺は森を確認し転移を発動する。

「見つけました。じゃあ行ってきます」

「えっ?」

ミリアさんは驚いているがそんなの御構い無しに俺は森に転移した。

転移した後、辺りを見回すと森林が広がっていた。

「よし、成功したな」

俺はそう言いまた“鷹の魔眼”を発動してオークを探す。

(見つけた)

心の中でそう思い俺はオークの近くに転移する。

見つけたオークは丁度十体。

オークは全員人の胴ぐらいある棍棒を持っている。

オーク達はすぐに俺に気付き襲いかかってきた。

三体のオークが一度に襲いかかってくるが俺は刀を高速で抜刀し正面から来るオーク三体の首を切りとばす。

後続のオークは驚き後ずさる。

その間に俺は片目だけ“鷹の魔眼”を上から見るようにして発動する。

こうすることによって戦況を俯瞰的に見ることができる。

オーク残り七体

残ったオークが呆然としている間に間合いを詰めてさらに二体の首を斬る。

ようやく我に返ったオークのうち一体は俺に向かって棍棒を振り下ろす。

俺はそれを避け竜鱗を発動して攻撃したオークの頭を掴み地面に思いっきり叩きつける。

グシャッ!!

そんな音がしてオークの頭が潰れる。

残り四体

残ったオークは近づいてこない。

むしろ距離を取っているように見えるのでおそらく逃げるつもりだろう。

当然そんな事は許さないので無魔法の身体強化を使い目にも留まらぬ速さで俺はオーク達の後ろに回り込む。

身体強化を使った俺の敏捷は1400程まで上昇するためオーク達には目で捉える事すら出来ない。

俺が消えたように見えたオーク達は俺が後ろにいる事に気付いていないため、俺はそのまま四体の首を瞬時に刎ねた。

既に事切れたオーク十体をインベントリに入れ俺は転移でマキラの町へと戻った。



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